フォルクスワーゲンup!に試乗|Volkswagen

フォルクスワーゲンup!に試乗|Volkswagen

CAR NEWS

Volkswagen up!|フォルクスワーゲン アップ!

軽自動車の牙城をもゆるがす

フォルクスワーゲン up!という黒船

あらゆる小型車にとって、今後しばらくは一番の強敵となるだろう存在。それがこの「up!(アップ!)」だ!

Text by OTANI Tatsuya Photographs by ABE Masaya

ついにup!が日本にやってきた

日独の考え方のちがいがはっきりとあらわれたな、とおもう。何かといえば、本日、日本でも発表されたフォルクスワーゲンup!(アップ!)のことである。

up!は全長3.5m、3気筒1.0リッターのちっぽけなエンジンを積んだコンパクトカーで、国内の価格は149万円から。フォルクスワーゲン グループ ジャパンでは、日本製コンパクトカーはもちろんのこと、軽自動車さえライバルになると想定している。

なるほど、149万円だったら軽自動車だってライバルになりうる。最近人気のハイト系軽自動車(ダイハツ「タント」やホンダ「N-BOX」など)の価格はどれも100万円以上で、なかには150万円を上まわるものだってある。しかも、いざ買おうとおもうと、あれやこれやとオプションをオーダーすることになり、気がつけば当初の予算をオーバーしていたなんてことが往々にして起きる。

いっぽうのup!は、こちらも輸入車には往々にしてあるように最初からオプション満載(驚くべきことにレーザーセンサーをもちいた自動ブレーキシステムまで標準装備する)で、設定されているメーカーオプションは電動サンルーフのみ。あとはディーラーオプションとしてPDAタイプのナビゲーションが5、6万円で用意されるようだが、いまどき「それならスマホで代用する」という向きも少なからずいるだろう。だから、軽自動車との実質的な価格差はいっそう縮まる。フォルクスワーゲンがライバルと名指しする気持ちもわからなくはない。

Volkswagen up!|フォルクスワーゲン アップ!
Volkswagen up!|フォルクスワーゲン アップ!

老舗のTシャツ

けれども、up!と軽自動車とでは、物づくりの思想と発想が正反対といっていいくらいことなっている。

そのちがいをファッションにたとえるなら、ファストファッションのドレスシャツと老舗高級ブランドのTシャツくらい、大きな隔たりがあるとおもう。

ファストファッションは、私も愛用している。価格が手ごろなだけでなく、トレンドをいち早く採り入れたデザインもなかなかオシャレ。クォリティだって「安かろう悪かろう」と揶揄されるほどには悪くない。1万円も出せば、立派に見栄えのするドレスシャツが手に入る。

老舗高級ブランドでおなじ1万円を払って買えるものといえば、シンプルなスタイルの真っ白いTシャツがせいぜいか。一瞥しただけでは何の変哲もないシャツだが、よくよく見れば素材の良さは明らかだし、何の面白みもないようにおもえるデザインにも独特の風格というか、老舗でなければ表現できない“たたずまい”というものが存在する。「やっぱり老舗ブランドはちがうなあ」 着れば着るほど、そんなおもいがこみあげてくることだろう。

いうまでもなく、軽自動車がファストファッションでup!が老舗ブランドのTシャツというのが、私の見たてである。では、up!のどんなところがそうおもえるのかという話を、これから進めていくことにしよう。