北京現地リポート|Bertone
CAR / MOTOR SHOW
2014年12月12日

北京現地リポート|Bertone

Bertone Nuccio|ベルトーネ・ヌッチオ

走行可能な“Nuccio(ヌッチオ)”

ベルトーネは、創立100周年を記念するコンセプトカー「Nuccio(ヌッチオ)」を北京国際モーターショーで初公開した。

Text & Photographs by OTANI Tatsuya

スパイダーマン

ベルトーネは、創立100周年を記念するコンセプトカー「Nuccio(ヌッチオ)」を北京ショーで初公開した。おなじ名前を持つ“ワンオフ・プロトタイプカー”は今年のジュネーブショーで発表されているが、このときはモックアップだったのに対し、今回は走行可能な状態とされた。外観上では、ジュネーブショーのときにはなかったヘッドライトが追加されたなどのちがいがある。

スパイダーマン。ひと目みたとき、なぜか頭にその言葉がひらめいた。AピラーやCピラーと一体成形されたオレンジ色のルーフには網目模様が施されており、これが蜘蛛の巣のように見えたことが理由のひとつ。

この蜘蛛の巣を思わせるデザインはフロントグリル周りにも採り入れられている。また、オレンジとグレーの組み合わせがどこかアニメじみて見えたことも、スパイダーマンを連想させるきっかけになったようだ。

エンジンをミドシップするヌッチオはキャビンの位置を前進させることで居住性の改善を図っているが、このアイデアはベルトーネによって生み出されたもので、同社が手がけたアルファロメオ・カラボ(1967年に製作されたプロトタイプカー)、ランチア・ストラトス0(プロトタイプカー。1970年製)、そしてランボルギーニ・カウンタック(量産車。1972年デビュー)などで提示されてきた。

Bertone Nuccio|ベルトーネ・ヌッチオ

Bertone Nuccio|ベルトーネ・ヌッチオ

全長×全幅×全高=4,800×1,950×1,220mm、ホイールベース=2,600mm、エンジンは480psを発揮する4.3リッターV8であることが明らかにされているものの、そのほかのスペックは不明。

ちなみに、モデル名のNuccioは、ベルトーネの創業者であるジョバンニ・ベルトーネの息子で、同社の2代目の社長であるヌッチオ・ベルトーネにちなんだものである。ある報道によれば、1台かぎりが製作されたこのプロトタイプカーは、およそ2億円である中国人に売却される見通しだという。

           
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