レクサスの新フラッグシップクーペ「LC」試乗(前篇)|Lexus

レクサスの新フラッグシップクーペ「LC」試乗(前篇)|Lexus

CAR IMPRESSION

Lexus LC|レクサス LC

日本ならではの価値観をもつクーペ

レクサスの新フラッグシップクーペ「LC」試乗(前篇)(2)

唯一無二のデザインを目指して

ご存じのとおりLCのスタイリングは、2012年のデトロイトモーターショーで発表されたコンセプトカー「LF-LC」のデザインイメージをモチーフに生み出された。LF-LCと同様、ロングノーズにコンパクトなキャビン、そしてショートデッキと、クーペの王道ともいうべきフォルムをまとったLCは、確かにハッとさせられるほどスタイリッシュだ。ハワイ島随一ともいえるラグジュアリーなリゾートホテルのクルマ寄せにも、誂えられたかのようにしっくりとくる。事実、ツーリストと思しき数人のアメリカ人男性が、その見たこともない流麗なボディを少年のように見入っていたのが印象的だった。

彼らが、興味深そうに観察していたのも無理はない。「レクサス流デザインとは何か。簡単に言えば、唯一無二ということになります」とは前述の澤氏の発言だが、たしかにLCのスタイリングは、一見して欧米のライバルたちとは一線を画す、新しさに満ちていたからだ。

Lexus LC|レクサス LC
Lexus LC|レクサス LC

たとえば、フロントフェンダー。欧米ブランドが手がけるスポーツカーやクーペでは、フェンダー上部に筋肉質な“峰”を走らせるのが一般的だ。フェラーリやポルシェがそうであるように。しかし、LCにはいわゆるフェンダートップがない。普通そうしたデザインでは、得てしてヘッドライトからフェンダーにかけてへこんだように見え、フロントまわりが貧弱なものになってしまいがちだ。一方LCでは、低く構えたスピンドルグリルを起点にフロントからノーズ、そしてルーフへとつながる彫りの深い造形を作り込むことで、既存のデザイン文法を用いずに、ほかの何ものにも似ていない独自の存在感を放つフロントデザインを実現させている。

澤氏によると、LCではこうしたスポーツカーデザインの文法におけるさまざまな“タブー”に挑戦しているのだそうだ。そうした試みが、LCのスタイリングにレクサスならではの“新しさ”を与えているのだろう。

唯一無二のダイナミックなスタイリングを実現させるうえでキーとなる要素が、2点ある。1つはプロダクトチーフデザイナー(PCD)制度。チーフデザイナーが企画やパッケージ、そしてスタイリングの基本を決める段階よりプロジェクトに参画し、チーフエンジニアと二人三脚でデザインをまとめあげるものだ。そしてもう1つは、新開発のプラットフォーム「Global Architecture-Luxury(GA-L)」の採用である。