INTERVIEW|発起人・平野友康氏インタビュー kizunaworldを振り返る

INTERVIEW|発起人・平野友康氏インタビュー kizunaworldを振り返る

kizunaworld.org|被災地の復旧・復興を支援するためのプロジェクト

INTERVIEW|発起人・平野友康氏インタビュー

kizunaworldを振り返る(2)

「“個人”から繋がって、手作りで運営してるんです」

手作りのプロジェクト

──ツイッターやブログで「なにも書けなくなった」という人も多かったように思います。

運営側としてなにより難しかったのは、「寄付を集めたいんだけど、お祭り騒ぎしちゃいけない」ということ。いままで僕がソーシャルメディアでやっていたのは、どちらかというとドーンと騒いで、やれひと晩で20万人集めたり、みたいな感じでしたので。「kizunaworld.org」というのは本当にひっそりとはじめて、人づてに、少しずつ、という育て方をしてきました。ブレーキを踏みながら、そろそろ進んでいくというはじまり方だったんです。この先多少変わっていくとは思いますが。プロジェクトの当初、もっと派手にやればいいのに、というアドバイスもありましたが……いや、そういうわけにはいかんだろう、という気持ちがやっぱりありました。

──「kizunaworld.org」のサイト全体から、ひっそりとした空気感は伝わってきますね。

すでに16作品あって、これから映像作品やデジタル作品なども出てくるでしょう。これらの作品は時間が経ったときに、ものすごく意味を持つだろうな、と思っているんです。なによりすべてのアーティストの方が、無償で提供してくれているわけですよね。(作品の発表)時期とその人の視点とか、その時代の空気とかも入っているので──そういう意味で本当に貴重なアーカイブになっていくんだろうな、と思います。

──3月11日に何か特別なことはしますか?

実際のところ、まだ考えていないんです。「3月11日、またいろいろあるよね」って教授とは情報交換しています。でも、僕らはそのときの流れに身を任せてここまで来たので、なにか前もって予定を組むということはしていません。

──なにも決まっていないと。

うーん、「kizunaworld.org」自体が、本当に教授をはじめとした数人でやっていまして。アーティストとの交渉も、教授ご本人が直接やっていたりと、本当に手作りなんですね。立派なマネージメントがあるわけでもなく……教授がいちばん大変だと思います。なにが言いたいかというと、ほぼ手弁当で、実務の山(笑)。だから、事前にきっちりこれをやる、ということが(物理的に)決められないんです。

──なんとなくのアイデアはあるんですか?

「いつかライブをやったらどうだろう」とか、アイデアとしてはいくつか出ていますが。「kizunaworld.org」の作品は、出会いと流れに任せるという感じでやっているので──おそらく3月11日も、なにか流れがあれば。あるいはこのプロジェクト以外にも、なにか別の震災プロジェクトのお手伝いしているかも知れませんしね。

──何か決まったら教えてください。

決まっていることをひとつだけ。3月11日には、あえて去年からずっととっておいた作品を出します。「ぜひお楽しみに」と言うのは難しいですよね。その表現が正しいのか、という空気が去年まであったので。でもぜひ、期待していてください。

平野友康|HIRANO Tomoyasu
1974年、群馬県桐生市生まれ。95年、鴻上尚史主宰「劇団第三舞台」をプロデュースする、(株)サードステージのデジタル事業部を立ち上げる。97年4月から2年間、ニッポン放送「平野友康のオールナイトニッポン」でパーソナリティを務める。98年、(株)デジタルステージを設立し代表取締役に。同年国内初のVJ用ソフトウェア「motion dive」を開発する。その後も写真を映画のような映像にする「LiFE* with PhotoCinema」やFlashサイトが誰でもつくれる「ID for WebLiFE*」、総合的なHP制作ソリューション「BiND for WebLiFE*」などのソフトを発表しつづけ、数々のアワードを受賞する。2010年からは、ソーシャルメディアを駆使したメディアデザインにかかわる活動を展開。2011年1月、坂本龍一氏のピアノソロツアーを全世界に配信した「skmtsプロジェクト」は全世界で20万人が視聴、音楽ライブ中継のあらたなスタイルを築いた。同年12月には2枚の電子書籍ライセンスを付録とした画期的な一冊、『ソーシャルメディアの夜明け』(メディアライフ)を上梓した。

ABOUT
SAKAMOTO Ryuichi

1952年東京生まれ。東京芸術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、 細野晴臣、高橋幸宏と『YMO』を結成。散解後も、音楽・映画・出版・広告など、メディアを越えて精力的に活動。 83年、み …