アウディQ3に試乗|Audi

アウディQ3に試乗|Audi

CAR

Audi Q3 2.0TFSI quattro 211PS|アウディ Q3 2.0TFSIクワトロ 211PS

アウディ Q3に試乗

2012年5月からついに日本にも導入されることになったアウディ「Q3」。インポートプレミアムコンパクトSUV市場にアウディが投じるこの一石。先に導入される2.0TFSIクワトロの211ps版に自動車ジャーナリスト、大谷達也が箱根で試乗。

Text by OTANI Tatsuya
Photographs by ARAKAWA Masayuki

コンパクトSUVの隆盛

「もうブームは終わったでしょ」

ほかならぬSUVの話である。ところが、アウディ・ジャパンの調査によると、日本国内のプレミアムSUV市場は引きつづき成長傾向にあるという。

SUVの起源は1960年代に誕生したジープ「ワゴニア」やフォード「ブロンコ」にあるとされる。これを追うようにして1970年には「レンジローバー」がデビューし、プレミアムSUVというカテゴリーが確立された。

もっとも、現在に通ずるプレミアムSUVの潮流をつくりだしたのが、2000年に登場したBMW「X5」であることは疑う余地がない。この大成功に刺激されたライバルメーカーはぞくぞくと競合モデルを投入。フォルクスワーゲン「トゥアレグ」、ポルシェ「カイエン」、アウディ「Q7」、メルセデス・ベンツ「Mクラス」などが、その代表例である。

しかし、BMWはここで巧みな戦略に打って出る。X5を作りつづけるいっぽうで、「X3」を発売してもうひとクラス下のプレミアムSUV市場を創出したのだ。これが世界的に大ヒットすると、またもやライバルメーカーが追従。フォルクスワーゲン「ティグアン」、アウディ「Q5」、メルセデス・ベンツ「GLKクラス」などが誕生した。

2度あることは3度ある。BMWはさらにクラスをひとつ下げ、「X1」を発売。これも順調に販売を伸ばしていった。となれば、ライバルメーカーも黙ってはいられない。今回、いちばん最初に動きはじめたのはアウディ。つまり、ここで紹介するQ3は、X1のライバルとなることを宿命づけられて誕生したコンパクト・プレミアムSUVなのである。

冒頭にプレミアムSUV市場は成長傾向にあると述べたが、全体的に市場規模が拡大するいっぽうで、ひとつの変化が起きつつある。市場の中心となるクラスが、どんどん下級移行しているのだ。このため、現在の主流は“X3クラス”だが、今後“X1クラス”のライバルが出そろえば、いつこちらが主流になっても不思議ではない状況となっている。

それはそうだろう。SUVはもともとアメリカ生まれ。広大で、石油資源も豊富な“新大陸”で誕生したからこそ、ひとびとは巨大なSUVを受け入れた。しかし、ヨーロッパやアジアの大都市圏では、“X5クラス”のサイズはいささか大きすぎる。だから、ひょっとするとBMWが仕掛けなかったとしても、SUVの下級移行は自然に起きたとの推測が成り立たなくもない。