祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.10 AMBUSH®デザイナー VERBALさん、YOONさん

祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.10 AMBUSH®デザイナー VERBALさん、YOONさん

祐真朋樹対談

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ユニークで大胆なデザインが唯一無二の存在感を放ち、ほかのブランドとは一線を画したスタイルを貫く「AMBUSH®(アンブッシュ®)」。世界中からカスタムオーダーも受け、カニエ・ウェストやジェイ・Zなどのセレブリティたちも愛用していることから話題を呼び、国内外から支持を得ている。東京・渋谷にオープンしたばかりのブランド初となるフラッグシップショップ「AMBUSH® WORKSHOP」で、ブランドを立ち上げたきっかけから、クリエイションに対する熱い想いまで話を聞いた。

Interview by SUKEZANE TomokiPhotographs by NAGATOMO YoshiyukiText by HATAKEYAMA Satoko

ブランド設立8年目にして初の路面店オープン!その反響は?

祐真朋樹・編集大魔王(以下、祐真) ショップの場所、すごくいいロケーションですよね。ここに初めてのショップをオープンすることになったいきさつを教えてください。

VERBALさん(以下、VERBAL) アンブッシュ®のオフィスはここから明治通りをはさんだ神南にあったんですが、YOONと「ショップ兼オフィスがあったらいいよね」とずっと話していたんです。ショップはオフィスの隣か同じビルにあるというのが理想でしたけれど、青山、渋谷、中目黒、西麻布と探していたんですがなかなかいい物件がなくて……。そうしたら去年、ここが空くという情報が入ってきて、すぐに内覧させていただいて「ここだね!」となったんです。

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祐真 渋谷でも原宿でもないような場所というのがいいですよね。

VERBAL YOONとは、渋谷に近い原宿、もしくは渋谷に近い青山あたりかなとざっくりとは話していたんです。特にこだわりがあったわけではないんですけれど、人が行き来しやすい場所でありつつも、大きい道路に面したショップにはしたくなかったんです。理想が大きく膨らんで、そんな場所ってあるの?という話ではあったんですけれどね。

祐真 たまたまだったにせよ、そういう場所が見つかったというのがラッキーでしたね。すごくいい場所だと思いますよ。

YOONさん(以下、YOON) 私たちにとっては初めてのショップなので、いろいろと勉強したいという気持ちもあります。ショップとオフィスが同じ建物内にあれば、お客さんがどういうアイテムに反応してくれるのかなど、好みや意見がダイレクトに伝わってきます。ブランドをさらに成長させていく意味でもショップの上にオフィスがあるのが理想だねと2人で話していたら、それが実現して嬉しいです。

祐真 ショップとオフィスが近いということは、買ってくれるお客さんの顔が見えるということでもありますよね。オープンして一ヶ月ですけれど、実際、どういった反応がありますか。

YOON 商品の動きが目に見えたのはもちろんですけれど、オンラインショップの売上が増したり海外のセレクトショップから追加発注が来たりと、思いもよらなかったところでも動きがありました。アンブッシュ®のアイテムは存在感のあるものが多いので、派手というイメージが強かったと思うんです。ショップもみなさんがイメージされていたのはおそらく派手でインパクトがあるものだったのかもしれません。でも私たちは基本的にはシンプルでミニマルなものが好き。ここでは、そんな相反する部分も表現できたと思うんです。だから来ていただいたお客さんも意外に思った部分もきっとあって、今まで躊躇していた方も手に取っていただけたのかもしれません。

祐真 つまりは、新しいお客さんが来てくれたということでもありますよね。

VERBAL はい。路面店なので、キャットストリートを歩いていてふらっとお越しいただいた方とか、初めて来店していきなり大きなピースを購入していかれるお客さんもいらっしゃいました。一ヵ月経った今は、実際のお客さんの反応がデータの数字よりもぎゅっと凝縮されて見えて、イメージが一層湧いてきています。ショップを運営している方たちからしたら当たり前すぎる話かもしれないんですけれど、こんなお客さんも来るんだ!という気づきがあったり、次の商品展開に繋がるということが、僕たちにはすごく新鮮なんです。さらに、ショップでご覧いただく商品はオンライン上で見ていただくよりも質感も詳細にわかるので、実際に手に取って喜んでいただいて購入してもらえるというのがすごく面白いです。

祐真 ショップができたことで、セレクトショップのコーナーで見る印象と、ここの空間で実際に見るものとで印象が違ったということなんでしょうね。何が一番変わったと思いますか?

