坂本龍一×NIGO(R)のスペシャル対談|GLOBE-TROTTER
FASHION / NEWS
2015年2月18日

坂本龍一×NIGO(R)のスペシャル対談|GLOBE-TROTTER

GLOBE-TROTTER|グローブ・トロッター

『コモンズ・スコラ』のスペシャルモデル発売記念!

坂本龍一×NIGO®のスペシャル対談をリポート

坂本龍一氏の完全監修により、全30巻を予定するCDシリーズ『コモンズ・スコラ』。現在、リリースは10巻まで完了している。グローブ・トロッターとのコラボレーションにより、「スコラ・スペシャル」のヴァニティケースが登場したことはすでに伝えたが、発売日となった去る7月15日、予約購入者を対象とする坂本氏出演のスペシャル・プライベート・イベントが開催された。トークショーのゲストとして招かれたのはNIGO®氏。そこでの対談を振り返る。

Text by TASHIRO Itaru

全10巻が揃った『コモンズ・スコラ』

バッハやジャズ、ドラム&ベースなど、多岐にわたるテーマで発表されてきたCDシリーズ『コモンズ・スコラ』。各巻それぞれのテーマに強い思い入れを持つ、個性的な選者を招聘している点が魅力だ。突出したこれまでの音楽を拾いつつ、そこから新しいスタンダードを作り出そうともくろむ一大プロジェクトである。

NIGO®「買わせていただきました」

坂本龍一「ありがとうございます。10巻目は映画音楽。2008年に始まったプロジェクトですが、足かけ4年、やっとここまできたかというのが正直な感想です。一種のコンピレーションアルバムの側面もあるので、他社から出ている音源を借りてきて、許諾を得て……そんな作業に結構、時間がかかりまして。特に今回の映画音楽は、映画会社がすでに倒産してしまっていたり、旧ソ連時代の映画で誰が著作権の保有者かわからないとか、権利者を捜すのに苦労しました」

NIGO®「まだ聴いていない巻もあるんですが、10巻が揃うと、子どもの頃に読んでいた百科事典にも見えて、すごくいいですよね。各巻に付属するブックレットも厚くて、掲載されている選者さんとの対談も、ものすごくボリュームがある」

坂本龍一「好きなときに聴いたり、読んだりしていただければいいと思っているんです。ぜひ、今度、対談もゆっくり読んでみてください(笑)」

グローブ・トロッターとの出逢い

第10巻に収録されている映画音楽を聴きながら、和やかにトークショーは進行。話題は徐々に、グローブ・トロッターからイギリスのことへと展開していった。

坂本龍一「ここにあるグローブ・トロッターもそうですけど、やっぱりモノっていいですよね。流行りに弱いたちなので、最近、“断捨離”なんてものにもトライしているんですが、そうするとなぜか逆にどんどんモノが増えちゃって」

NIGO®「僕も、なるべく音楽はCDで買うようにしています。アナログレコードは……5万枚ぐらい、え? 5万枚って多いですか?」

坂本龍一「すごいですね。グローブ・トロッターは?」

NIGO®「欲しいと思いました。今日、実際に触れてみて」

坂本龍一「僕の出逢いは25年以上も前。たまたまなんですけど、ロンドンにいたとき、使っていたスーツケースが壊れてしまって。代わりをデパートに買いに行ったらグローブ・トロッターがあって、すごく気に入ったというのが最初です。軽いし、頑丈だし、使いやすい。以来、ずっと使っています」

NIGO®「お洒落ですよね」

坂本龍一「そうですよね。船で旅行していた時代のトランクのようなレトロ感もある。黒、グリーン、グレー、いろんな色を持っているんですけど、去年ぐらいかな、ニューアークの空港で預けたグレーのグローブ・トロッターをピックアップしていたときの話があって。某ハリウッド俳優がツカツカと歩み寄ってきて、こっちは『坂本龍一ですよね』って言われると思って挨拶の準備をしていたら、『このスーツケース、どこで買ったんですか?』って。ズッコケましたけど」

NIGO®「英国ブランドだから、アメリカ人って意外に知らないんですかね」

坂本龍一「知らないのかもしれませんね」

ロンドンの町で感じる英国特有の洒落たセンス

坂本龍一「イギリスには行ったことあります?」

NIGO®「あります。最初に行った外国がロンドンでした」

坂本龍一「それは、いつ頃?」

NIGO®「1989年ぐらいでしたかね。初めて見る外国というのもあったと思うんですけど、いろいろ感動して……。古い街並が残っているのもいいですよね。今はサヴィルロウに行って、スーツを仕立てたりしています。ちゃんとカッコいいスーツをデザインしたいと思って、勉強のために」

坂本龍一「なるほど。確かに、古い街並はいいですよね。石で家を造るから、築100年なんて当たり前にあって、けど、そんな古い街並の中で扉だけが真っ赤だったりして。そういうセンスにイギリスを感じますね。赤の使い方がうまいというか、好きなのかなぁ。国旗にも使われているけど、街なかに、赤いカーディガンを着たおじいちゃんがいたりする」

NIGO®「宮殿の近衛兵は赤いユニフォームですもんね」

坂本氏のリクエストを受けて誕生した「スコラ・スペシャル」モデル。外観はグレーだが、ライニングに使われているのはビビッドな赤。これはもちろん偶然ではない。全10巻がジャストサイズで収納でき、いみじくもNIGO®氏が「置いておくだけで絵になる」と語ったこのモデルが教えてくれているのは、モノを所有する悦びなのかもしれない。音楽がデータで配信される昨今だからこそ、CDとして所有して折に触れ聴き、ときにはグローブ・トロッターに収納し、飾っておく。この存在感はきっと、音源と同様に心を豊かにしてくれるはずだ。

13インチ ヴァニティケース +「commmons: schola」10巻

13インチ ヴァニティケース +「commmons: schola」10巻
(vol.1~vol.10の全10巻セット)

価格|15万7500円
サイズ|45×35×18cm
発売開始|2012年7月15日(日)
販売店舗|ヴァルカナイズ・ロンドン(東京・青山)、ヴァルカナイズ各店(東京・丸の内、名古屋、大阪)

グローブ・トロッター ジャパン
Tel. 03-5464-5248
http://www.globetrotter1897.com/japan/

           
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