ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団の東京公演第2弾イベントレポート|MUSIC

MUSIC|ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団の東京公演第2弾イベントレポート

©正木万博

LOUNGE MUSIC

MUSIC|ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団コラボ公演第2弾

エレクトロとクラシックが織りなす音楽の宇宙とは(2)

瞑想状態により、宇宙と時間軸の旅をする

そもそも、惑星を科学的な事実にもとづいて表現するというのはどういうことか、完成度の高いオーケストラの演奏を聴いているだけで読み解くのは難しい。具体的には、「地球、火星、冥王星のように、水がある惑星には、似たリズムをつけて水の要素を表現した。また、岩やガスが特徴的な惑星は、全体のサウンドの質感で表現していった。

自転速度は楽曲のテンポで、惑星の直径は曲の長さで表現し、太陽からの距離と惑星に当たる光の量で全体の曲調を決めていった。それによって、アレンジメントを構造的なものから、実験的なものにしていきました。」とジェフ・ミルズは解説しているのだが、なるほど、そういった制作の工程を念頭に置いて鑑賞に臨めば、また違った解釈ができるのかもしれない。

しかし、本格的なオーケストラの演奏に身を委ね、余計なことを考えずにただただライブ版『Planets』に聴き入っていると、一種の瞑想状態に陥っていく。目の前の映像だけに集中し、音像を感じ、意識が演奏の宇宙に溶け込んでくると、瞑想状態が深まり、「Uranus」まではあっという間に時間が過ぎていった。

「Neputune」を抜けたあたりでなんだか気分がスッキリしていて、「Pluto」では神秘的な気持ちにさえなった。自身のいる地球から最も遠い惑星に来たのだから、当然の感覚かもしれない。頭で「この部分はこの惑星の構造や質感が表現されているんだな」ということに気づかなかったとしても、体感として、『Planets』で宇宙旅行の擬似体験ができたようだ。

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©正木万博

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©Nestor Leivas

本イベントのサブタイトルに「宇宙と時間編」とあるが、まさに日常に過ごす「時間」とは全く異なる次元の「時間」体験ができたと思う。
「『Planets』は手が届かないと思っている世界との心の距離を狭めたいという願いをこめて、宇宙を私たちが住む世界に近づけるために考え、つくった作品です。(ジェフ・ミルズ)」

そういう時間の捉え方、考え方があるのだと気づかせてくれたジェフ・ミルズの思惑や演出は、やはり超人的である。データ分析がもとにあるとしても、鋭いアーティストとしての感覚で創作されている本作を体験してみて、やはり「ジェフ・ミルズは宇宙人なのかもしれない。」と思わずにはいられない。

Jeff MILLS|ジェフ・ミルズ
1963年アメリカ、デトロイト市生まれ。現在のエレクトロニック・ミュージックの原点ともいえるジャンル“デトロイト・テクノ”のパイオニア的存在。Axis Records主宰。DJとして年間100回近く世界中のイベントに出演する。音楽のみならず近代アートとのコラボレーションも積極的に行い、2007年、フランス政府より日本の文化勲章にあたる芸術文化勲章Chevalier des Arts et des Lettresを授与される。2013年、日本科学未来館館のシンボル、地球ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」を取り囲む空間オーバルブリッジの音楽「インナーコスモス・サウンドトラック」を作曲。現在もその音楽が使用されている。2005年、モンペリエ交響楽団との共演をきかっけに開始したミルズとオーケストラの公演はこれまで全世界ですべてソールドアウト。エレクトロニック・ミュージック・シーンのパイオニアでありながら、クラシック音楽界に革新を起こす存在として世界中の注目を浴びている。
http://www.axisrecords.com/jp
http://www.umaa.net/who/Jeff_Mills.html

ジェフ・ミルズ & ポルト・カサダムジカ交響楽団 『Planets』
初回生産限定盤[Blu-ray+CD] ¥3,800(税抜) UMA-9090-9091
通常盤[CD2枚組] ¥2,800(税抜) UMA-1090-1091
http://www.umaa.net/what/planets.html