ART|山口晃展『望郷―TOKIORE(I)MIX』
LOUNGE / ART
2014年12月19日

ART|山口晃展『望郷―TOKIORE(I)MIX』

いま最も注目される現代美術家

メゾンエルメス8階フォーラムにて山口晃の個展を開催

現代アートシーンで最も注目されている画家のひとり、山口晃の個展がメゾンエルメス8階フォーラムで2月11日(土)から5月13日(日)まで開催される。過去、現在、未来の東京の風景を、独自の諧謔(かいぎゃく)を織り交ぜて描き出している。

Text by MATSUDA Natsuki(OPENERS)

東京をモチーフにした、遊び心満載の作品群

日本美術史と大和絵の伝統的な画法を取り入れながら、精緻な技術と独特の想像力で日常と空想が混ざり合うような独特のスタイルを確立した山口晃。カンバスを埋め尽くすように描き込まれた街には、古いものから少し先を見据えた新しいものまでが共存し、人間たちもおなじく共生している不思議な空間が広がる。鳥瞰図等のモチーフを使い、画面の細部にまで巧妙な仕掛けと遊び心が張り巡らされており、ユーモアとイマジネーションで東京を彩っている。

(左)© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès (中)© YAMAGUCHI Akira / Courtesy Mizuma Art Gallery / Lagrange Point / 2006 / sumi (Japanese ink), pencil, paper, veneer / photo : Keizo KIOKU (右)© YAMAGUCHI Akira / Courtesy Mizuma Art Gallery /Narita International Airport: Various Curious Scenes of Airplanes (Original Painting for a Mural: Narita International Airport Terminal 1,South Wing, 4th Floor) / 2005 / pen, watercolor on paper / 96.5×76.5 cm / photo : Kei Miyajima

『望郷―TOKIORE(I)MIX』では、洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)から着想を得た俯瞰図「TOKIO山水」をはじめ、電柱のシリーズ、ノスタルジックな仕掛け小屋などを展示。「TOKIO山水」は、同一平面上に雲を配置する大和絵の空間構造の様式を用い、現代の東京という街の都市景観のおかしみを混入。懐かしくもあり新しくもある不自然な世界へ我われを引き込む。歴史の中で培ってきた美意識に、時間軸だけをディフォルメした「ずらし」の効いた風景を捉えたとき、私たちは望郷への想いを共有するのである。

時をとどめ、そして時を操る山口の作品に触れ、不思議な空間を旅してみるのはどうだろう。

山口晃展『望郷―TOKIORE(I)MIX』 05

© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

山口 晃|YAMAGUCHI Akira

1969年 東京生まれ。1996年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻、修士課程修了。2001年には、第4回岡本太郎記念芸術大賞優秀賞を受賞。近年では美術展のみならず、書籍や新聞挿絵、パブリックアートなど、活躍の場も広がっている。

『望郷―TOKIORE(I)MIX』山口 晃展

TOKIORE(I)MIX by YAMAGUCHI Akira

期間|2012年2月11日(土)~5月13日(日)

開館時間|11:00~20:00(月~土)*最終入場 19:30

11:00~19:00(日)*最終入場 18:30

定休日|無休

入場料|無料

主催|エルメス財団

会場|メゾンエルメス 8Fフォーラム

東京都中央区銀座5-4-1

Tel. 03-3569-3300

           
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