さる山|whiteは余白の白。濱中史朗展“alternative white”開催

さる山|whiteは余白の白。濱中史朗展“alternative white”開催

些細なこと

今展の白い器のもつ肌は今まで以上にとても艶っぽく危険

濱中史朗展“alternative white”開催

alternative white──今展のタイトルである。けれどもじつは、3年連続おなじタイトルなのだ。初個展以来「さる山」における彼の仕事は、白と黒を基調とし、毎回さまざまな肌合いを試みているけれど、色はこの2色のバリエーションからなっている。

文=猿山 修(さる山)Photographs by MINAMOTO Tadayuki

今年も一年の最後の月を史朗さんと過ごします

毎朝、水を呑むときに使っている彼からもらった大振りのカップは、持った感じも口当たりもすこぶる好くて、使う度、飽きることなく幸せな気持ちになります。特別なお酒でもなく、こだわりの珈琲でもなければ、おいしい湧き水でもない。浄水しただけのまったくどうということのない水を呑むとき、なんでもないものがおいしく感じるというだけでなく、器そのものの存在を、素のまま直に感じる瞬間であるようで、不思議に慣れることはなく、毎回はっとさせられるのです。

一昨年も昨年も、おそらく今年も出品される器は黒いものの割合が多い。では、なぜ「もうひとつの白」なのか。彼の意図ではなく、じつは僕が勝手にそうしている。見た目には、濱中史朗本人もその作品の多くも黒い。ただ印象が白いのだ。テーブルの上に置いた皿や鉢は、料理を盛られても静かにたたずんでいて、花を入れられた瓶も然り。つくり手とおなじ様子なのである。展覧会場にならんだ器は一様に黙りこくっている。静謐は白を連想させる。白く大きな紙の上に充分な余白をもって配置された黒い文字列が、余白それ自体をも意識させるように、器は自らを囲む空間に働きかけて自分の居場所を獲得しているように思えてしまう。

というわけで、タイトルにある“white”は余白の白だったのです。というのは嘘で、今回も「もうひとつの白」がご覧になれます。今展の白い器のもつ肌も今まで以上にとても艶っぽく危険なので、御来場の際は、お気をつけください。

“alternative white”濱中史朗展
会期|2012年12月15日(土)~12月23日(日)
『さる山』
東京都港区元麻布3-12-46和光マンション101
Tel. 03-3401-5935
営業時間|13:00~18:00
会期中無休
http://guillemets.net/

ABOUT
SARUYAMA Osamu

1966年生まれ。デザイナー(ギュメレイアウトスタジオ)元麻布にて、古陶磁を含むテーブルウェア等を扱う「さる山」(電話03-3401-5935)を主宰。 演劇、映像及び展覧会のための作曲・演奏活動も。2001年よりシアタ …

HAMANAKA Shiro

1969年、萩市大屋に(父 濱中月村)大屋窯を構える。 1970年、山口県萩市生まれ。 98年~99年、出張料理人の佐々木志年氏のもと助手。 代表的な個展・企画は、 2000年、ギャラリー草莽(山口/萩)、フローリスト …