連載・藤原美智子 2012年8月|ファスティングで、傷回復とデトックス!

連載・藤原美智子 2012年8月|ファスティングで、傷回復とデトックス!

COUTURE of LIFE:Essay and a story

2012年8月|身体ってホントに知れば知るほどおもしろいし、よくできている

「ファスティングで、傷回復とデトックス!」

ファスティングをしてみた。つまり日本語でいう“断食”である。とはいっても、フルーツやグリーンのジュースやスム―ジーを飲みながらというゆるめのファスティングである。さて、成果はいかに! その前になぜ、ファスティングをすることになったかというと──

Photographs&Text by FUJIWARA Michiko

あの傷の回復のために、週末にトライ!?

5月の連載の「愛犬に頬を噛まれた」という件を覚えているひとはいるだろうか。そして傷を早く治すために2日間100%のローフード食にしたら、画期的に良くなったといった内容のものである。それがきっかけでスムージーだけでなく、普段の食事にもローフード料理を摂り入れるようになった。そのお陰かどうか2ヵ月を過ぎるころまでは、それこそ「薄皮が剥がれる」ように少ーしずつ良くなっていった。が、それ以降、なぜかピタッと治りが止まってしまったのである。ちょっと外に出るときでもコンシーラーでしっかりカバーしなければいけないというくらいまだまだの傷の状態なのに、である。「うーん、どうしたものか」と思案しているときに、目にしたのがファスティングの記事だったのだ。

それにはファスティングをすると、食べることによって消化に使われている酵素を細胞の修復や新陳代謝に回すことができると書かれていた。ということは肌もきれいになるということだし、傷の回復にも効くということだ。それに体内に溜まった毒素の排出を促すことができる(いわゆるデトックスということ)とのこと。これを読んだら「やるしかないでしょ!」ということで、さっそく実行したというわけである。

まずは記事に書いてあるとおりに、週末にトライすることに。リラックスできる休日のほうがイライラしにくいし、コントロールしやすいというのがその理由。でも実行してあらためてわかったのだが、私は週末は夕方ごろからまったりとお酒を飲みはじめ、それから外食をするという我が家の習慣をとても楽しみにしていたということだ。そのときは土曜日の朝からファスティングをはじめたのだが、「飲みたい! 食べたい!」という楽しみの欲望に勝てず、とうとう夜の7時にギブアップ。でもよく考えてみたら、自分は平日にストイックに過ごすのは平気だし意外と好きなほう。それなら何も我慢して休日にやるよりは、ストイックなことが平気な平日にやればいいではないか。ひとにはそれぞれ合う方法があるというものだ。

そこで仕切り直して、月曜日からトライすることにした。今回のファスティング期間は3日間。それと同じ日数をかけて少しずつ普通の食事に戻すための“復食期間”というものが必要だから、土曜日の朝には終了する。つまり週末の楽しみにはなんとか間に合うというわけである。

1日目|「食べちゃおうかなー。もう止めちゃおうかな~」という誘惑

さて一日目の朝食には今回のファスティングのために買い求めた、野草や野菜、果物を酵素で自然発酵させた植物発酵飲料を水で割ったものを一杯。これで、たくさんの酵素やビタミン、ミネラル、アミノ酸など身体に必要な成分を摂り入れることができるらしい。でも一口飲んだ途端、「あー、そうだった! 私はこの甘さが苦手だったんだ!」ということを思い出した。以前も、酵素飲料を買って試したことがあるのだが、この手の飲料は発酵させるために大量の黒糖などの糖類を使うらしいのだが、私は料理にも砂糖を使わないぐらい糖分が苦手なひとなのだ(スイーツはOKだけど)。でも、とりあえず昼もこのジュースを飲んでしのぐことに。いつも午前中はスムージーだけの食事なので「なんか平気かも~」とたかをくくっていたのだが、4時ごろから「食べちゃおうかなー。もう止めちゃおうかな~」という誘惑がフツフツと沸いてきて何度くじけそうになったことか。それでもなんとか7時まで持ちこたえたら“あとは寝るだけ”と思えるせいか、渇望もスーッと消滅した。どうやら夕方が魔の時間帯のようだ。夜はメニューを変えて大根とにんじん、しょうがをジューサーでジュースにしたものに酵素飲料を少しだけくわえてみた。すると、大根とにんじんのジュースに甘さがくわわってより満足感が高まることが判明。これなら乗り切れそうだ。

2日目|食べ過ぎは“三文の徳”にもならない!

