kizunaworld.org|オーストラリアのバンド、ソロ・アンダータの楽曲
LOUNGE / MUSIC
2015年1月17日

kizunaworld.org|オーストラリアのバンド、ソロ・アンダータの楽曲

kizunaworld.org #22

オーストラリア発のバンド、ソロ・アンダータによる楽曲「Shallow Sky」

坂本龍一氏らによってスタートし、国内外のさまざまなアーティスト作品を通じて寄付を募る東日本大震災被災地支援プロジェクト、「kizunaworld.org(キズナワールド・ドット・オルグ)」。22番目の作品は、オーストラリア発のエクスペリメンタルバンド、ソロ・アンダータの楽曲「Shallow Sky」である。

Text by KASE Tomoshige(OPENERS)

衝動的、原始的な鎮魂歌

坂本龍一氏と平野友康氏が発起人となり立ち上がった「kizunaworld.org」。「個人の力でできるかぎりのことをする」というコンセプトのもと、国内・海外からプロジェクトに賛同するアーティストの作品を広く集めて提供、寄付を募っている。その活動はすでに1年を超え、2年目以降も個人の想いを繋げながら、継続的な支援をつづけている。

22番目の作品は、ケイン・アイキンとポール・フィオッコによるバンド、ソロ・アンダータの作品「Shallow Sky」だ。オーストラリアを拠点に活動するこのバンドは、いわゆるアンビエントのジャンルにおいて最先端の音を発信、世界中の音楽誌から熱い評価を受けている。

バンドのメンバー2人は「日本で2011年3月11日に起こった痛ましい出来事に対する、わたしたちの無意識下の音楽的な反応です。ここで表現したかった音は、日本の精神的な、そして物理的な再生への希望です」と語る。音楽家としての原初的な衝動から生まれた、虚飾のないメロディーが印象的。聴くものの感情を波立たせることなく、深く心に染み入る楽曲に仕上がっている。

作品は、1口1000円~20口2万円の任意の寄付をPayPalで決済し、ダウンロードする仕組み。集まった寄付金の全額(決済手数料を除く)が、被災地で「いま必要な支援」として「医療」「こども」「食料」「住宅」「エネルギー」の分野を代表する5つの団体に対して均等に配分され、四半期ごとに寄付をおこなっている。

〈寄付先〉

「国際NGO 世界の医療団」|岩手県大槌町でこころのケアを中心とした医療活動、医薬品の調達

「こどもの音楽再生基金」|教育機関での楽器修復や提供・音楽活動支援

「サンライズ元気村プロジェクト」|仮設住宅で生活する高齢者に米を届ける支援

「ボランタリー建築家機構 坂茂/東日本大地震津波支援プロジェクト」|避難所用簡易間仕切りシステム設置による支援

「環境エネルギー政策研究所 つながり・ぬくもりプロジェクト」|太陽光・太陽熱・バイオマスなどによる被災地支援

ソロ・アンダータ|Solo Andata

オーストラリアを拠点とする、ケイン・アイキンとポール・フィオッコによるエクスペリメンタル音楽のバンド。デビューアルバム『Fyris Swan』が評価され、シーンで注目を集める。2007年にセカンド・アルバム『Solo Andata』を発表「ここには愛すべきコンテンポラリー・アンビエント・ミュージックの全てがある」(Fluid Radio)と絶賛された。3作目のアルバムは2010年の『Ritual』。現在、4作目アルバムの制作中である。

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