萩原輝美 連載 vol.159｜2017年春夏 東京コレクション
風そよぐたわみドレス――レナ ルメルスキー
カタチを作り崩すテーラードスタイル――ミキオサカベ
2017年春夏 東京コレクション
東京コレクションが元気です。個性を極めた手技を盛り込む服が並びました。セレクトショップが応援する海外からの参加デザイナーも増えマーケットも広がりを見せています。
Text by Terumi Hagiwara
風そよぐたわみドレス――レナ ルメルスキー
2017年春夏の東京コレクションは見ごたえあるブランドが出揃いました。パリ進出のため東京不参加のブランドもありますが海外からの招待デザイナーも増え活気付いています。
レナ ルメルスキーは最終日、宮下公園でコレクションを発表しました。デザイナーのヘレナ・ルメルスキーはクリミア出身。アントワープ王立芸術学院卒業の翌年、2007年に東京で行なわれた「ヨーロッパで出会った新人たち」展に「ヴェットモン」のデザイナー、デムナ・ヴァザリアと「ステレオ・タイプス」で参加。同級生のミキオサカベ、アキラナカとデビューコレクションを発表しました。
昼下がりに行なわれた‘17春夏コレクションはたわみ、タック、ドレープなど優しく揺れながらアシンメトリーのシルエットが際立つドレスが並びました。テーマは「ラッキー」。商品は全てアトリエで手技を盛り込んで作っています。クオリティとリアリティを感じさせるデザイナーとして注目です。
カタチを作り崩すテーラードスタイル――ミキオサカベ
その夜、ミキオサカべのコレクションが同じ宮下公園で行われました。こちらはライトを放つスタジアムのような人工的な空間です。今までサブカルチャー的な服をパフォーマンスで見せるコレクションが多かったのですが、今シーズンはぐっと「服」を見せています。肩、袖に量感を入れたテーラードジャケットはきれいなシルエットを描き、フリンジ付フレアーパンツと合わせています。丁寧に折られたプリーツのミニスカートは脇を外してアシンメトリーに着ています。脇に量感を入れたストライプのコンビネゾンも無造作にきれい。遊び心いっぱいのディテールも、きちんと仕立てられている服がベースなのでエレガントです。
萩原輝美｜HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/