米山庸二×中村獅童 特別対談「挑戦するということ」|M・A・R・S

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「M・A・R・S」米山庸二 特別対談

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米山庸二×中村獅童 特別対談

挑戦するということ(2)

モノを創る人間は心はアナログでいないと感動を与えられない

米山 獅童くんは、すごく攻めているイメージがある。

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獅童 攻めないとつまらないですよね。おじさんっぽいことを言いたくはないですけど、今の若い子って何が楽しいのかな? って思うことがあるんです。僕は昭和47年生まれで、もうすぐ成人になるっていうときにバブルが弾けちゃって。どんちゃん騒ぎをしていた大人たちに憧れながら育った。だから、今でもいろんなことに興味があるんです。

でも、今や人と接するのが面倒臭いという時代。あらゆることがデジタル化して、知りたいこともスマホひとつでなんでもわかる。本屋に行かなくても、写真展に行かなくても、美術館に行かなくても情報が得られる。本当に便利だなって思いますよ。でもその半面、モノを創る人間は心はアナログでいないと感動を与えられないんじゃないかなって。とくに歌舞伎は、何百年も昔の人間を演じるわけですから。

米山 そういう話は若い子に話したりするの?

獅童 しないですね。それは自分自身の問題だし、それぞれいろいろな考え方があっていいと思っているので。僕も初音ミクさんと一緒に、デジタルと歌舞伎の実験的な作品をやったり、いろいろな可能性を試させていただいていますし。でも、お客さまは、生の舞台を観るために、バスや電車に乗ってとアナログ的な手順を踏んで来られる。僕らは、その思いに応えるべく、そこでしか味わえない一期一会の感動を追い求めていきたいと思うんです。

米山 やっぱり、便利な世の中になればなるほど、次に欲しくなるのは不便利なことだと思うんですよ。

獅童 車も全自動運転になったら便利だなと思うけど、運転する楽しさがないですもんね。

米山 クリスマスの時期とか、デパートのポップアップショップに立っていると、彼氏のプレゼントを選びにくる女の子とかに出会うんですよ。そういうときの、えも言われぬ表情とかを見ると、すごくいいなって思うんです。うちのブランドを選んでくれたことも嬉しいし、その瞬間に関われたのがありがたい。それはデジタルでは味わえない感覚ですよ。

獅童 そういうのが面倒臭いって思われちゃったら辛いですよね。

M.A.R.Sのジュエリーは、女優さんからのウケがいい

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米山 サプライズって、いまの時代はリスクを生むじゃないですか。それを避けるなら、やらないほうがいいっていう風潮にどんどんとなっている。でも、獅童くんのやってることってサプライズだと思うんです。お客さんは「獅童くんはどんなことをするんだろう?」って観に来る。そこで、自分が良いと思うものを演じて、お客さんはそれを受けて帰る。サプライズが大きなサプライズになって広がっていくのは、素敵なことですよ。

獅童 アクセサリーを作るのも同じでしょ? 本当に価値のある、消費されないものであることがますます大事になっている。何が大切で何が必要ないか、各々が問われる時代になっている。僕は、M.A.R.Sのジュエリーを大切に使ってますよ。ひとつひとつが繊細、それでいて存在感があって洒落も効いているところが好きですね。撮影現場とかに着けていくと、女性ウケがいい。共演する女優さん人気が高いですよ。

米山 それは嬉しいなぁ。獅童くんが大切にしているモノって他に何かありますか?

獅童 例えば、こういう筆も一生モノですよ。これなんかも初舞台から使っているから、もう30年以上。子どもの頃は眉毛、いまは細かいところを修正するのに使っています。これも普通の筆なんだけど、もう20年以上。崩れないように糸を巻いてボンドで固めてあるんです。いいものは持つんですよね、このセットさえあればだいたいの役ができる。

米山 そうなんだ。

獅童 あとは、おかもちもそう。舞台の袖まで、お弟子さんとかが持ってくる備品入れなんだけど。若い頃はコレを持っていくほど出番の多い役をやらせてもらえないから、必要はないんですけどね。でも、母が僕が10代の頃、すでに職人さんに頼んで作ってくれていて。やっと主役級の大役をやらせていただいたときに、初めて下ろしたんです。だから、ひとつひとつが一生モノ。僕の場合は父親が早くに廃業してしまったので、鏡台を譲り受けるとかはなかったけど。受け継がれるものもたくさんありますよ。

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米山 鏡台もそれぞれ自分のものを使っているんだ!

獅童 役者さんごとのオーダーメイドなんです。うちのは、逗子のほうにある木材専門の家具屋さんにお願いして。若いときは相部屋なので大きな鏡台は出せないですけど、ひとり部屋がもらえるようになって、やっと使えるようになったんです。

米山 今後、何か新しいことにチャレンジする予定はありますか?

獅童 カタチになるのは来年以降だと思いますけど、すでに進めています。いくつになってもチャレンジする気持ちを忘れずに、邁進していければと思っています。

米山 ますますのご活躍を期待しています。今日はありがとうございました。

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中村獅童|NAKAMURA Shido
1972年9月14日東京都生まれ。日本大学芸術学部演劇学科出身。祖父は昭和の名女形と謳われた三世中村時蔵。父はその三男・三喜雄。叔父に映画俳優・初代萬屋錦之介、中村嘉葎雄。従兄は、中村歌六、中村時蔵、中村又五郎、中村錦之助。8歳で歌舞伎座にて初舞台を踏み、二代目中村獅童襲名。

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