ベントレーとスキーをめぐる物語|Bentley

CAR FEATURES

zai for BENTLEY|ザイ フォー ベントレー

ベントレーとスキーをめぐる物語

zai for BENTLEYを試す

大谷達也氏がベントレーに招かれて、スイスへ旅立った。聞けばスキーの取材をしにいったのだそうなのだが──

Text by OTANI Tatsuya

zai?

招待状のレターヘッドに描かれていたロゴはふたつ。ひとつは見慣れたベントレーのもので、もうひとつにはしゃれた書体でザイ(zai)と記されていた。

どうやらスイスのスキーメーカーらしいが、これまで聞いたこともなければ見たこともない。もっとも、私はスキーの専門家ではないし、冬が訪れるたびにゲレンデに通っていたのは、もうずいぶん昔の話。あたらしく登場したブランドを知らないのは当然かもしれないが、それにしても気になるのが「ザイ」という音の響きだ。直観的にいって英単語とはおもえない。いっぽう、スイスといえばドイツ語圏とフランス語圏があるので、きっとそのどちらかなのだろうと目星をつけながら、私は年末の旅行客で賑わう成田空港からスイス最大の都市であるチューリッヒを目指した。

ベントレーのスキー板

ベントレーがスキーメーカーと手を結び、その名を冠したスキー板が発売されているという話は今回、はじめて知った。

きっかけは、4年ほど前、当時ベントレーのCEOだったフランツ・ヨゼフ・ペフゲンが、スイスのディゼンティスというスキーリゾートを訪れたことにあったという。

このとき手に入れたスキー板に強く惹かれたペフゲンは、おなじディゼンティスにある製造元に出向くと、「このスキーがどのように生産されているかを見せて欲しい」と申し出た。このとき対応したのが、ザイ・スキーの創業者で、唯一のエンジニアであるシモン・ジャコメットだった。

「緊張しました」 ジャコメットがそのときの様子を振り返る「ベントレーという大企業のCEOが我々のような小さな会社を訪ねてきたのですから。もしかすると、これがきっかけで大きなプロジェクトに発展するかもしれないとのおもいもありました」

ザイの従業員は2003年の創業当時に8名、それからおよそ10年を経た現在でも12名を数えるに過ぎない。なにしろ、彼らは年間1,000セットほどのスキーを、ていねいに手づくりする高級ハンドクラフト スキーメーカーなのだ。