GIORGIO ARMANI|作曲家・荻野清子が着こなすジョルジオ アルマーニ

GIORGIO ARMANI|作曲家・荻野清子が着こなすジョルジオ アルマーニ

Style Mode Attitude―ARMANI Experience

GIORGIO ARMANI|ジョルジオ アルマーニ

ブレない強さとクリエイティビティ、そしてフェミニニティの競演

作曲家・荻野清子がジョルジオ アルマーニを着こなし、語る(2)

ふだん、舞台に立つときなどの衣装についても伺った。

「ちゃんと衣装担当の方がいて、決まったものを“着てください”と言われるときもあるし、なんでもいいから黒っぽいものを、と言われるときもあります。その演目によってそれぞれですね。今まで着たなかでいちばん好きだったのはタキシード。女性ってタキシードを着こなすチャンスはそんなにないと思うのですが、周りにも好評でしたね(笑)。パーソナリティが想像できるような衣装も楽しいですね。先日の例だと“『サウンド・オブ・ミュージック』のマリアのイメージで先生みたいな恰好を”というお題のあるときがあって、それは本当におとぎの国に出てくるようなスタイリングに仕上がって、楽しかったですね」

音楽から役柄が想像できることもあるし、逆に役柄のパーソナリティや身に着けるものからインスピレーションを得て、音楽が浮かんでくることもあるのだという。

GIORGIO ARMANI|ジョルジオ アルマー|荻野清子 07

「舞台の新作って、稽古しているあいだには台本がすべてできあがっているわけではないことが多くて。役者のみなさんも、ちょっとしたヒントを探しながら役づくりをしていくのですが、私もみなさんの佇まいや、衣装さんの描いたラフスケッチなどから登場人物をイメージして曲を作ることがありますね。

女性として作曲家という職業を選び、また選ばれ、活躍している人物というものは、存在はするがやはり数は少ない。もともと荻野さんが作曲という道へ惹きつけられ、進んできた経緯というものはどこにあったのだろうか。

「子どものころから映画音楽が好きでしたね。両親が映画音楽特集というようなLPをよく聴いていて、私も大好きで。『大脱走』や『ロミオとジュリエット』や、西部劇系のもの、それにポール・モーリアなどもよく聴いていました。小さなころから音楽教室に通っていて、そこで作曲のレッスンもあったというのも大きいかもしれませんね。楽譜どおりに弾くのではなく、自分なりにアレンジして好きなように弾くことも、とても好きでしたし。最初に触れた楽器がエレクトーンだったので、ムードミュージックに触れるタイミングが多かったというのもあります」

“作曲すること”“作りあげること”への真摯さ

女性として、作曲家としての前線にいることについてもこう語る。

「作曲家は、男性の方が圧倒的に多いですし、この世界は男性社会ではあります。曲を作るということは本当に孤独な戦いですし、夜中の作業になることも多いし、追い込まれることも多いし、体力や精神的にタフじゃないとできない。実際に曲を作ったあとも、現場にそれを持って行き、大勢いるミュージシャンたちに指示を出していかないといけない。いろんな意味で、ひとりで戦っている時間が多いです。それに自分が耐えながら──耐えられているのかは分からないですけれど──ひとつの曲や作品を作り上げていくということは、結構きつい作業だとは思います。でも私の場合は、それを越えた先の出来上がったものに対して、“いい曲だね”と言ってくださる方がいると、一気にそれまでの苦労が消えてなくなる。もうやめようって何度も考えたりもしますが(笑)、またやろう、また曲を作ろう、って思えるんですよね」

創造することに対するストイックな姿勢、徹底した完璧さを目指すそのアティチュードは、デザイナーであるジョルジオ・アルマーニ氏にも通ずるものがある。

「作曲するときには家に引きこもるのですが、そのようすは多分ひとにはお見せできません(笑)。曲づくりに集中して、のってくると徹夜することもままあるので、それが終わったときにいつでも睡眠に入れるような恰好ですし。徹夜していると眠たくなることもあるけれど、集中しているのを途切れさせたくないので、“寝ちゃダメ!”と自分でビンタして、眠らないようにしたり……(笑)」

GIORGIO ARMANI|ジョルジオ アルマー|荻野清子 08

ストイックな仕事ぶりながら、話しぶりはあくまでもチャーミング。そこにまた、芯がありながらもしなやかな感性をもった荻野さんの人柄というものが浮き彫りになるかのようだ。

作曲家として、クリエイターとして。目指すところはまだまだ先を見つづけている荻野さん。いまの夢についてもこう語ってくれた。

「オリジナルで大きなミュージカルというものを作ったことがないので、世界な通用するようなミュージカルを作ってみたいですね。それをいつかブロードウェイで公演できれば、すてきだと思います」

荻野清子|OGINO Kiyoko
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。作曲家・ピアニスト。舞台、映画、ドラマ、CM等の音楽を中心に活動。ミュージカルやコンサートで演奏活動もしている。映画『ザ・マジックアワー』で第32回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。映画『ステキな金縛り』で第35回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。音楽を担当したNHK連続テレビ小説『純と愛』も放映中。

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