清水久美子が最強のマセラティに試乗|MASERATI
CAR / IMPRESSION
2014年12月16日

清水久美子が最強のマセラティに試乗|MASERATI

MASERATI GRANTURISMO MC STRADALE|
マセラティ グラントゥーリズモ MC ストラダーレ

清水久美子が最強のマセラティに試乗

マセラティのロードカー史上最速の座に君臨する、グラントゥーリズモ MC ストラダーレ。「MC」つまりMaserati Corseを意味する車名から想像できるようにレースカーのテクノロジーをもちつつ、「ストラダーレ」つまりストリートで愉しむべく仕立てられた一台。グラントゥーリズモ Sより110kgの軽量化に成功し、最高速300km/hオーバーを誇るこのスーパースポーツを、渡辺敏史氏につづいて、アマチュアレーサーであり、OPENERS BLOGでも活躍する清水久美子さんにも試してもらった。

Text by MATSUO Dai
photo by ARAKAWA Masayuki

「マセラティさん」を思いながら走らせないと応えてくれない

── マセラティの感想の前に、清水さんのクルマ遍歴を教えていただけませんか?

ワタシは、もともとクルマにはぜんぜん興味がなかったんです。でも、21歳のときにRB26を積んだ日産ステージアのオーテックバージョンを持っていた友人に首都高で乗せてもらったんです。HKS2540ツインのタービンを積んで500馬力にまでパワーアップした1台でした。そのときの首都高での熱い走りに興味をそそられ、ワタシも一番速いクルマに乗りたい! と思って、R32型のGT-Rを買ったんです。最初はニスモタービンを積んで400馬力でした。じつは、免許を取る前に車両を買っていたんです。それで試験場で免許をいただいて、そこから乗って帰ったんですけれど、シングルプレートクラッチが入っていたので家につくまで25回もエンストしました。

その後、知り合いのショップの誘いを受けて筑波サーキットを走りはじめてライセンスを取りました。筑波が落ち着いてからは、ドラッグレースをはじめました。ピストンもクランクシャフトも、あらゆるところをいじりましたね。今の仕様はOS GIKENのシーケンシャル・ドグミッションとトラストのT88ビッグシングルタービンを積んで700馬力ほどですが、レースは休んでいて、街乗りにR35 GT-Rとメルセデス・ベンツ Sクラスを使っています。

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── そんな清水さんからみて、このマセラティはいかがでしたか?

ワタシは基本的には速いクルマが好きなので、GT-Rに乗るとどうしてもほかのクルマがかすんで見えてしまいがちなんです。でも、このマセラティについては、知れば知るほど好きになるクルマという印象を持ちましたね。乗り出してはじめのうちは、ワタシに心を開いてくれなかったんです。アクセルを踏んでもワタシとはかみ合ってくれない走りだった。ところが、「マセラティさん」のことを思いながら自分のドライビングをクルマにあわせると、ピッタリきて、速く走れてしまいました。不思議なクルマですね。

── エンジンのフィーリングは?

下からトルクがしっかりとあるし、最高出力が450馬力とそこそこ(笑)パワーがある。エンジンの特性としては高回転のほうが落ち着いてスムーズだし、音はフェラーリ製だけあって、やる気にさせてくれますし、5000回転以上になると俄然楽しくなりますね。車幅がわかりやすいこともあって、とにかくエンジンの気持ちよさが感じられるクルマです!

RACEモードだけで走りたい

── いわゆるセミオートマチック式のトランスミッションに戸惑いがあったようですが?

ドライビングモードは、「AUTO」「SPORT」にくわえて、このMC ストラダーレだけの「RACE」という3つのモードがあるんですが、わたしはずっとRACEモードで走っていました。それ以外のモードだとギアの変速がスムーズじゃなくて、少しストレスを感じましたね。でもRACEモードに変えると急にクイックにつながるようになる。だから、もしこのクルマを買うようなことがあってもRACEモードでしか走りたくないですね。

あと、カーボンセラミックブレーキははじめての経験で、カーボンが削れながら車両が止まるという印象です。スチールのブレーキとは効きがちがう。効きはじめはイマイチで、突然ガンと効くんです。慣れが必要ですね。

清水久美子が最強のマセラティに試乗|Maserati 04

── インテリアの印象はどうでしょう?

イタリアらしい豪華さ! アルカンターラとレザーをふんだんに使っていてオシャレだし、ラグジュアリーな印象を受けました。それなのに、ノーマルのグラントゥーリズモにはある後席が外されて消火器がついている。このギャップもおもしろいですね。レーシングカーの要素とセレブ感が両立している。好きなのはGT-Rですけど、マセラティはデート用に欲しいと思いました。

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── どういう人に似合うでしょうか?

価格が価格なので、お金のある人にはなるでしょうが、女性にも似合うクルマだと思います。ハンドリングはクイックなので、クラッチさえ強化すればサーキットも楽しめると思いますよ。でもワタシがオーナーになったら、六本木に乗って行くのにばかり使いそう。恋愛と同じで付き合ってみないとわからないですけれど、誰にでも優しいクルマではないとは思いますよ。

spec

MASERATI GRANTURISMO MC STRADALE│
マセラティ グラントゥーリズモ MC ストラダーレ

ボディサイズ│全長4,935×全幅1,915×全高1,345mm
ホイールベース│2,940mm
車両重量│1,850kg
エンジン│4.7リッターV型8気筒DOHC4バルブ
最高出力│331kW(450ps)/7,000rpm
最大トルク│510Nm(52.0kgm)/4,750rpm
燃費|14.4ℓ/100km
CO2排出量|337g/km
価格│2112万5000円
※燃費、CO2排出量は英国データに基づく。

最速のマセラティに試乗

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