パリ現地リポート|Audi crosslane coupe
CAR / MOTOR SHOW
2015年1月26日

パリ現地リポート|Audi crosslane coupe

Audi crosslane coupe|アウディ クロスレーン クーペ

アウディ クロスレーン クーペを目撃

「技術による先進」をブランドのスローガンとするアウディは、いま、あらたなデザイン、あらたなパワートレーンの研究をすすめているという。それがどんなものかについては、それほど遠くないうちにOPENERSでもご紹介できる予定だが、現在、そんなアウディの未来を予告するモデルは、この「クロスレーン クーペ」というコンセプトモデルだ。先日のニュースにつづき、現地からの写真とリポートが到着した。

Text by OTANI TatsuyaPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko

今回、唯一のアウディのコンセプトカー

量産モデルを多数出展したアウディ・ブースのなかで、唯一のコンセプトカーといえるのがこの「クロスレーン クーペ」だった。

全長4.21×全幅1.88×全高1.51mのボディは、“シンプル”という意味では最近のアウディ スタイリングと共通しているものの、これまでの優雅な曲線から、力強い直線に一転している点が目新しい。クロスレーン クーペは今後のQモデルの方向性をしめすデザインスタディとしての役割も担っているが、これはQモデルだけに限らず、アウディ全体のスタイリングを指ししめしているとも考えられる。

デザイン面で注目されるのは、引きつづき採用される「シングルフレームグリル」がより立体的で手の込んだ造形とされたこと。これは後述するボディ構造を象徴するデザインでもあるという。また、幅が広くフラットな形状のCピラーは、1980年代に登場した「ビッグクワトロ(アウディ クワトロ)」を想起させる。

Audi crosslane coupe|アウディ クロスレーン クーペ

Audi crosslane coupe|アウディ クロスレーン クーペ

ボディ構造には「ASF(アウディスペースフレーム)」を一歩推し進めた「マルチマテリアル スペース フレーム」が用いられている。ただし、あくまでもアルミが主体だった「ASF」にたいし、「マルチマテリアル スペース フレーム」ではこれにカーボンコンポジット素材やグラスファイバーコンポジット素材が組みあわされており、一層の軽量化と高強度化がはかられた模様。

ちなみに、「クロスレーン クーペ」は容量17.4kwhのリチウムイオンバッテリーを搭載するプラグインハイブリッドカーだが、このあたらしいボディ構造の恩恵もあって車重は1,390kgに抑えられている。

パワートレーンには「デュアルモード ハイブリッド」と呼ばれるまったくあたらしい形式が採用された。これは、基本的にはふたつのモーター/ジェネレーターを組みあわせたシリーズタイプのハイブリッドだが、時にはエンジンが生み出すパワーを直接、駆動輪に導くこともできる洗練された構成。

Audi crosslane coupe|アウディ クロスレーン クーペ

デュアルモードハイブリッドについては、後日、掲載する「アウディ フューチュア テクノロジー」の項で詳しく紹介しよう。

発表された資料によると、3気筒1.5リッターのTFSIエンジンを積む「クロスレーン クーペ」の動力性能は0-100km/h加速が8.6秒(電気モーター駆動の場合は9.8秒)で最高速が182km/h。ただし、プラグインハイブリッドを搭載していることもあり、ヨーロッパ方式による燃費は91km/ℓ(!)でCO2排出量はわずか26g/kmに過ぎない。

 

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