プロフェッショナルユースに適合するべく、最先端技術を投じたダイバーズウオッチ|CITIZEN

CITIZEN|プロフェッショナルユースに適合するべく、最先端技術を投じたダイバーズウオッチ

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CITIZEN|シチズン

数々の“世界初”を生み出してきた
プロマスターの開発思想に迫る(2)

タフネスは信頼につながり、そして信頼は自信へとつながっていく

ここからは「シチズン プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000m」の外装開発を担当した、製品統括本部製品開発部第一製品開発課の齋藤明洋さんにご登場いただき、新モデルの技術的側面に対して解説していただこう。

はじめに光発電エコ・ドライブを搭載しつつ1000m飽和潜水の性能をクリアするうえで、ネックとなったことは何か?

「ムーブメントの電子部品は機械部品よりもデリケート。ヘリウムガスがケース内部に侵入し、ケースの内圧が上昇すると、不具合が発生する可能性がある。よって今回はケースの内圧を電子部品の不具合が発生しない圧力に抑えるため、時計ケースそのものの密閉度を高めることに挑戦しました」(齋藤氏)

ヘリウム対策は、防水以上にハードルが高くなる。齋藤さんによると、密閉性を高めるための指針として以下を決定したそうだ。

1 ヘリウムの透過性が低いブチル製パッキンの採用とパッキンサイズの拡張

パッキンは金属部品間で圧縮することで、水やヘリウムの流入を防ぐ役割を果たしている。その部品のヘリウム透過性を下げ、パッキンサイズを大きくすることで、ヘリウムの流入量を下げる。

2 パッキンを二重化することにより、万一の不具合を防ぐ

万一の不具合により、ひとつのパッキンがダメになっても、もうひとつのパッキンで機能を補う。

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3 金属加工精度を高める

パッキンを挟み込む金属部の切削面はばらつきを抑えるために同一工程での加工とした。また、切削スピードを落とすことで、面を滑らかにして、パッキンとの密着度を高めている。

4 組立てのばらつきを抑える

パッキン形状や使用する潤滑剤を複数検証を行ない、組立てによるばらつきが少ない設定を採用した。

いずれにしてもヘリウム対策では不具合の発生が少なく、侵入の原因を目視で特定することができないため、「当たりをつけて対処することの連続だった」と、齋藤さん。しかし結果を出した技術者の眼差しには、力がこもっていた。

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CITIZEN独自の表面硬化技術を組み合わせた高耐久外装

シチズンは、スーパーチタニウム™技術を用いて、肌に優しい一方で、柔らかく加工がしにくい素材である純チタニウムの表面を硬化させる術を持つ。なかでも、このモデルでは同社が持つ表面硬化技術”デュラテクト”のうち、硬度が異なる3種類が用いられることとなった。

本体ケースには、高硬度が得られるデュラテクトMRKを採用。高温環境で特殊ガスを入れ、表面に20〜30μの膜で浸透させている。また表面を硬化させると同時に、純チタニウム製のケースと、チタニウム合金を精密に切削したりゅうずパイプを原子レベルで接合する、固相拡散接合も行なわれる。チタニウムの原子を交換させ、接合箇所を強固にすることで1000mの水圧に対応 ―― 。硬化技術にはそうした技術的側面もある。

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表面硬化技術、デュラテクトMRKが施された時計ケース。表面を硬く、傷がつきにくくすると同時に、純チタニウムのケースとチタニウム合金のパイプ部品(りゅうずおよび排気バルブ)を固相拡散接合することで、強固な接合が可能となった。

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DLC加工を施した回転ベゼルのロックリング。耐久性アップのため、部分的に敢えてDLCを剥がしていることが分かる。

また、このモデルで採用されたのが、鮮やかなオレンジカラーである。このカラーは、潜水時間を知らせる分針、時計が正しく動いていることを知らせる秒針、および回転ベゼルのロックが解除されていることを示すアラートに使用されている。ねじ込み式りゅうずがしっかりとねじ込まれていない場合にも、このカラーが目に飛び込んでくる仕掛けだ。

技術者は、ダイビングライセンスを取得し、実際に海中に潜って、色を視認、検証したという。そうして、このオレンジが最も視認性が高い結果を得たのだ。

想像するだけの世界よりも、実地試験を重ねたい。それはユーザーの安心・安全を徹底追求したいとする技術者たちの意思そのものだった。

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Page03. プロフェッショナルの要求を満たすプロマスターの存在意義