線香画家、市川孝典氏の個展「grace note」が開催|ART

ART|線香画家、市川孝典氏の個展「grace note」が開催

市川孝典/untitled(wood land)/2016/
burnt paper/ H2046mmxW1326mm
©Kosuke Ichikawa

ART TOKYO Tips

ART|3年ぶりとなる個展「grace note」

線香で紙を焦がしながら描く「線香画」

線香を使って作品を生み出すアーティスト、市川孝典氏の個展「grace note」が2017年1月13日(金)~2017年2月3日(金)の期間で開催される。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

新作の絵画とコラージュを展示

市川孝典氏は線香で紙を焦がしながら描く「線香画」の第一人者だ。60種類以上の線香を温度や太さなどで使い分け、一切の下書きをせずに少しずつ紙を焦がしながら作品を作っていく。

彼自身の記憶を辿って線香の焦げ跡で描き出されるモノクロのグラデーションと無数の穴は、触れただけで崩れてしまいそうな緊張感と大胆に濃淡をつけて紡ぎ出された作品世界を持っている。

市川氏にとって記憶が消え去ることは恐怖だという。記憶を目で見えるものとして残すことは彼をその恐怖から解放する行為なのだ。

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市川孝典/untitled(wood land)/2014/
burnt paper/ H464mmx W329mm
©Kosuke Ichikawa

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市川孝典/untitled(wood land)/2015-2016/
burnt paper, collage/H1550mmxW1050mm
©Kosuke Ichikawa

今回、3年ぶりとなる個展「grace note」が開催される。 “grace note”とは音楽用語。本来は鳴らされることのないリズムの隙間に使用される音のこと。

2010年に開催された個展「murmur」では微かに聞こえる森の“ざわめき”を表現したが、今回の「grace note」はそのコンセプトをさらに進化させ、静寂の中にある音や“ざわめき”と“ざわめき”の間の微かな移ろいを表現した。

新作のコラージュ作品は、微かな記憶を頼りに描いた森の風景を立体的作品に仕上げている。

線香で描くという技法から生まれる、線香画独特の世界を、この機会にぜひ味わってみてほしい。

市川孝典
美術家。13歳の時にとび職で貯めたお金で、単独ニューヨークへ渡る。アメリカやヨーロッパ各地を周る間に絵画に出合い、さまざまな表現技法を用いて独学で作品制作に取り組む。帰国後、その類まれなる体験をした少年期の薄れゆく記憶をもとに、温度や太さの異なる60種類以上の線香を使い分けながら、微かな火で紙に焦げ目をつけて絵を仕立てる新しいスタイルで作品を発表。後に、「現代絵画をまったく異なる方向に大きく旋回させた『線香画』」と称され、国内外から注目を浴びている。

grace note
会期|2017年1月13日(金)~2017年2月3日(金)
会場|ES gallery
東京都渋谷区渋谷2-7-4 elephant STUDIO 2F

問い合わせ先

市川孝典公式サイト

http://www.ichikawakosuke.com