萩原輝美 連載 vol.142|2016-17秋冬ロンドンコレクション
FASHION / WOMEN
2016年2月29日

萩原輝美 連載 vol.142|2016-17秋冬ロンドンコレクション

ライセンス取りやめ、ブランド一本化

バーバリーが大改革

バーバリーが大改革に挑みます。コレクションラインの「バーバリー・プローサム」と二つのプレタラインブランドを「バーバリー」ブランンドに一本化。チーフ・クリエイティブ・オフィサーのクリストファー・ベイリーが経営責任者に就任し自らの陣頭指揮で進められた改革です。その初コレクション、テーマはパッチワークです。

Text by Terumi Hagiwara

イメージも素材もパッチワーク

2016年秋冬ロンドンコレクションです。ロンドンコレクションを牽引するバーバリーが画期的な改革を進めます。これまでのコレクションライン「バーバリー・プローサム」とプレタラインの「ロンドン」「ブリット」をなくし、すべてが「バーバリー」に統一します。日本でのライセンス商品もなくなり世界共通「バーバリー」ブランドになるのです。

02 のコピー萩原輝美 連載 vol.142|バーバリーが大改革

01萩原輝美 連載 vol.142|バーバリーが大改革

その「バーバリー」の初めてのコレクション、テーマはパッチワークです。ファーストルックは、がっちりしたネイビーのミリタリーコートにシルクのミニドレスを合わせています。続いて登場するパイソンコートとミニドレスはロンドンらしいローデングリーンが鮮やかです。黒のパイピングやステッチでシルエットを際立たせています。プリーツスカートのマチは色、素材を変え、プリントを加えます。クラシックな英国風チェックのコートにはスパンコールのフラワーモチーフドレスを合わせています。カラーパイソンをパッチワークしたアンクルブーツにトレンチのベルトを思わせる太いレザーベルトが強さを加えます。色、素材だけではなく、ロンドンらしいパンクやロックのイメージもパッチワークされています。

もう一つの改革は、次のシーズンからメンズ、レディスを1回のコレクションで見せること。9月と2月です。しかもコレクションで発表されたものが翌日には店頭で売られます。つまりコレクションが半年前ではなく、リアルシーズンに発表されるのです。ブティックが中心になるという作戦です。チーフ・クリエイティブ・オフィサーのクリストファー・ベイリーが実質の経営者となったことで自らの陣頭指揮で進めてきたことです。この改革、他ブランドにも大きく影響を与えることは間違いないでしょう。

萩原輝美

萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/

           
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