YOON アンブッシュ®というブランドに対するイメージだと思います。他のブランドと並んで置いてあるのと、世界観が同じアイテムと一緒に置いてあるのとでは、やはり訴求力が違うのかなと。

祐真 ブランドのイメージがはっきりしたということでもあるのかもしれないですね。今後、どういうものにしていきたいというイメージはありますか。

VERBAL どのブランドでもそうなのかもしれないんですけれど、自分たちのルーツである「ストリート」と今っぽさとのバランスをうまく商品に盛り込んでいくことだと思います。自分が思い描いているものを、YOONが商品という形にしているんですが、そのイメージを前に進められたらなというのは常に思っています。それはショップができたことで少しづつできてきているかなとも。

YOON ショップに関しては、本格的にVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)を勉強してきたわけではないんですが、自分がカスタマーとしていろんなショップを見てきた経験があるので、単純に面白そうだったり、やりたいことを試している状況です。あえてショップのインテリアをシンプルにした理由もそこにあるんです。

祐真 確かに空間はすっきりしてシンプルに作られていますもんね。

YOON ジュエリーって、同じデザインで素材と色を変えて毎シーズン展開するというように、コンサバになりがちなんです。アンブッシュ®は今までのジュエリーブランドとはスタイルもアプローチも違う新しいビジネスモデルを構築しているので、そのスタイルを前に出せる場所が欲しかったというのもあるんです。片山(正通・インテリアデザイナー)さんと打ち合わせをする時も、毎回新しさを感じられる場所にしたかったので、シンプルさは特にお願いをしたところでもあります。

VERBAL とはいっても、ショップに関しては初めてのことばかりなので、毎日が勉強ですけれどね。

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祐真 ブランドはもうスタートしてどのぐらい経つんですか。

VERBAL スタートしたのは2008年からなので、今年で丸8年になります。ジュエリーを趣味で作り始めたのは2004年ぐらいで、音楽活動を始めてちょうど4、5年経った頃ですね。当時は「Bling-Bling」というフレーズが普及し始めて、いわゆる「印税が入ったら自分でジュエリーを買う」というラッパーたちに由来したイメージではないですが、自分も最初はオリジナルのジュエリーが欲しいと思ったのがきっかけでした。他店で既存のものを探してはいたんですけれど、なかなかピンとくるものがなくて。そうしているうちに、カスタムオーダーを一緒にやってくれる造形の方と出会い、実際に作品を作っていただくうちに、セレクトショップに置いてもらえるようになっていったんです。

祐真 そういえば、僕が初めてアンブッシュ®を見たのはリカー(、ウーマン&ティアーズ。2010年に閉店)でした。

VERBAL それで2008年頃にカニエ(・ウエスト)とか海外の方々からオーダーをいただくようになったんです。その頃は、ピンクとかグリーンで地金を塗装するという、当時にしては斬新な発想でジュエリーを作っていました。そのうち光栄にもパリのコレットからオーダーをいただくようになったので、じゃあブランドとしてローンチしようと生意気にも思ったのがブランドの始まりまりです。

YOON そこから「やるんだったらちゃんとやらなきゃ」と本格的に始動したのが2012年です。ジュエリーってシーズンよりもコレクションベースなんです。自分たちが伝えたいストーリーやアイデアはあったので、ストーリーをコレクションごとに変えていって、ジュエリーで表現したらおもしろいんじゃないかと思って。だからブランドとしてちゃんとしたスタートを切ったのは、気持ち的には2012年からという想いが強いです。

VERBAL その頃は、まさかブランドとして成り立つなんて思ってなかったのが正直な気持ちです。生業にするという意識はなくて、YOONもグラフィックデザインの仕事で忙しくしていたし、ファッションはまったく違う畑でしたから。

祐真 今はジュエリーのほかにも、服のコレクションも展開していますよね。それはいつ頃から作り始めたんですか?

YOON ジュエリーを作ったらバイヤーやメディア向けにルックブックを作る必要性が出てきて、最初は他のブランドの服を使ってヴィジュアルを作っていたんです。でも、アンブッシュ®はストーリー性が強いので、他のブランドの服を絡ませると馴染まないというのに気づいて、トップスぐらいならと思って作ったら意外と良い反応をいただいたんです。そこからスタートして、前シーズンからはデニムを強化しながら展開をしています。

祐真 つまりは、ジュエリーのストーリーを完成させるために服が必要だったということですか。

YOON そうです。服のブランドはアクセントとしてジュエリーをプラスしているけれど、アンブッシュ®はその逆で、ジュエリーありきで服を作っています。

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Page02. できる限りピュアな心をキープできるブランドでありたい

ABOUT
SUKEZANE Tomoki

1965年京都市生まれ。(株)マガジンハウスのPOPEYE編集部でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。現在は『UOMO』『GQ JAPAN』『Casa BRUTUS』『MEN’S NON-NO』 …