連載・藤原美智子 2013年1月|人生は『う・た・し』を目標に!
BEAUTY / THE EXPERTS
2015年2月2日

連載・藤原美智子 2013年1月|人生は『う・た・し』を目標に!

2013年1月|何かを習っていく過程と人生の歩みは似ている

人生は『う・た・し』を目標に!

あけまして、おめでとうございます。本年も、よろしくお願いします。
2013年が皆さまにとって、すてきな一年となりますように!

さて、新年の最初の連載は、今月の7日に出版した『大人のキレイのつくり方』(PHP文庫)という私の新著のお知らせから! これは2002年に出版した本、『「きれい」への77のレッスン』(PHP研究所)を大幅に訂正、そしてあらたに書き下ろしの原稿を23項目くわえて再編集、改題した文庫本です。

Photographs&Text by FUJIWARA Michiko

6のパートに分けた100の格言

どういった内容のものかというと、右ページに格言的な言葉を。そして左ページに、それを“話し言葉風”に補足した文章を載せた見開き構成になっているもの。たとえば、右ページには「プライド  仕事で大切なことはプライドをもつこと。それは他人に向けるものではなく自分自身に対してのプライド」。この左ページには「これで本当にいいの? と自分に問いかける姿勢が大切であり、こうした自分に対するプライドをもてないひとは何をしても成功しないのではないでしょうか」といった内容の文章が載っている。

ほかには「言葉と現実  言葉に出すと、現実は動いていく」とか「美人への道  どうすれば自分がきれいに見えるのかを知っているひとが美人になれる」などなど、格言は自分らしさの見つけ方や仕事、美意識、メイクやスキンケア、ファッションとインテリア、心と身体など6のパートに分けた100項目。そのほか、現在は廃刊になっている雑誌『ヴァンテーヌ』(ハースト婦人画報社)の連載で書いた原稿に加筆、訂正したエッセイを5本載せている。

30代の気持ちを引きずっていた40代半ばに考えていたこと

ところで、最初に出版した『「きれい」への77のレッスン』は、30代のころに考えていたことや思っていたことを中心にまとめたもの。今回、原稿を書くにあたって久しぶりに読み返して思ったのは、「ひとの本質って、そんなに変わらないものなんだなー」ということ。でも、その一方、当時の自分の生真面目さや一生懸命さが読み取れて気恥ずかしさと、その真摯な姿に愛おしさも沸いてきた。

実際にこの原稿を書いたのは40代半ばだ。ということは、まだ、そのころは30代の気持ちを引きずっていたということだろう。そして、それから10年経ったいま、その原稿に気恥ずかしさや愛おしさを感じたということは、このあいだに、私は大人の余裕が生まれてきたということになるだろうか。一生懸命にしなければできなかったものも、いまでは楽にできて余裕もあるからこそ、以前の自分に“愛おしい”という感情が湧いたのだ。

こんな風に、いろいろなことが楽に感じられるようになってくるのが歳を重ねることの良さなんだなと最近、つくづくと思う。それは自分自身に対してだったり、人間関係だったり、仕事や生き方だったり。若いころは“あーでもない、こうでもない”と悩みながらしていたことも、肩に力を入れずとも、さりげなくできるようになってくる。たとば、ヨガも習いはじめのころは一生懸命に頑張らないとひとつのポーズもできないし筋肉痛にもなる。でも練習をつづけていると徐々に無駄な力みが取れてきて、軽やかにできるようになる。何かを習っていく過程と人生の歩みは似ているなと思う。

誤解のないようにいうと、楽になるとは“いい加減”にするということではない。それまでの経験や知恵の積み重ねがあるからこそ、“ちょうど良い加減”がわかってきて楽になるということだ。もちろん、自分よりも年上のひとから見たら“まだまだ”な私であることは承知しているが、ひとと比べてではなく、あくまでも自分基準での話である。

“人生は嬉しい、楽しい、幸せ”!

──というようなことを、年のはじめにつらつらと考えていたら、今年の目標が浮かんできた。それは今回、加筆して新著の100番目に載せた『人生は「う・た・し」  人生は嬉しい、楽しい、幸せ──この言葉が私の進みたい道しるべです』を意識しながら日々を過ごそう! ということだ。

以前は『人生は「う・た・し」』は、そう思える自分になれたらいいなというくらいのものだった。それを、もっと積極的に取り込むということである。こうしたことは自分の意識次第で思えるようになるもの。不満に思うのか、うれしいと思うのか。退屈と思うのか、楽しいと思うのか。不幸だと思うのか、幸せだと思うのか。それはすべて瞬間々、どっちに思うのかは自分が決めていること。もちろん事故や避けられない状況に遭遇して、そうではない状況も多々あるだろう。でも日々のことは他人の言動や状況に左右にされていることではない。おなじひとつの状況でも憤慨するひともいれば、気にしないひともいる。どうせなら人生はうれしいほうがいいし、楽しいほうがいいし、幸せに思えるほうがいいに決まっている。だから、いつでも心に「人生は、う・た・し」を留めておこうと思ったというわけである。

とはいえ、そう決めてから1ヵ月も経っていないのに、「う・た・し」をすっかり忘れて、「まったく、もう~!」と憤慨してしまうことも多々ある私なのだけれども……! えっ? 何々。この左ページにはどういうことが書かれてあるかって? それはぜひ、この本を手に取って読んでみてくださ~い!

           
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