ソリマチアキラさんと体験するス ミズーラ|Ermenegildo Zegna
FASHION / MEN
2016年6月28日

ソリマチアキラさんと体験するス ミズーラ|Ermenegildo Zegna

Ermenegildo Zegna|エルメネジルド ゼニア

ソリマチアキラさんと体験する(1)

「エルメネジルド ゼニア」のス ミズーラ

1910年、テキスタイルメーカーとして創業したエルメネジルド ゼニア。その後、メンズの既製服の分野にも進出し、不動の人気を誇るようになる。そんな世界屈指のブランドであるゼニアが展開する独自のパターンオーダーシステム「Su Misura(ス ミズーラ)」は、イタリア語で「あなたのサイズに合わせて」という意味。自分の個性を随所に表現しながら毎シーズンの最新スタイリングをミックスし、カスタマーが100%満足できるスーツを提供している。ここでは、あえて、ブリティッシュスタイルがユニフォームというイラストレーターのソリマチアキラさんとともにス ミズーラの魅力を探っていく。

Illustrations by SORIMACHI AkiraPhotographs by jamandfixText by KURANO RohanEdit by ANDO Sara (OPENERS)

独自のパターンオーダーシステムで極上の一着を

人気イラストレーターのソリマチアキラさんと言えば、業界きってのウェルドレッサーとして知られ、常にブリティッシュスタイルのスーツを颯爽と着こなして街を歩く姿が印象的だ。今回、そんなソリマチさんに、実は未体験だという「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)」のパターンオーダーの世界観を堪能してもらうため、銀座店の4階奥にあるMTM(メードトゥメジャー)ルームに足を運んでもらった。

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「はじめてビスポークスーツに興味をもったのは27歳の時でした。その頃はアメリカンなスタイルが好きでしたが、30代半ばになると、ウエストを絞った大人っぽいスーツが好きになりました。それからはブリティッシュスタイルをベースにしながら、自分好みにアレンジしています」(ソリマチさん)

保守的なブリティッシュスタイルが好みかと思ったのだが、意外とそうでもない。少し丸みのあるシルエットを出したり、フレンチなテイストを加味したり、ガチガチのスーツはあえて避けて、何かのスタイルに偏ることなくバランスをとっているとのこと。

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ソリマチさんにとってもス ミズーラは初めて。そこで、ゲージのジャケットを試しに羽織ってもらった。
選んだモデルは正統派のイタリアンスタイルの「ミラノ」と「フィレンツェ」。「ミラノ」は正統派のクラシックモデルで、肩パッドが入り、ほどよく芯地を使うなど構築的なシルエットが特徴。袖の仕上げなど細部の仕上げも丁寧だ。

一方の「フィレンツェ」は日本で展開するモデルのなかでは近年人気のモデル。ジャケットの着丈は「ミラノ」モデルよりも3cmほど短く、コンパクトなシルエットが特徴だ。袖付けがシャツと同じようにシャツ袖仕様になっており肩周りも柔らか。全体的に曲線を生かしたフィット感のあるスマートなスタイルに仕上がっている。初体験のソリマチさんがどう感じるか気になるところだ。今回試着した「ミラノ」と「フィレンツェ」の他に「プレミアム」「ミラノイージー」「トリノ」の各モデルが用意されている。

「軽いですね、ストレスがまったくありません。ゲージでこれだけ楽とは。この段階から補正して、さらに着心地がアップするというわけですね。僕が選ぶ服地はどうしてもイギリスのものが多く、打ち込みのしっかりしたヘビーウェイトなものが主流でした。軽くてラグジュアリーな服地というのもいいものですね」(ソリマチさん)

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Page02. 500種類以上の中から選ぶことができる最高品質のファブリック

Ermenegildo Zegna|エルメネジルド ゼニア

ソリマチアキラさんと体験する(2)

