マツダ、2代目CX-5を発表|Mazda
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2016年12月16日

マツダ、2代目CX-5を発表|Mazda

Mazda CX-5|マツダ CX-5

マツダ、2代目CX-5を発表

マツダはSUVモデル「CX-5」のフルモデルチェンジを発表。2代目となる新型は、12月15日(木)より予約受付を開始し、発売は2017年2月2日を予定している。価格は246万2,400円から。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

洗練された力強さがキーワード

新型「CX-5」の開発キーワードは“走る歓びの深化”だという。この意味するところは、これまでマツダはクルマとドライバーの一体感を高め、走る喜びを提供することを追求してきたが、今後はさらに、ドライバーだけではなく同乗者を含めたすべてのユーザーに走る喜びを届けたいと考えてのことだと説明される。それに向けてCX-5は際立つデザイン、考え抜かれた機能、意のままの走りを一段高いレベルに引き上げることを目標として掲げられている。

まずは注目の外観だが、マツダのデザイン哲学、“魂動”をベースにしつつ、“REFINED TOUGHNESS(洗練された力強さ)”をキーワードに、成熟した骨格、品格のあるフォルム、仕立ての良い質感の3つを軸にデザインされた。

骨格は、前後トレッドを10mm拡大し、タイヤを限界まで外側に配置。そうすることで、フェンダーとタイヤがいわゆる“面一(つらいち)”にになり、ボディをしっかりと支えているように見せている。また、Aピラーを約35mm後退させ、フロントアクスルとAピラー位置を適正化したことも外観の印象に大きく貢献している。

マツダCX-5|Mazda CX-5

マツダCX-5|Mazda CX-5

フォルムについては、キャラクターラインによる抑揚的な表現を抑えながら、面の変化をより強調することで、映り込む光の表現を変化させている。その表現を最大限効果的に際立たせるために、新色、ソウルレッドクリスタルメタリックが開発された。

マツダデザイン本部チーフデザイナーの諌山慎一氏は、「ボディを貫く力強いスピード感と、クルマとしてのたたずまいの良さを磨き上げました。どこから見てもスタンスの良い堂々としたフォルムを作り上げたのです。フロントも彫りの深い精悍な表情とすることで大人の雰囲気を感じてもらえるようにデザインしています。また、ボディとキャビンのバランスを見直すことで、クルマとしての美しいフォルムに近づけています。SUVでありながらエレガンスを感じてもらえるような艶やかなボディに磨き上げました」と説明した。

インテリアでは、ステアリングの高さに要素を集中。「ドライバーが運転に集中できる心地よい緊張感を感じられる空間を狙いました。さらに、ワイドな広がりを感じられる造形で、パッセンジャーにも快適な空間としています」と諌山氏。また、手の触れやすいエリアの素材と仕立ても見直された。具体的にはダッシュボードからフロントのドアトリム、そして、リアのドアトリムにいたるまで、アッパーエリアには質感の高いダブルステッチとソフトな素材が使用されている。

Mazda CX-5|マツダ CX-5

マツダ、2代目CX-5を発表(2)

徹底的に追求された静粛性の向上

新型CX-5の開発では、すべての面で一段上を目指しているが、そのなかで最も力が入れられたのは静粛性だ。乗る人すべてが気持ち良い走りを感じられるように、前後席すべての乗員がストレスなく会話を楽しめるよう目指したのだという。

そのための具体的な方針について、マツダ商品本部主査の児玉眞也氏は、「音の発生源そのものを抑制すること。音が車室内に入ってくることを遮断すること。そして、車室内に入った音は的確に吸音してやること。すなわち、音源から乗員の耳に届くまでのすべての領域において徹底的に分析し、乗員が不快だと感じないレベルにまで静粛性を高めたのです」と述べる。

マツダCX-5|Mazda CX-5

マツダCX-5|Mazda CX-5

具体例としては、ワイパーをボンネットラインより低い位置に設定することや、ピラーの曲率、部品の形状を最適化。また、部品と部品の隙間や段差を低減することで、風騒音の発生を抑制しているほか、数えきれないほど遮音に対する工夫が行われた。

