BMWとMINIを結ぶセンター棟

正面入り口から入場すると、センター棟と呼ばれるエントランスにたどり着く。ここはクライン・ダイサム・アーキテクツ（KDa）が設計したもので、ネスプレッソのカフェテリアやカンファレンスホールが備わる場所だ。ここを中心に左右にBMWとMINIのショールームが配されている。

ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏は、「このエントランスは人々を呼び込むようなデザインです。そして、カフェテリアはまさしくヨーロッパのラグジュアリーと日本のおもてなしが融合するところ。ここで高級な飲みものとラグジュアリーな内装を楽しんでもらえるでしょう」と話す。また、カンファレンスホールは最新のAV機器が供えられ、400名が収容できるスペースだ。ここは、一般にも貸し出しが可能だという。

カフェテリア

カンファレンスホール

最新のBMWの全てがわかるショールーム

正面からセンター棟に入って右手がBMWのショールームだ。ここには約80メートルの直線に、20台のBMWが展示される。商談も可能なほか、BMWジーニアスと呼ばれるコンサルタントが常駐しているので、BMWに関する質問や相談などが可能だ。

近年、BMWでは、通常のオプションのほか特別オプションのインディビジュアルにも力を入れており、このショールームにはそのコーナーもある。また、BMW Mのコーナーもあり、そこは、レーストラックのイメージでアスファルトのフロアや、ガードレールがモチーフとして取り入れられている。

そのほか、イセッタバーというカフェや、ライブラリー、ライフスタイルコレクションなども展示されている。

イセッタバー

ドライビングシミュレーター

そしてドライビングシミュレーターが常設される。これは、BMW「i3」の実車を用いたもので、2020年のお台場を体験できるものだ。「仮に免許がない子どもたちにもどうやったらBMWの世界を体験してもらえるかを考え、本物のi3を展示。イグニッションをオンにし、ステアリング、アクセル、ブレーキ操作を行うとそれぞれセンサーが感知し、ドライビングシミュレーションができるものです」とは、ビー・エム・ダブリュー（BMWジャパン）BMW東京／大阪プロジェクトディレクターの伊集院正行氏の弁。

このデータは森ビルとタイアップし、3Dデータを作成。BMW Group Tokyo Bayから虎の門へ至る3分ほどのシミュレーションだがi3のワンペダルドライビングを体験できるプログラムとなっている。

また、モトラッドのコーナーも併設されている。そこには10台の二輪が展示されているほか、アクセサリーも展示。どの二輪にもまたがって体験することも可能だ。

最新CIを導入したMINIショールーム

さて、センター棟から左に行くとMINIのショールームだ。

MINIクラブマンから採用されている新しいCIのもとに、このショールームはデザイン。施設内容はBMWと同様で、JCWコーナーやMINI Hubというカフェもある。伊集院氏は「天井や壁は黒だが、床は黒ではなくグレーのタイルを切っています。これまでMINIのショールームはポップなオレンジのフレームや、グリーンのイスがありましたが、全部黒と白のモノトーンになりました。これは、MINI本社の意向で、ブランドのポジショニングをアップさせようと導入された新しいCIで、日本で初めてここで使われています」という。

クルマの限界を感じられる試乗も可

外に出ると、基本的な整備などができるワークステーションがあり、その奥にはこの施設最大の特徴であるドライビングエリアが控えている。

ここは、本国“M”認定のエリアで、夜間照明や散水栓を配置しスキットパッドやレーンチェンジ、フルブレーキングの体験ができるような場所。周囲をガードレールで囲み、FIA公認の衝突緩衝材を置くことで、安全性は十分に確保されている設備だ。

伊集院氏は、「東京のど真ん中で一般公道では体験できない試乗が楽しめます。東京都からも、どんどんタイヤ音を出して周りのお客さんが楽しめるようなデモをやってほしいとあおられているくらいです」とコメントした。

さて、この施設をBMWでは、“ライトハウスプロジェクト”と位置付けている。ライトハウス、つまり灯台を指し、全国のショールームの指標となるものを作ろうとしてスタートしたという。

そして、近年ほかのインポーターやメーカーでブランドショップが作られているが、「クルマを売らないショールームなど素晴らしいアイデアもある。しかし、我々の戦略はあくまでもブランドを体験してもらう場所は、販売拠点の延長線上にあるものだ」として、この施設も直営店という位置づけとなっている。

所在地｜〒135-0064 東京都江東区青海二丁目2番15号
最寄駅｜新交通ゆりかもめ 船の科学館駅、新交通ゆりかもめ 青海駅、臨海高速鉄道りんかい線 東京テレポート駅
敷地面積｜27,198 ㎡
延べ床面積｜7,176 ㎡
展示車｜BMW 28台、MINI 11台、モーターサイクル 10台
試乗車｜通常60-70台（最大100台）
会議ホール収容人員｜250名（最大400名）
来場者駐車場｜100台（ドライビング・エリアも使用した場合は最大300台）