プジョー、2つのハイブリッド コンセプト|Peugeot
CAR / MOTOR SHOW
2014年12月5日

プジョー、2つのハイブリッド コンセプト|Peugeot

Peugeot 2008 HYbrid Air|プジョー 2008ハイブリッド エア
Peugeot 208 HYbrid FE|プジョー 208ハイブリッドFE

プジョー、2つのハイブリッド コンセプト

プジョーは、2015年までに、ドライビングプレジャーを損なうことなく、CO2排出量を116g/kmまで下げることを目標としている。ディーゼル+電気モーターの4WDシステム「HYbrid 4」をはじめ、内燃機関の高効率化、ダウンサイジング、アイドリングストップの採用やEVもその一環であり、今回のジュネーブモーターショーにおいては、2台のハイブリッドコンセプトをお披露目する。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

圧縮空気ではしる「2008 Hybrid Air」

以前お伝えしたように、「HYbrid Air」は圧縮空気の力で回転力を得る圧力モーターと、ガソリンエンジンとのハイブリッド。今回、このハイブリッド機関を、208をベースにしたSUVモデル「2008」に搭載してお披露目する。

内燃機関は軽量コンパクトな1.2リッター直列3気筒ガソリンエンジン。シリンダーの内部にダイヤモンドカーボンコーティングをほどこし、内部フリクション(抵抗)を30パーセント低減、そのほか熱マネージメントや急速暖機といった効率を高める機構をそなえる最新型のものだ。

このエンジンと圧力モーターは、遊星歯車を使ってEGC(Electrically Gearbox Control)トランスミッションと結ばれ、動力を伝える仕組みを採用している。

パワーソースのひとつである圧縮空気は、2種類の方法で充填できる。ひとつは、ブレーキング時にブレーキパッドではなくコンプレッサーの抵抗で減速し、その力で空気を圧縮するというもの。電気モーターでのブレーキエネルギー回収システムを、コンプレッサーに置き換えたものだ。もうひとつはエンジンでコンプレッサーを作動させて、空気を圧縮する方法。どちらの方法にせよ、わずか10秒で充填は完了するという。

HYbrid Airは既存のモジュラー プラットフォームに手をくわえることなく採用でき、居住空間や燃料タンクを減らすことなく実装できるという利点をもつ。また、EVや電気モーターハイブリッドが高い専門技術を要するのにたいし、圧力モーターやコンプレッサーは各種工業製品として世界中に広く普及しており、故障時の対応やメンテナンスに汎用技術を応用できるため、中興国をふくめたグローバル展開に向いているという。

HYbrid Air|ハイブリッド エアー

HYbrid Air|ハイブリッド エアー

Peugeot 208|プジョー 208

Peugeot 208|プジョー 208(写真は通常モデル)

TOTALと協力のもと開発された「208 HYbrid FE」

「208 HYbrid FE」は、プジョーと1995年よりパートナシップ関係にあるフランスの石油エネルギー企業「TOTAL」との協力でつくられたコンセプトモデル。名前のとおりハイブリッドであり、環境に最大限配慮しながら、ドライビングプレジャーを損なわないという目標を掲げ開発された。

目標としたのは0-100km/h加速を8.0秒でこなしながらも、CO2排出量はわずかに49g/kmという高い環境対応性能。そのために、最高出力68psを発揮する1.0リッターエンジンを搭載した「208」をベースに、さらにエアロダイナミクスを追求し、既存の208と比較してCd値を下げている。また、燃費を向上するうえで重要な車両重量も200kg減を目指して実施され、これにはTOTALの関連企業が開発した複合繊維素材なども利用されているという。

トランスミッションにはEGC(Electronic Gearbox Controlled)を採用、エンジンには専用の熱マネージメントと燃焼サイクル、フリクションの低減、シリンダーヘッドの軽量化をほどこし、さらに転がり係数の高い特別なタイヤとホイールも装備している。

名称の「FE」は効率的なエネルギー利用を意味する「Fuel Economy」、もしくはドライビングプレジャーを表現する「Fun & Emotion」の略であるとされる。

どちらのコンセプトカーも、現時点では概略のみで、外見をふくめ詳細はまだ公開されていない。そのお披露目は、3月に開催されるジュネーブモーターショーだ。

           
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