タグ・ホイヤーのブランドビジョンについて、ジャン−クロード・ビバーCEOが語る|TAG HEUER
Watch & Jewelry
2017年11月28日

タグ・ホイヤーのブランドビジョンについて、ジャン−クロード・ビバーCEOが語る|TAG HEUER

TAG HEUER|タグ・ホイヤー

2017年のフォーカスは、「オウタヴィア」。
そして、2018年に向けての展望とは(1)

「世界を旅するホイヤー・ヴィンテージ」と題し、ミュージアムピースを世界各地で紹介するイベントを組んだタグ・ホイヤー。そのイベントに合わせて来日した、同社CEOジャン−クロード・ビバー氏に、イベント主旨およびブランドの展望を伺った。超過密スケジュールのなか、僅かな時間を縫うようにしてOPENERSの取材に対応してくださったビバー氏は、いつものごとく元気いっぱいの笑顔で、ブランドの未来を語った。

Photographs by OHTAKI KakuText by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)

貴重なミュージアムピースが、ラ・ショー・ド・フォンから世界へ

――今回、スイスのラ・ショー・ド・フォン本社のミュージアムに所蔵されたヒストリカルピースを世界各地10カ所で披露するイベントが行なわれましたが、どういう経緯で実現に至ったのでしょうか?

ビバー 私がLVMHグループの時計部門総責任者になりましたときに、まず最初にタグ・ホイヤーのミュージアムを訪問しました。その時に、タグ・ホイヤーが築いてきた歴史と伝統に、改めて驚かされたんですね。そしてこのブランドが持つ革新性と、歴史的イベントでの幾つかの要所で、タグ・ホイヤーの時計が使用されてきた事実を知りました。

例えば、ジョン・グレンというアメリカ初の宇宙飛行士の腕に着けられていたのも、タグ・ホイヤーでした。オリンピックでは、その計測にタグ・ホイヤーが貢献してきました。ミュージアムには本当に大きな驚きがたくさんあったものですから、これをぜひ世界中の人たちに見ていただきたい、皆さまのご訪問をお待ちしているだけでは済まないと考えたのです。

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1969年の「モナコ」ファーストモデル。

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1960年代の「オウタヴィア」。

――東京ではモーターレースに関する、ヒストリカルピースがやってきましたが、これはどういう理由があるのでしょうか?

ビバー このトピックスが東京に選ばれたということに、私は嬉しく思っています。タグ・ホイヤーにとって「スピード」「モーターレーシング」とは、ブランドDNAの一部だからです。

さて、その理由ですが、日本の皆さんには、タグ・ホイヤーのスピードに関したエピソードに深く共感をいただいているからです。そしてクロノグラフの愛好家も大勢いらっしゃいます。

――2017年には「オウタヴィア」が復刻されましたが、なぜ、このタイミングでの復刻に至ったのでしょう?

ビバー このモデルが、誕生からちょうど55周年という節目を迎えたことが大きな理由になるかと思います。

復刻の基となったモデルに関して言わせていただきますと、そのデザインを弊社が選んだのではなく、「どの時代のオウタビアを復刻するの

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2017年に復刻された現代の「オウタヴィア」。

が好ましいか」と、オンライン上でアンケートを取り、最もニーズが高かったモデルを復刻しました。そうした経緯もイノベーティヴな手法だったのではないかと自負しております。

――単なる復刻アイテムではなく、印象が非常にモダンに見えているというのが、私自身、新鮮に映りました。ビバーさんご自身、この「オウタヴィア」の仕上がりをどう感じましたか?

