乗馬、体操、テニス。多種目公式タイムキーパーの矜持、年差±5秒の高精度|LONGINES
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2017年5月19日

乗馬、体操、テニス。多種目公式タイムキーパーの矜持、年差±5秒の高精度|LONGINES

LONGINES|ロンジン

他のデバイスに頼らず
時計本来の自立した機能を高めることで
超高精度を実現(1)

ロンジンが発表した2017年の大型新作は「コンクエストV.H.P.」。ETAとの2年越しの共同開発期間を経て、超高精度エクスクルーシブムーブメントの完成を見たのである。ロンジンが公表する値は、年差±5秒以内。この貴重な最新ムーブメントをもったいぶることなく、当初から量産ベースに載せてくるところがロンジンらしい潔さである。

TEXT by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)

1969年の雪辱を晴らすVery High Precision(超高精度)

世界初の腕時計型クオーツを発売したのは日本のセイコーである。しかし時を同じくして、ロンジンもまたクオーツの腕時計を開発していた。

「私たちが1969年に発表したモデルが『ロンジン ウルトラクオーツ』。このモデルは発表こそ先んじましたが、実際にお客さまのもとに製品をお届けできたのはそれから3年後だったのです。この間、日本のセイコーは発表と同時にデリバリーを開始。我々は後塵を拝したのです」(ウォルター・フォン・カネル社長)

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左上/ロンジンが1954年に完成させた、スポーツ計時のためのクオーツクロック。右上/ロンジンが1969年に発表した「ウルトラクオーツ」。左下/1984年リリースの「コンクエストV.H.P.」。この時点で、5年間の誤差±1分を実現した。右下/1996年リリースの「コンクエストV.H.P.」。このモデルで永久カレンダー機能が付加した。

今日において、ロンジンの全製品のおよそ20%はクオーツムーブメントを搭載したモデルとなる。なかでもV.H.P.の名を冠したモデルは、特別な高精度モデルだけに与えられてきた称号だ。ロンジンは1984年に「コンクエストV.H.P.」をリリースし、1996年には永久カレンダー機能を加えた新シリーズを追加。そして満を持して登場させてきたのが、今回の新作である。

スマートウォッチが衆目を集める中で、時計本来の自立性を崩すことなく、他デバイスに頼らずに高精度実現を図ろうとする名門時計メーカーの意気込みの証である。もちろん、一足飛びに新たなキャリバーが生み出せるわけではない。ロンジンが多彩なスポーツの公式タイムキーパーを担うなかで培ってきたノウハウを集約させ、新作に結実したのだ。

特筆すべきは、ギア・ポジション・探知システム(GPD)である。このモデルは、衝撃や磁界によって万一、針ズレが生じても、IC側が計測する本来の針位置へと自動的に補正する。また一定以上、強く影響を受け続けた場合、針は一時ストップ。影響下から外れた後に、自動的に針位置を戻す仕組みとなっている。電池切れで針の運針が止まっても、半年以内であれば正確な情報を失わず、通電後に時刻を正しく戻すことができる。そして衝撃や磁界の影響を受けなくても、毎夜3時に自動補正を繰り返す。

非常に優秀である。

しかもこの優れたムーブメントを、高付加価値の外装を添えて売り出すのではなく、むしろロンジンの王道的スポーティデザインで量産モデルの中心に据えるところがこのブランドらしさである。センターセコンドモデルとクロノグラフの2タイプ、4種類の文字盤(ブラック、ホワイト、ブルー、カーボン)で、全8機種をラインナップする。

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コンクエスト V.H.P.

Ref|L3.726.4.56.6(左)、L3.716.4.96.6(中)、L3.727.4.76.6(右)
精度|年差±5秒
機能|スマートクラウン ※時差修正時、リューズを勢い良く回すと、針を一時間分スムーズに送ることができる
ケース及びブレスレット素材|ステンレススチール
ケース径|41mm(3針モデル)、42mm(クロノグラフ)
価格|12万1000円(3針モデル)、19万6000円(クロノグラフ) ※ともに税別予価
発売|今冬発売予定

Page02. ロンジン初のシリシウム製ヒゲゼンマイ

LONGINES|ロンジン

他のデバイスに頼らず
時計本来の自立した機能を高めることで
超高精度を実現(2)

ロンジン初のシリシウム製ヒゲゼンマイ

こちらも高精度を追求する姿勢の現れとして誕生した新作である。「RECORD」と命名されたこのモデルには、ロンジンでは初となるシリシウム製ヒゲゼンマイが搭載されている。

シリシウム、つまりシリコン製のヒゲゼンマイは、衝撃によるダメージを受けにくく、さらには耐磁性にも優れているとして、スウォッチグループ内でも採用モデルを少しずつ増やしてきた経緯がある。オメガで先行し、その技術をティソやミドー向けのムーブメントで実現、そしてついにロンジンのエクスクルーシブムーブメントでも搭載に至ったのだ。

もちろんティソやミドーで搭載するムーブメントとロンジンが採用するムーブメントは異なるものとなっている。ロンジンは自動巻き専用ムーブメントとして開発された薄型高級ムーブメントETA2892がベース。対するティソとミドーが搭載するムーブメントは、汎用的位置づけのETA2824がベースとなる。この当たりは、もともと数多くの自社開発ムーブメントを持ち、ETA社創立時に多くの技術提供を行なったロンジンにアドバンテージがあってしかるべきである。

「RECORD」が搭載するキャリバーL592.4(女性用)、L888.4(男性用)、そしてシリコン製ヒゲゼンマイを搭載する前段階のETA2892を、ウォルター・フォン・カネル社長は“マイベイビーズ”と呼称する。彼にとっては我が子同然なのだろう。

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デザインも、ロンジンらしいエレガントな表情を纏う。スリムなローマ数字インデックスにブルーの針の組み合わせは、クラシカルなのに、モダンにも見える。タイムレスなオーセンティックデザインは、ロンジンが得意とするデザインワークだ。

COSCクロノメーター取得モデルは、ロンジンの現行ラインとしては唯一。やはりこの文字が文字盤にあると、誇らしさが倍増して見える。

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レコード

Ref|L2.820.4.11.6(左)、L2.320.0.87.6(右)
ムーブメント|COSC自動巻き(シリシウム製ヒゲゼンマイ)
ケースおよびブレスレット素材|ステンレススチール。女性用はベゼルに52ポイントのパヴェダイヤ
ケース径|38.5mm(左)、26mm(右)
ケースバック|シースルー
文字盤|男性用はローマ数字インデックス、女性用はMOPダイヤルに12ポイントのパヴェダイヤ
防水|3気圧
価格|25万2000円(左)、48万8000円(右) ※ともに税別予価
発売|今秋発売予定

問い合わせ先

ロンジン(スウォッチ グループ ジャパン)

Tel.03-6254-7351

https://www.longines.jp

           
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