ART|立木義浩写真展 『小女』
LOUNGE / ART
2015年5月11日

ART|立木義浩写真展 『小女』

ART|Paul Smith SPACE GALLERY
「小女」が島々に溶け、自然そのものになった「気色」

立木義浩写真展 『小女』

東京・神宮前の「Paul Smith SPACE GALLERY(ポール・スミス スペースギャラリー)」では、12月8日(土)から2013年1月27日(日)まで、フォトグラファー・立木義浩による写真展『小女』を開催する。

Text by IWANAGA Morito(OPENERS)

ポール・スミスを着た「小女」たちを八丈島で撮る

まだ暑さの残る9月中旬、立木義浩は八丈島に渡り「ポール・スミス ジュニア」の洋服を着た3人、東京の人工島で「ポール バイ ポール・スミス」の洋服を着た1人を撮影。4人の「小女」たちの繊細な心の動き、自然に溶け一体となった「気色」(けしき)に迫った。

「小女」とは、律令制(古代日本の中央集権的政治制度)の時代における、4歳以上16歳以下の女子のことを指す。八丈島に暮らす7歳のそら、6歳のすぐり、4歳のももか。そして、東京人工島にたたずむ13歳のじゅな。この4人の「小女」たちに垣間見える無邪気さと、一瞬の美。それはもしかすると、立木自身が感じていた少年時代の記憶なのかもしれない。

ART|立木義浩写真展 『小女』02

ART|立木義浩写真展 『小女』03

八丈島の自然のなかで戯れる3人の幼い「小女」たちは、ときにませた言葉を口にして、歯に衣着せずにものを言う。その一方で、東京人工島の「小女」じゅなは、ときおりハッとするほど大人びた表情をみせ、「小女」時代の終わりが近づいていることを感じさせる。ほとんど自然そのものと言っても過言ではない、揺れ動く魂の謎。「小女」のころだけに匂う「時分の花」を丁寧に切り取り、モノクロ写真のなかに写し出していく。

立木義浩|TATSUKI Yoshihiro

1937年生まれ。徳島県出身。1958年東京都写真短期大学技術科卒業、アドセンター入社。1969年フリーのカメラマンになる。女性写真やスナップ・ショットで多くの作品を発表する。広告、出版などの分野で活動し現在にいたる。展覧会、写真集多数。

立木義浩写真展 『小女』

日程|2012年12月8日(土)~2013年1月27日(日)

時間|12:00~20:00

休館日|水曜不定休(12月は無休)

年内12月29日(土)まで/年始1月3日(木)より営業

会場|Paul Smith SPACE GALLERY

東京都渋谷区神宮前5-46-14 3F

Tel.03-5766-1788

           
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