ビバー 復刻と言っても、ただ単に、過去のコピーはしたくないのです。かつてのものと、いわゆる競合するものを作っても意味がないと私は思います。

むしろ復刻させるべきは、オリジナルが持っていたスピリットの部分です。それを忠実に再生することが大事だと思っていて、コレクターの皆さま方がご覧になった時に、「あっ! かつてのオウタヴィアとは、ここが違う」と、即座に分かるものを作らなければいけないと思います。

この「オウタヴィア」も、その意味で現代性を持たせています。ケース径をサイズアップ、搭載ムーブメントは自動巻きとなりました。裏蓋はシースルーです。

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Page02. 大躍進するタグ・ホイヤー。その、さらなる成功絵巻について

TAG HEUER|タグ・ホイヤー

2017年のフォーカスは、「オウタヴィア」。
そして、2018年に向けての展望とは(2)

大躍進するタグ・ホイヤー。その、さらなる成功絵巻について

――時計業界が厳しい局面を迎えている中で、タグ・ホイヤーは非常に成功しているブランドのひとつであると思うのですが、その要因を、どのように考えていますか?

ビバー いくつか理由があると思っています。まずひとつは、新しい世代の方々たちと、コミュニケーションをしっかりと取っているブランドであること。もうひとつは、見た目の印象から類推される価格と、実際に、対価をお支払いいただいた価格とを比較したとき、見た目の価格の方が常に高いことです。

また手が届くラグジュアリーであること。現代性が息づいていること。ダイナミックなデザインであるということ。この幾つかの理由が、ユーザーの皆さまの心に響いているのではないでしょうか?

――見た目の価値が非常に高いとは、なぜそのようなことができるのでしょうか?

ビバー 私が、こだわりを持っているからです(笑)。

いえ、そこに私は、非常に力点を置いています。なぜかというと、私は常に実際の価格と見た目の価値とを比較し、見た目の価値が必ず上回る状態であることに注力しています。それを意図的にやっています。

通常、時計メーカーでは、この時計は幾ら、マージンは幾ら、利益は幾らというように、コストの算出で価格が設定されます。しかしながら、お客様は見た目でしか判断できませんので、私は価格設定をする段階において、あくまでも見た目でどれくらいの価値をお客様方に訴求できるものなのか、ということを非常に大事な基準として設けているのです。

――具体的にうかがいます。例えば、18Kゴールドケースの場合、タグ・ホイヤーは複合ケースゆえに、部分的にゴールドを使うことが可能となり、だから価格を抑えられる……。そういう風に、ディテールを非常にシビアに詰めているということでしょうか?

ビバー ええ。あともうひとつは、ご存じの通り、タグ・ホイヤーはほとんどのパーツを自社で内製していますので、自分たちが努力をすれば、生産コストを抑えられるということです。これがマニュファクチュールの強みであり、外注に依存しない、私どものビジネスモデルのたまものと思っています。

――なるほど、将来が非常に楽しみですが、今後、このブランドはどう進化していくのでしょうか?

ビバー 私はこのブランドに対する強い思い入れがあり、ビジョンがあります。期待もあります。

なぜかと言いますと、このブランドはスイスのトップ5の時計ブランドの中でも最も過小評価されているブランドだと、私は思うからです。

――過小評価とは、具体的にどのようなことでしょう?

ビバー 実際のポジショニングから考えると、本来なら、スイスの時計メーカーの中でも2位、3位に位置付けられてもおかしくないのですが、現在のところ6位に甘んじているからです。

お客さまはおそらくタグ・ホイヤーの価値を理解してくださっていると、私は思っています。ですから、お客様方が、過小評価をしているとは思っていませんけれども、しかし実際の売り上げ規模からいきますと、今はまだ6位であって、本来ならば2〜3位になるだけの実力を持っている会社だと思っているのです。

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ジャン-クロード・ビバー
LVMHグループ ウォッチディヴィジョン プレジデント
タグ・ホイヤー CEO

「タグ・ホイヤーの哲学とメッセージは3つのルールから成り立っています:

1. タグ・ホイヤーは «Avant Garde(アヴァンギャルド)»であるべきである
2. タグ・ホイヤーは «手に入る価格のスイス製ラグジュアリーウォッチブランド»であるべきである
3. タグ・ホイヤーの時計は少なくとも小売価格の2倍以上の付加価値があるべきである

もしこれらの基本的ルールを貫き通せば、“手の届く”スイスのラグジュアリーウォッチブランドの規範となるでしょう」

問い合わせ先

LVMHウォッチ・ジュエリージャパン タグ・ホイヤー

Tel.03-5635-7054

http://www.tagheuer.com

           
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