BOOK|現代病の一因は、ビタミンDの欠乏にあり
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2015年5月15日

BOOK|現代病の一因は、ビタミンDの欠乏にあり

BOOK|『サーファーに花粉症はいない』

現代病の一因は、ビタミンDの欠乏にあり

日本における花粉症(アレルギー性鼻炎)の有病者数は約2200万人とも言われており、じつに国民の5人に1人という数字だ。これからの季節が毎年鬼門、という方は本当に多いのである。花粉症をはじめとする現代病に大きくかかわっているのは、「ビタミンDの欠乏」とする著者。予防と改善を説く啓蒙本である。

Text by KASE Tomoshige(OPENERS)

著者自身がビタミンDを自己投与

ビタミンDは、本来は日光にあたることで自分でつくり出すことができるもの。カルシウム代謝には欠かせないビタミンであり、欠乏すれば骨の病気になることなどはよく知られている。このビタミンDこそ、花粉症をはじめとする現代病に有効である、と著者の斎藤糧三医師は説いている。

欧米ではすでに、現代病にビタミンDの欠乏が大きく影響しているとのデータがある。また日本国内でも、ビタミンDの経口摂取によるインフルエンザワクチンを上回るインフルエンザ予防効果が注目されている。花粉症患者を対象とした著者と日本医科大との共同研究では、新たな花粉症へのアプローチとしての手がかりをつかんでいるそうだ。著者自身もアレルギー持ちの経験があり、ビタミンDの自己投与によって、薬物治療を凌駕する、花粉症および慢性鼻炎の根本治療を見出したという。

日本における花粉症の権威、日本医科大学の耳鼻咽喉科学講座の大久保公裕教授は「花粉症がなぜ抗体が少なくても重症化するのか、ひとつの答えになる興味ある本」とし、日本のアンチエジングの権威である順天堂大学の加齢制御医学講座の白澤卓二教授は「本書はビタミンDのバイブル的な本になると確信している」とコメント。医学界からの注目も高いようだ。花粉症に悩む諸兄にたしかな指針を示してくれる、エポックメイキングな一冊といえよう。

『サーファーに花粉症はいない』
著者|斎藤糧三
発行|小学館
価格|1260円

斎藤糧三|SAITO Ryozo
医師/日本機能性医学研究所CMO。更年期障害の女性にテストロンを使用した自律神経調整療法のパイオニアであった、斎藤信彦(医学博士)の三男。日本医科大卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療を習得し、国内外のアンチエイジング学会や栄養療法のワークショップに参加する。平成20年、機能性医学の普及と研究を推進するため「日本機能性医学研究所」を開設。機能性医学に基づいた栄養療法をベースに、美肌治療、レーザー治療、ホルモン治療によるアンチエイジング、デトックス治療による慢性疾患の治療、αリポ酸を中心とした点滴治療、キレーション療法を得意とする。

斎藤糧三|SAITO Ryozo
           
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