ジャガー新時代を切りひらくダウンサイジングエンジンに乗る|Jaguar

ジャガー新時代を切りひらくダウンサイジングエンジンに乗る|Jaguar

CAR IMPRESSION

Jaguar XJ|ジャガー XJ

ダウンサイジングエンジン搭載のXJに試乗!

かつては12気筒エンジンを搭載したクルマをラインナップし、7.4リッターエンジンを搭載したレーシングカーでル・マンを制したジャガー。「大排気量車を得意とするメーカー」というイメージをもつひとも多いかとおもう。そんな「ジャガー」もついにマイナーチェンジでダウンサイジングエンジンを採用、搭載する至った。大柄なボディをもつサルーンに2リッター4気筒エンジンを搭載するというニュースは往年のジャガーファンたちにとっては衝撃的なものだっただろう。そんなジャガーがあらたに選んだダウンサイジングエンジンは、実際のところはどうなのか? 島下泰久氏が斬る!

Text by SHIMASHITA Yasuhisa

「XJ」に4気筒エンジンという組みあわせは「衝撃的」

ジャガーというブランドとダウンサイジングという言葉は、あるいは人によっては想像しにくい組みあわせかもしれない。しかし考えてみればジャガーは、すでに10年も前から革新的なオールアルミボディの採用によって環境負荷の低減に取り組んでいるし、スーパーチャージャーによる過給エンジンの経験はさらに長い。つまり高効率性こそは、このブランドが追い求めてきたことにほかならないのだ。

それでも、彼らが用意したあたらしい2種類のエンジンが、驚きをもたらさないわけにはいかないだろう。そのふたつとは、3リッターV型6気筒直噴スーパーチャージドエンジン、そして2リッター直列4気筒直噴ターボエンジン。いずれも「XF」、そして「XJ」に搭載されることになる。とりわけ「XJ」に4気筒という組みあわせは、衝撃的といえるだろう。

ロンドン近郊にて行なわれたテストドライブ。まずステアリングを握ったのは、その2リッターターボユニットを積む「XJ」だ。オールアルミ製のこのエンジンは最高出力240ps/5,500rpm、最大トルク340Nm/1,800-4,000rpmを発生する。このスペックは、最大トルクの面で10年前の3.2リッターV型8気筒エンジンをも凌駕するとジャガーは胸を張る。

トランスミッションは8段AT。「XJ」との組みあわせでは0-100km/h加速が7.5秒、最高速が241km/hと、いずれも十分なレベルを達成する一方、燃費はEU複合モードで9.3ℓ/100km(約10.8km/ℓ)、CO2排出量は216g/kmに抑えられる。

そんなのは些細なこと

ラージクラスサルーンの「XJ」に2リッター直列4気筒ターボエンジンの組みあわせが、果たしてどんな走りっぷりをみせるのか。

興味津々で走り出すと、まずは出足がとてもスムーズなことに感心させられた。低速域からしっかりトルクがたちあがるエンジン特性を、8段ATがうまく引き出しているのだろう。

特に、2,000-3,000rpm辺りのスーッと力が涌き出してくる感触が気持ち良く、巡航時もこれで十分と感じさせる。

Jaguar XJ|ジャガー XJ

力強さとともに気になるサウンドについても、まあ確かに4気筒らしい音ではあるのだが、ツインバランサーシャフトの採用で粒がそろっていて滑らかだし、アクティブエンジンマウントも振動の抑制に貢献していて、絶対的なボリュームも大きくないので、特に引っ掛かるようなことはないはずだ。排気消音効果のあるターボということも有利にはたらいているのかもしれない。

いっぽうで、前がひらけたからと一気にアクセルを踏み込んでも、加速レスポンスはけっして鋭いとはいえないし、6,000rpm超まで引っ張ったとしても、絶対的な加速感は驚くほどではないのは事実。しかしながら不満をいうとすれば、そうした「XJ」にとっては日常的とはいえないだろう条件下でのふるまいぐらい。むしろ138kgという絶対的なエンジン重量の軽さがもたらす、より一層軽快感を増したフットワークの前では、些細なこととすらおもえたというのが本音だ。