CAR
MINI Paceman|ミニ ペースマン
7番目の秘蔵っ子
ミニ ペースマンに試乗
SUVとクーペを融合したクロスオーバーとして、2011年のデトロイトショーでデビューを飾ったMINIファミリー7番目のモデル「ペースマン」。その見た目は、先に登場した「カントリーマン(日本名:クロスオーバー)」の2ドアクーペ版であり、よりスポーティに印象を変えた。では、走りはどうか!? スペイン・マヨルカ島を舞台に九島辰也が試乗する。
Text by KUSHIMA Tatsuya
クラシックMINI時代にはなかったネーミング
MINIの7番目のモデルが我々の目の前に現れた。その名は「ペースマン」。意味は“先頭に立つ者”、“リーダーとして下を従える”といったところだ。クルマを擬人化する手法はなかなかMINIらしい……。
とはいえ、この名前はこれまでとはちがう。それはクラシックMINI時代にはなかったネーミングだからだ。ご存知のようにこれまでMINIはボディタイプばかりでなく名前も復刻させてきた。「クロスオーバー」の本国名は「カントリーマン」である。そう考えると、ペースマンはまさにそんな意味を含むのかもしれない。カテゴリーの中でリーダーになるということだけでなく、MINIファミリーの中で未来を切り開いていくクルマなのだと。
それはともかく、まずはこいつのコンセプトから紐解こう。
これまでMINIウォッチャーとして、コンセプトカーからニューモデルまでをずっと見続けてきた立場からいわせてもらうと、開発陣はこのクルマのコンセプトをけっこう前から企てていたような気がする。実際にショーでお披露目されたのは昨年1月のデトロイトショーだが、ハッチバックベースの「MINI クーペ」や「MINI ロードスター」のことを鑑みれば、それより1年以上前に最初のスケッチは描かれていたはずだ。
それにハッチバックの豊富なボディバリエーションからして、クロスオーバーをワンモデルで終わらせるのも不自然な話である。まぁ、ロングホイールベースにするなども考えられなくないが、あれ以上のサイズをカスタマーが受け入れるかどうかは難しいから、これがいい落としどころともいえるだろう。