もう一つ新型CX-5では、音の時間変化にも着目。車室内に入ってきた音は直接耳に届くだけではなく、内装材に反射される。この反射音は、時差をもって耳に届く残響音として質感を損ねるのだ。そこで内装材の吸音特性を向上させ、速やかに音を消すことが図られている。

Mazda CX-5|マツダ CX-5

マツダ、2代目CX-5を発表(3)

人間の無意識のバランスを崩さない乗り心地

車両運動性能においても当然乗員全てが楽しめる空間を目指している。そのために児玉氏は、「運転中、そして乗車中の人間の特性というものを深く理解することが重要でした。例えば歩行しているときに、実は人間の体というのは上下に5センチ、そして左右に2センチ動いています。しかし実際に歩いている時に目に入ってくる景色が上下左右に動かないように意識して歩いてはいないでしょう。つまり、人間は無意識のうちにバランスをとって平衡状態を維持しようとしているのです。このような人間の自然な無意識の動きを阻害しないクルマの動き。言い換えれば歩行状態のように自然にバランスがとれるクルマの動きに作り込んでいます」と、例えを交えて説明する。

その一つが、現在マツダが商品改良とともに積極的に投入している「Gベクタリング コントロール」だ。これは、ハンドル操作に応じて、エンジンの駆動トルクを綿密に変化させ、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする機能で、タイヤの接地荷重を最適化し人間の体の感覚にあった自然でなめらかなクルマの動きを実現する。新型CX-5にも全車標準装備された。

マツダCX-5|Mazda CX-5

マツダCX-5|Mazda CX-5

エンジンラインナップは、2リッターガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.0(FFのみ)」と、2.5リッター ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.5(4WDのみ)」、そして、2.2リッター ディーゼルターボの「SKYACTIV-D 2.2(FF、4WD)」を搭載。ディーゼルには「デミオ」などにも搭載されているナチュラル サウンドスムーザーやナチュラルサウンド周波数コントロールが取り入れられている。

また、安全面においても、マツダが理想と考えるクルマとドライバーが正対してストレスなく運転できるドライビングポジションや、フロントガラスに情報を投影するタイプのアクティブドライビングディスプレイ(ヘッドアップディスプレイ)を採用。道路情報から表示情報に目を移す時の視線の移動量、焦点を調節する時間を低減することで、ドライバーディストラクション、すなわち運転中の不安全リスクを低減することを目指している。

マツダ レーダ クルーズ コントロール(アクティブクルーズコントロール)も、0km/hからの追従機能を付加するなど最新のマツダの安全技術をすべて盛り込んで、乗る人すべての走る歓びを支えているとのこと。

マツダCX-5は2012年2月に新世代商品群の第1弾としてデビュー。年々販売台数を伸ばし、マツダのグローバル販売の1/4を占める基幹車種に育っているという。マツダ代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏は、「当時マツダは非常に苦しい時代だったので、まさに社運をかけた商品としてグローバルに送り出しました。非常に良い評価を得て、毎年販売台数を伸ばし、この商品によりマツダの従業員全員は本当に力をつけ、勇気をもらいました」と同社を救ったすばらしいクルマであると評価。そして、「先代発売以来多くのユーザーから改善点や指摘事項をたくさんもらっています。それに対し我々が愚直に改良に取り組んできた成果が、この商品に全て織り込まれています」とコメントし、完成度の高さをアピールした。

新型CX-5はすでに予約が開始され、発売は来年の2月2日。価格は、2リッター ガソリンの「20S」が246万2,400円から268万9,200円、2.5リッター ガソリンの「25S」は268万9,200円から321万3,000円、ディーゼルの「XD」は277万5,600円から352万6,200円。

問い合わせ先

マツダコールセンター

0120-386-919(平日 9:00-17:00、土日祝 9:00-12:00 13:00-17:00)

           
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