クルマの未来や楽しさを提案するトヨタ|Toyota
CAR / NEWS
2015年10月22日

クルマの未来や楽しさを提案するトヨタ|Toyota

Toyota|トヨタ

東京MSで、クルマの未来や楽しさを提案するトヨタ

トヨタ自動車は、東京モーターショーにおける展示内容について公表した。本国である日本に向けて紹介するのは、むき出しの“クルマ”をみせるコンセプトカーやコンパクトFRスポーツカーから、初の市販水素自動車「MIRAI」のその先、さらに新型プリウスなど多岐にわたる。

Text by OGAWA Fumio

むき出しの“クルマ”をみせるコンセプトカー「KIKAI」

2015年東京モーターショーのコンセプトカーにおいて、質と量ともにもっとも頑張っているのはトヨタ自動車。質とは、コンセプト、技術的内容、そしてワクワクさせてくれるかんじ、すべてにおいてバランスがとれているという意味だ。

トヨタ自動車のコンセプトモデルの中で、自動車好きの心をくすぐるのは、オモチャ感覚もある「KIKAI」。コクピット以外はすべてむき出しになったスタイルで、エンジンカバーを外した「スーパー7」よりさらにネイキッドな感覚が強い。

Toyota KIKAI|トヨタ キカイ

Toyota KIKAI

Toyota KIKAI|トヨタ キカイ

Toyota KIKAI

発想の原点もユニークだ。「いまの人たちと機械とのかかわり方。ビッグデータとかクラウドとかいわれ、自分たちの見えないものに支配されている感覚が強くなっているなか、クルマがどう動いているのか、メカニズムを見せることでリアルな感覚を与えるクルマが喜ばれるのではと考えました」。KIKAIをデザインした商品開発部の陶山和夫氏は語る。

工場萌え、機械式カメラ、クオリティコーヒーといったものが取りざたされる機会が多いのも、自分たちの生活を支えているものの実体を見たいという、リアルなものへの希求があるはず、と陶山氏。KIKAIはミドシップエンジンをはじめ、サスペンションアームもすべてむき出し。室内からサスペンションの動きを見ることで、「モノへの愛着をふくませることができるはず」と言う。ただし現時点ではコンセプトモデルにとどまる。

Toyota S-FR|トヨタ S-FR

Toyota S-FR

Toyota S-FR|トヨタ S-FR

Toyota S-FR

原点に戻って、ライトウェイトスポーツの提案

「S-FR」は、KIKAIとはある意味正反対に位置するが、同等かそれ以上に魅力を感じさせるコンセプトモデルだ。「S800やMR-Sといったトヨタのスポーツカーの系譜につらなる、ライトウェイトスポーツの提案。昭和の匂いという感想も聞きますが、これがクルマの原点ではないという思いを込めて開発しました」。モータースポーツ本部スポーツ車両統括部の森和生氏の言葉だ。

3,990mmの全長はヴィッツなみで、2,480mmのホイールベースを活かした2プラス2のパッケージ。「前輪駆動の2ボックスばかりのエントリーカーの市場にこういうクルマを投入したら、必ず喜んでくれるユーザーがいるはず」と森氏は言うが、まさにそのとおりだと思う。マニュアル変速機も搭載したいそうで、現時点では未定というエンジンを含めて、早い時期の生産化が望まれる1台である。

Toyota|トヨタ

東京MSで、クルマの未来や楽しさを提案するトヨタ

未来の水素自動車像と、現在のハイブリッド

C-HRコンセプト」は、2ドアにつづき、9月のフランクフルトショーで初公開された4ドア版。クーペとSUVの要素をあわせもったクロスオーバービークルだ。「ハッチバック車からの乗りかえが多いクロスオーバービークルだけれど、走りがイマイチという評価を覆せる動力性能をもたせたい」。開発を担当したトヨタ自動車製品企画本部の古場氏は語る。2ドアにつづき、わざわざ4ドアを開発するなど、「生産予定は未定」(トヨタ自動車)と言うものの、意外に量産化に対して前向きかもしれない。低くかまえたスタンスが、スタイリングとしても魅力的だ。

Toyota C-HR Concept|トヨタ C-HRコンセプト

Toyota C-HR Concept

Toyota C-HR Concept|トヨタ C-HRコンセプト

Toyota C-HR Concept

MIRAI」の先になるFCV(水素で走る燃料電池車)として世界初の公開となるのが「FCV PLUS」だ。スタイルは未来的だけれど、開発を指揮したトヨタ自動車製品企画室の盛合威夫氏は「いまから十数年後の社会を前提とした提案」と話す。水素エネルギーが普及した社会となっていて、このモデルはエコカーというよりエネカーなのだとする。

エネカーとは、エネルギーのやりとりが可能な車両を意味する概念。「FCV PLUS」は、水素はもらうが、必要に応じて電気を家庭をはじめ設備に供給するインフラに組み込まれることが提案されている。燃料電池車の核となるFCスタックはフロントタイヤ間に配置し、水素タンクはリアシート背後に。動力は4輪に1基ずつ搭載されたインホイール モーターとなるそうだ。2個所に、ケーブルでつなぐ必要のない非接触式送電パネルを備える。床下は家庭用、後輪のホイールカバーにあたる部分に他のモビリティ用が搭載されるという。

Toyota PRIUS|トヨタ プリウス

Toyota PRIUS

Toyota PRIUS|トヨタ プリウス

Toyota PRIUS

東京モーターショーで一般的に大きな話題を呼ぶのが、新型「プリウス」だろう。あたらしいプラットフォームに、MIRAIとのつながりを感じさせる(とくにリア)スタイルの車体を載せたのが特徴的だ。4代目は熱効率を従来型より約40パーセントも高めているのが注目点。同時にエンジン、トランスアクスル、電気モーター、電池といった各ユニットは「よりコンパクトに、そして軽量化し、優れた低燃費を実現」とトヨタ自動車ではする。

新プラットフォームは車両の低重心化に寄与し、操縦安定性と乗り心地をともにバランスよく向上させているのも、開発担当者が高らかに謳う特徴だ。全長4,540mm、全幅1,760mm、全高1,470mmで、従来型より少し長くなっている。

           
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