ミハラヤスヒロX怪獣芸術家ピコピコ先生 ちょっと長めの7000字怪獣放談|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|ミハラヤスヒロX怪獣芸術家ピコピコ先生 ちょっと長めの7000字怪獣放談

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ピコピコ先生! 怪獣芸術って何ですか?

昭和時代に育まれたニッポンの優れた造形“Kaijyu”を紐解く!(2)

怪獣は、着ぐるみでなくっちゃ!

ミハラ いまは怪獣映画もCGが主流じゃないですか。『パシフィック・リム』(2013年公開)も怪獣という言葉を使うんだったら着ぐるみを出してほしいなって心の中でひっかかるものがありました。

ピコピコ 監督のギレルモ・デル・トロはもともと特殊メイクの人だから着ぐるみが大好きなんです。だから『パシフィック・リム』も着ぐるみ出るんじゃないかなと期待してたんだけど、さすがに無理でした(笑)。

ミハラ 『シン・ゴジラ』(’16年公開)は僕が好きなタイプの顔ではないんですけど、いまの子が“ゴジラだ!”と思うには十分すぎるぐらいの造型でしたね。いまは子供が怪獣にあまり興味なくなったのかなと思うんです。

ピコピコ そうなんですよね。僕らが子どもの頃は盆と正月に必ずゴジラ映画があったのに、それがなくなったために子どもに伝わらなくなって。

ミハラ 『シン・ゴジラ』はゴジラが成長していくじゃないですか。最初第二形態を見たとき“えっ、ゴジラこんな感じ?”みたいな(笑)。いまの子がスタートラインとして見るにはすごく面白かったんじゃないかなとは思いましたけど、あそこまで圧倒感なくてもよかったですね。いきなり身体中から光線が出たり。

ピコピコ ちょっと真面目過ぎたかなとは思いますね(笑)。

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ミハラ やっぱり怪獣ってユーモアも必要だと思うんです。

僕はタイムリーじゃないけど『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(’67年公開)のミニラを見たときグッときました。“ああ、怪獣って子どもがいるんだ!”って(笑)。

ミニラってすごく人間っぽい顔なんですよね。あれはあれですごく好きな怪獣です。

……しかし、どれが一番好きかっていうことになると、すごく悩みますね(笑)。

ピコピコ 一番はなかなか難しいですよね。好きなの100体挙げろって言われたら、すぐ挙げられますけど(笑)。

――怪獣の定義がどこまでかというところもありますから。

ピコピコ そうなんですよね。例えば、カネゴンなんて少年が変形しただけですから。

――おカネ大好きな小学生の加根田金男くん(笑)。カネゴンやピグモンは人間と身長も近いので親近感がありましたよね。

ピコピコ 僕なんかその延長で着ぐるみを作っているので、カネゴンとか見るとここに憧れたのかなと思いますよね。

ミハラ 僕は『ウルトラセブン』のカプセル怪獣がうらやましかったです。カプセルを投げたらバッと出てきて。ウィンダムとか。

ピコピコ 自分の所有する怪獣。ポケモンなんかはカプセル怪獣が元ネタですからね。

――ミハラさんは怪獣好きが高じて造型の方に進もうとは思われなかったんですか?

ミハラ 小さい頃は怪獣の絵を描いて粘土で作ったりはしてましたけど、怪獣にならない。やっぱり怪獣作る人って天才だなと思うんです。さっきピコピコ先生がおっしゃっていたように、生物学的にあり得ない形を発想しつつ、どこか人間らしいところって自分の考えた怪獣にはなかったなあと思って。怪獣といえば怪獣なんですけど、どちらかというと異物な感じになる。

怪獣ってひとつのキャラクターであり、個じゃないですか。バルタン星人みたいにいっぱいいるわけではなく、出てくるときはだいたい1体ですよね。そこで強烈なインパクトを残せるような怪獣を作れていたら、怪獣作家になりたかったと思います。どちらかというと仮面ライダーシリーズの怪人の方が、まだ作りやすいですよね。

ピコピコ 怪人はモチーフをはっきりと出しますから。

ミハラ なので好きなのは仮面ライダー系よりも怪獣に偏ってました。おもちゃで遊んでいても、やっぱり尻尾があってドスーンとした存在感がある方が楽しいし。

ピコピコ 怪人は人間の形ですから。当時、怪獣に比べてそれほどおもちゃが売れなかったのは、そこですよね。おもちゃとしての魅力は映像としての魅力とはまた別なので。

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