ランボルギーニ、EVスーパーカー「テルツォ ミッレニオ」披露|Lamborghini
CAR / NEWS
2017年11月15日

ランボルギーニ、EVスーパーカー「テルツォ ミッレニオ」披露|Lamborghini

Lamborghini Terzo Millennio|ランボルギーニ テルツォ ミッレニオ

MITとコラボした未来のスーパーカー

ランボルギーニ「テルツォ ミッレニオ」披露

ランボルギーニは11月7日、米国マサチューセッツ工科大学にある2つの研究所とコラボレーションして開発した、電気で走る未来のスーパースポーツカーのデザインコンセプト「テルツォ ミッレニオ」を初披露した。

Text by HARA Akira

革新的な蓄電システムや素材とデザインが融合

「テルツォ ミッレニオ」とは、第3の(テルツォ)千年紀(ミッレニオ)を意味し、ランボルギーニらしいビジュアル、圧倒的なパフォーマンス、本能的な感情をわき上がらせる、という同社のモデルが持つ特徴を変えることなく、未来のデザインとテクノロジーの姿を具体的な形で表現した未来型スーパースポーツカーだ。その開発は、「蓄電システム」「革新素材」「推進装置」「先見的なデザイン」「エモーション」という5つの技術的側面から行われたという。

この中で、「蓄電システム」と「革新素材」については、ランボルギーニが大部分の資金提供を行う共同プロジェクトとして、マサチューセッツ工科大学化学科のミルセア・ディンカ教授率いるディンカ研究所と、同大学機械工学科のアナスタシオス・ハート教授率いるメカノ合成グループの2つの研究所と提携して開発が進められた。

Lamborghini Terzo Millennio|ランボルギーニ テルツォ ミッレニオ 009

Lamborghini Terzo Millennio|ランボルギーニ テルツォ ミッレニオ 010

まず、重要な蓄電システムには、従来のバッテリーではなくスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)を採用。ディンカ教授とのコラボレーションでは、スーパーキャパシタが持つ高出力、瞬間的な電力の放出と回収、長寿命という特性を維持しながら、現在のテクノロジーの限界を克服してバッテリーのエネルギー密度との差を縮めることを目指しているとする。

蓄電システムの変革に対応した革新素材についてはハート教授が担当で、ボディシェルを構成する軽量なカーボン素材自体を蓄電できる素材とし、ボディ全体に蓄電機能を持たせようとするもの。さらに“自己修復”コンセプトを組み合わせ、事故等で生じた損傷を検出し、微小流路に満たされた修復用化学物質によってカーボンファイバー内を亀裂が伝播するリスクをゼロに抑える機能も搭載するという。

Lamborghini Terzo Millennio|ランボルギーニ テルツォ ミッレニオ 021

Lamborghini Terzo Millennio|ランボルギーニ テルツォ ミッレニオ 035

駆動は各輪に配したインホイール モーターによって行われる4輪駆動システムで、これにより車体のデザインは自由度が高められ、テルツォ ミッレニオは蓄電システムと運転席、助手席のみというレーシングカーに着想を得た形状で、圧倒的な空力性能を持つモノコック構造となっている。前後のライト部分には、ランボルギーニ独特のY字型を進化・発展させた将来的デザインのテーマが見て取れる。

また、走りのエモーションについては、運転に夢中になれるという従来の感覚を引き継ぐだけでなく、電気モーターの応答性や4輪トルク制御、ダイナミック ボディ コントロール システムが運転の快適性を向上させており、「第3の千年紀」をイメージさせるものになっているという。さらにコックピットには、イモラなどのサーキットをエキスパートの運転で仮想走行できるほか、先行するゴーストカーの後ろに付いてドライバー自らが運転してサーキット走行が体験できる、運転走行シミュレーションシステムを搭載する。

ランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOは、「将来を見据え、現在は不可能とされていることを形づくっていくことに、私たちはやりがいを感じます。ランボルギーニは常に次世代の夢を創造していかなくてはなりません」と語っている。

           
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