「エルメネジルド ゼニア」のス ミズーラ

500種類以上の中から選ぶことができる最高品質のファブリック

ここでエルメネジルド ゼニアのス ミズーラについて簡単に説明しておくと、日本で言うところのパターンオーダーのことで、既製の各モデルのジャケットおよびトラウザーを着用し、モデリストを兼ねた熟練スタッフがピンで余分なシワを留めるなどして、広範囲にわたり体型補正を行うシステムだ。反身体や屈伸体、なで肩やいかり肩、前肩のアタリなどの補正もしっかり行ってくれる。ちなみに、ゼニアのオーダーはスーツやジャケット、ネクタイなどのビジネスウエアだけでなく、セーターやアウター、デニムなどのカジュアルラグジュアリーも可能だ。

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補正したデータはスタッフが専用のオーダーシートに記入するシステムだ。このオーダーシートの記入項目がとても細かい。たとえばジャケットの場合、「広げる」と「詰める」という基本的な項目だけでも各11種類の記入箇所があり、肩だけでも10種類の補正項目を記すことができる。このようにすべての補正箇所に対して、ビスポークスーツに限りなく近い対応を行っている。これらの補正データを書き込んだオーダーシートをイタリア本国に送り、イタリア(一部スイス)の直営工場で縫製を行う。もちろんバンチブック(服地の見本帳)から好きなファブリックに加えて裏地、ボタンなども好みのものを選ぶことができる。

服地メーカーらしく、ファブリックは最高品質のものばかり。「ラニフィーチョ エルメネジルド ゼニア(ゼニアのウール工場)」が織りなす500種類以上の中から選ぶことができるのだ。定番人気の「トロフェオ」をはじめ「トロフェオモヘア」や「ハイパフォーマンス」など、ゼニアが生み出した高品質かつ高機能のファブリックが揃う。また、春夏と秋冬の2シーズンごとに新しい色や柄も加わり、ス ミズーラの楽しみを広げてくれる。

たとえば「15MILMIL15」は、オーストラリア産スーパーファインウールの中でも直径15ミクロンという極細繊維のみを使用した極上の逸品。身体に吸い付くようなしなやかさが実現する。ちなみに髪の毛は約60ミクロン。髪の毛の1/4という細さなのだ。

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「服地についてですが、イギリスの強撚糸で織られた服地はゴワゴワしています。一方、ゼニアの『ハイパフォーマンス』などは強撚糸でシワになりにくいにもかかわらず、柔らかくしっとり感すらありますね。これには驚きました。まさに都会が似合う服地ですね。スーツの構築的なシルエットも洗練された知性を感じさせてくれます」(ソリマチさん)

ソリマチさんがスーツを着こなす上で気をつけていることは、“街の風景に溶け込む”ということ。つまり街の雰囲気にマッチした装いを心がけているそうだ。

「銀座ならTシャツでは歩きたくないですよね(笑)。やはり大人の街ですから。今日試着したミラノやフィレンツェモデルのスーツを着て街を歩きたいです。それが吉祥寺や下北沢だと、かえってスーツだと浮いてしまいますよね。むしろカジュアルの方が街に溶け込むと思うんです。少し自惚れた言い方ですが、装いが街の雰囲気を作るというか、場合によっては品性を吹き込むのだと思います」(ソリマチさん)

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今回、初めてエルメネジルド ゼニアのオーダーの世界に足を踏み入れたソリマチさんはス ミズーラを気に入ったようだ。イギリスとイタリア。スーツのスタイルや服地の素材感の違いはあるが、上質感や洗練した雰囲気の追求など、お互いに共通項も多い。機会があれば、ス ミズーラのスーツを自分なりのこだわりでオーダーし、大人の街を歩いてみてはいかがだろうか。

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ソリマチアキラ|Akira Sorimachi
1966年東京生まれ。91年よりフリーのイラストレーターとして活躍。
メンズファッション誌を中心に挿絵や、広告などの作品を手掛けている。
185cmという恵まれた高身長をビスポークスーツで包む姿はスタイリッシュで、
数多くのメディアのスナップの常連でもある。

問い合わせ先

ゼニア カスタマーサービス

Tel. 03-5114-5300

http://www.zegna.com/

           
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