各務謙蔵(かがみ・けんぞう)コレクション-あるコレクターがみた戦後日本の美術|CHRISTIE’S
LOUNGE / ART
2016年10月3日

各務謙蔵(かがみ・けんぞう)コレクション-あるコレクターがみた戦後日本の美術|CHRISTIE’S

CHRISTIE’S|クリスティーズ

クリスティーズに出品される戦後日本を代表するモダンアート

日本人アーティストによる戦後の美術に早くから注目し、収集を続けてきた各務謙蔵(かがみ・けんぞう)氏のコレクションから選りすぐられた作品の数々が、10月11日、クリスティーズ・ロンドンのオークションに出品される。

Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)

日本の美術史における重要作品に触れる貴重な機会

各務(かがみ)氏は欧米に滞在した際、自国のアーティストによるアート作品を精力的に収集するコレクターたちを目の当たりにし、海外勤務を経た1970年代、本格的にコレクションを開始した。菅井汲(すがい・くみ)、今井俊満(いまい・としみつ)、荒川修作(あらかわ・しゅうさく)、オノサト・トシノブなど、主要作家の代表作をはじめ、川俣正(かわまた・ただし)、山倉研志(やまくら・けんし)など、1980年代に頭角を現した気鋭の作家たちにも初期の段階から注目した各務氏。彼はこの分野の先駆的なコレクターとなり、日本の美術史上重要な意味を持つ多数の作品を蒐集し続けてきた。

各務氏のコレクションは、その多くが群馬県立近代美術館に寄託、展示され、海外の展覧会にも出展された経歴を持つ。今回のオークションは、日本人コレクターが収集した戦後日本美術の重要なコレクションが西欧のオークショニアに出品される初の機会であり、多くのコレクターにとっては、日本の美術史におけるこの時代の代表作品に触れる、またとない機会となる。

1950年代から1980年代にかけて活躍した17人の作家が残した作品からなる「各務謙藏(かがみ・けんぞう)コレクション:あるコレクターがみた戦後日本美術」は、10月6日夜と7日のプレビューでそのハイライト作品を、また10月8日~10日にはロンドンのアートフェア「フリーズ・ウィーク」の時期に合わせて全出品作品が展示公開される。

創業250周年を迎えるクリスティーズは、1766年に美術商ジェームズ・クリスティーがロンドンにおいて設立。以来、数世紀にわたり比類なき美を提供し続けてきた。オークション、プライベートセール、オンラインオークションによる取扱高は2015年に48億ポンド(74億ドル)に達し、美術品、宝石、時計、装飾美術など80分野について年間約350回のオークションを開催している。またプライベートセールも手掛け、現代アート、印象派・近代絵画、オールドマスター絵画、ジュエリーの各分野で活発に取り引きが行なわれている。

東京を含む世界32カ国の都市に計54のオフィスを構え、ロンドン、ニューヨーク、香港、パリ、ジュネーブ、ドバイ、上海など、世界12カ所の会場でオークションを開催。ロシア、中国、UAEなど新たなマーケットでも早くから主導権を担っており、北京、ムンバイ、ドバイではオークションやプレビューを成功させてる。

問い合わせ先

クリスティーズ ジャパン

Tel.03-6267-1766

           
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