2日目。朝起きて鏡を見ると、心なしか傷が白く欠けている。治りが進みだしたようで、ちょっと一安心。そして「これが宿便!?」というのが何度か。その後、体重計に乗ったらまだ2日目なのにグーンと痩せて、高校生のとき以来の体重になっているではないか! 丸一日、固形物を摂らないだけで体重がこんなにも減るとはビックリである。それになんだか黒目がしっかりとした気がするし、キラキラしている。ふーむ、ということは、ドンヨリとした瞳の大人をたまに見かけるが、それは毒素がたくさん詰まっていたり内臓が疲弊したりしているということなのだろうか。だから、まだ毒素の詰まりも疲弊も少ない若いひとの瞳はキラキラしているのだろうか。いずれにしろ、食べ過ぎは“三文の徳”にもならないということだけはまちがいない。

この日の朝食はフルーツをジューサーでジュースにしたもの、昼食は昨夜とおなじ大根とにんじんに発酵飲料をくわえたジュース。夕方に襲いかかる空腹感と渇望感は昨日とおなじだが、早く帰宅できたので6時ごろに夕食を摂った。そうすると我慢する時間が短くて済むというが判明(当たり前か)。つぎにファスティングするときは早く帰宅できる週を選ぶことにしよう。それに夜早く寝ることができる週を選ぶことも大事だ。なにしろ寝てしまえば我慢する時間も短くなるのだから。夕食には久しぶりに(と言っても二日ぶりだが)いつも飲んでいるグリーンスムージーにしてみたのだが、胃もたれがしたのには驚いた。ジュースにすると液体だけになるから消化力はさほど必要としないが、スムージーにすると分解された食物繊維は残る。ファスティング中はそれですら胃に負担がかかるというわけだ。ということは、普段の食事ではどれだけの負担を胃に強いているのだろう。“よく噛むことが健康の基本”と言われるのは、こういうわけだったのだといたく納得する。

3日目|満たされすぎると緊張感のない顔つきになってしまう

3日目。傷はまた少し治りが進んでいる。そして昨日とおなじように宿便があり、体重もさらに減。「私のお腹でも、ここまでぺったんこになるんだー」とビックリしながらも、いつもの、あのお腹の膨らみは一体何なんだろうと不思議にも思う。贅肉だけでなく、食べたものが詰まっているということなのだろうか? そして顔つきには野性味(!)がでてきた。これは良い! 自分の好きな顔つきだ。つまり裏を返せば、満たされすぎると緊張感のない顔つきになってしまうということだと納得しながらも、ちょっと反省。

朝と昼は昨日とおなじメニュー。夜は梅干しをのせた重湯を食べることにした。なんておいしいんだろう! それに、ごく少量なのによく味わいながら有り難くいただいたので満足感と気持ちの良い満腹感もある。いつも、これくらい味わって有り難くいただけたら、どんなに幸せだろうと思う。食べることに慣れないようにしたいものだ。

それにしても3日目ともなるとファスティングにも慣れてきてもっと続けられそうな気がするし、身体が軽く感じられて気分も爽快になってきた。でもファスティングの日数を伸ばすということは、復食期間もおなじように伸ばさなければいけないということになる。が、それを守る自信はない。そうしなければファスティング効果は薄れるらしいので、予定通りにファスティングは3日で終えることに。そして、3日間かけて少ーしずつ普通食に戻して無事に終了した。

“喉元過ぎれば熱さを忘れる”?

今現在はファスティングから3週間過ぎたが、傷はその後も「薄皮が剥がれる」ような感じで日々、少しずつ治っている。体重はファスティング以前と一番減ったときのあいだくらいで安定している。ほかに以前とちがうのは意識だろうか。何を食べるとか摂り入れるとか以前に、排出するとかデトックスをすることのほうが大事だと思うようになった。そうでなければ摂り入れたものも身体は有効に使うことができないし、逆に毒になることもあるのだから。それに今まで身体の外側、つまり皮膚や筋肉、骨格に興味があってスキンケアやヨガや運動などをしていたが、それとおなじくらいに身体の内側、つまり内臓の働きというのもおもしろいものだと思うようになった。

身体ってホントに知れば知るほどおもしろいし、よくできたものだと思う。それに外側からも内側からも“私”というものを作り、そして支えてくれているんだと思うと自然に感謝の念が湧いてくる。ファスティングを終えた日には「それを忘れずに日々、丁寧に食そう!」と誓ったのだが、“喉元過ぎれば熱さを忘れる”の諺どおり、もうすでに以前の欲のほうが勝る食し方になりつつある。それを正すためにも、定期的にファスティングをしようと思っているところである。

※ファスティングはキチンとご自分でも調べて納得されてから実行してください。

ABOUT
FUJIWARA Michiko

ラ・ドンナ主宰。 ヘア・メイクアップアーティスト/ライフスタイルデザイナー 多くの雑誌や広告撮影のヘアメイク、執筆、化粧品やファッション関連のアドバイザー、講演、TV出演などで幅広く活躍している。 また美容だけではなく、 …