連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.3 ウィスパーボイスが沁みる女性ボーカル曲5選

連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.3 ウィスパーボイスが沁みる女性ボーカル曲5選

朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST

連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.3

冷えた体を癒す、おすすめ女性ボーカル曲5選

東京でも雪が降りそうな寒い日が続きますが、午前中の澄んだ空気の中、太陽の日差しを浴びると、清々しい気分になります。そんな凛とした空気を緩ませてくれる、冷えた体を温めてくれるような、癒しの女性ボーカルの曲をご紹介。美しく、どこか憂いのある歌声、浮遊感のあるサウンドが、冬の景色にピッタリです。

Text by ASAKURA Nao

日本の個性派アーティストから海外のマルチプレイヤーまで

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Cuushe「Tie」

2ndアルバム『Butterfly Case』がニューヨークのカルチャー誌The FADERにて「PRETTIEST ALBUM OF THE YEAR」と評されるなど、海外メディアからも注目度の高い、日本のエレクトロニック女性アーティスト、Cuushe(クーシェ)。ゆらめくメランコリックサウンドに独特のボーカルが特徴的で、作詞・作曲、ボーカル、ギターまで全て自身でこなすDIY女性アーティストの中でも、その存在感は郡を抜いています。ドリームポップの新機軸的作品と謳われた最新EP『Night Lines EP」のリード曲「Tie」は、シンセサイザーの音色がどこか90年代を彷彿とさせ、幅広い世代の琴線に響きそう。


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Colleen 「I’m Kin」

ヴィオラ・ダ・ガンバを始め、チェロ、クラリネット、アコギ、リコーダー、ウクレレなど様々な楽器を操るフランスのマルチ・インストゥルメンタリスト、Colleen(コリーン)。透き通るような繊細なボーカルに、自身が奏でるヴィオラを中心とした楽器が織りなすサウンドはどこまでも幻想的。5作目である最新アルバム『Captain of None』は、トレブル・ヴィオラ・ダ・ガンバを駆使したミニマルな佇まいはそのままに、キートラック「I’m Kin」では、エコー・エフェクティブなボーカルにより、より神秘的な世界へ私たちを導きます。幼少期にはジャマイカ音楽に傾倒したという彼女の、音楽家としてバラエティに富んだ才能が感じられる曲です。


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Gregory and the Hawk「Fin Song 8 (Orange River Remix)」

ニューヨークの女性シンガーソングライター、メレディス・ゴドルーことGregory and the Hawk(グレゴリー アンド ザ ホーク)。アダム・ピアーズ(MICE PADADE)プロデュースの2ndアルバム『Moenie and Kitchi』はUKの名門fat cat recordsからリリース。日本でも何度か来日公演し、そのチャーミングな佇まいとピュアな歌声で、人々のハートを掴んでいます。「Fin Song 8 (Orange River Remix)」は、ローファイ感がたまらない彼女のデビューEP『The Boats & Birds EP』のラストに収録されているセルフリミックス。他の素朴で温もりのあるアコースティックな曲も素敵ですが、このシンセと透明感のある歌声の組み合わせが、何だか寒い日にはっと吐く白い息みたいで好きです。


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Spangle call Lilli line「nano – TK kaleidoscope Remix」

1998年に結成、20年近いキャリアを持ち、今までに10枚以上のオリジナルアルバムをリリースしている日本のバンド、Spangle call Lilli line(スパングル・コール・リリ・ライン)。初期の代表曲「nano」のセルフアレンジヴァージョンや、宮内優里によるリミックスをDISC2に収録したキャリア2枚目のベストアルバム『SINCE2』の締め曲「nano – TK kaleidoscope Remix」は、凛として時雨のTKがBOBOやストレイテナーの日向秀和などを迎えてアレンジしたリミックス。大坪加奈の脱力感のあるボーカルと疾走感のあるエレクトロニックサウンドが絶妙で、いつもとは違ったSCLLの世界観を醸し出しています。


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Pascal Pinon「Þerney(One Thing)」

ドイツの良質エレクトロニカ・レーベルmorr musicよりデビューした、アイスランドのツゥイン・ガールズ・デュオPascal Pinon(パスカル・ピノン)。彼らが18歳のときに発表した2ndアルバム『Twosomeness』は、シガーロスなどを手がけるプロデューサー、アレックス・サマーズのもと、ギター、キーボード、ピアノ、グロッケンシュピール、クラリネット、ハーモニウム、バスーン等のアコースティック楽器をほぼ2人で演奏。イノセントで等身大のボーカルとハートフォーミングなメロディーが日本でも話題となりました。「Þerney(One Thing)」はふたりの息ピッタリの歌声が、まるで口笛を吹いているかのような心地良さで響く曲。はるか北ヨーロッパ、アイスランドから届いた神聖なメッセージのようです。


朝倉奈緒|ASAKURA Nao
東京都・品川区出身。大学卒業後、モード誌『marie claire』の広告営業、レコード会社勤務、主婦雑誌の編集を経て出産を機にフリーランスに転身。編集・ライター・PRに携わる。カルチャー、フード、旅を中心に執筆、エレクトロミュージックのPRを担当。学生時代に世界28ヵ国放浪&日本列島ヒッチハイクの歴有り。