ベントレー 最新サルーン&クーペにOPENERSブロガー清水久美子が試乗!|BENTLEY
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2015年1月21日

ベントレー 最新サルーン&クーペにOPENERSブロガー清水久美子が試乗!|BENTLEY

BENTLEY MULSANNE|ベントレー ミュルザンヌ

BENTLEY CONTINENTAL GT|ベントレー コンチネンタル GT

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OPENERSブロガー清水久美子が試乗!(1)

ベントレーのフラッグシップサルーン「ミュルザンヌ」、クーペ「コンチネンタル GT」の2台を率いておこなったテストドライブ。OPENERS BLOGでもおなじみの人気ブロガーであり、アマチュアレーサーでもある清水久美子さんにも、2台の最新ベントレーに試乗していただいた。今回は、インタビュー形式でお送りする。

Text by OPENERSPhoto by ARAKAWA Masayuki

普段は味わえないリッチさや、優雅な気持ちに浸らせてくれるクルマ

──サルーンの「ミュルザンヌ」、クーペの「コンチネンタル GT」、この2台それぞれにたいする最初の印象を教えていただけますか?

まず、ミュルザンヌにかんしては、エクスクルーシブカーを代表するブランドのフラッグシップモデルで、すべてにおいて贅を尽くされたラグジュアリーサルーンだということ。でも概要だけで、こまかなことはあまり知りませんでした。役割としては、ドライバーズカーというよりは、ショーファードリヴンなイメージ。コンチネンタル GTは、丸みのある愛らしいデザインで女性にも好まれそう。たしかパリス・ヒルトンの愛車ですよね。

──ブランド自体に憧れはありましたか?

レースをやっていて、速いスポーツカーが大好きなワタシには縁がないなと思っていたんですが、今年にはいってメルセデスのSクラスにも乗るようになって、フルサイズのプレミアムカーも格好良いなと思うようになったんです。

じつはSクラスを買うときにベントレーのコンチネンタル フライングスパーと迷ったんですよ。クルマの魅力って、人間のからだだけではもつことができないパワーや、特別な気分を与えてくれるところだと思っていて、このふたつのブランドは、日常で味わえないリッチさや、優雅な気持ちに浸らせてくれるという意味では共通している気がしていました。

普段の足として日産GT-Rに乗っているので、それとはまったく異色の一台が欲しかったんです。

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BENTLEY MULSANNE|ベントレー ミュルザンヌ

BENTLEY CONTINENTAL GT|ベントレー コンチネンタル GT

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OPENERSブロガー清水久美子が試乗!(2)

闘牛のような圧巻の加速力

──では、実際にミュルザンヌを見た感想はどうですか?

まず、目の前にした瞬間、大きさや存在感、言葉ではいいあらわすことができないような独特なオーラに圧倒されましたね。伝統がひと目見ただけで伝わってくるようなクラシックなフォルムはひと目で気にいりました。

あと、有無をいわさぬ顔つきも大好きですね。色も艶のあるブラックで、威厳があって男らしい。むかしは、赤いコンパクトなクルマも乗っていたんですが、どうも相性があわなかったみたいで……。

──乗ってみた印象はいかがでしたか?

存在感からか、本音を言うと乗る前は少し怖いなと思っていて、そういう不安を抱えながらもいざ乗ってみると、少し大きいかな? と感じただけで、実際は乗りやすかったです。ミュルザンヌのドライバーズシートとステアリングに秘められた魔法にかけられた感じで、我を忘れて天狗になってしまいそうでした。小まわりも意外ときくし、車庫入れも想像していたよりは苦じゃなかったです。

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──Sクラスと比較した場合はどうでしょう?

よりスポーティな印象でしたね。とくにパワーの出方がおもしろい。コンチネンタル GTとはちがって、アクセルを踏むとすぐにはこたえてくれないんです。少しタメがあって、そのあと圧巻の大パワーが放出される。闘牛が最初にかまえながら、マタドールの赤い布に狙いを定めているような(笑)。あの乗り味は独特でおもしろかったです。

──でも、いっぽうでイギリスの最高級ドライバーズカーブランドとしての、上品さがあると思うんですが?

闘牛とはいってもバタバタと振りまわすような感じではなくて、身のこなしがジェントルですよね。エンジン音も静かで、音色が心地よかったです。これでマフラー音が大きかったら、ちょっとやんちゃになり過ぎちゃうのかな……。

上品さと言えば、インテリアトリムの木目や、シートのレザー、ステッチングも美しいですよね。

BENTLEY MULSANNE|ベントレー ミュルザンヌ

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OPENERSブロガー清水久美子が試乗!(3)

職人がつくりあげる珠玉のサルーン

──ミュルザンヌのトリムには、ウォルナット(クルミの木)から削り出した24枚の板を職人が一枚一枚張りあわせてつくった合板が使われているそうです。一台のインテリアをすべて仕立てるのに9週間かかるといわれています。

エンジンにかんしても、ベントレー S2用のV8エンジンが1959年に開発されていらい、約50年間そのエンジンをベースに改良されつづけています。ベントレーにとって、熟成されたV8エンジンはれっきとしたアイコンなんです。

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そんなに長い歴史をもっているんですね!? ワイン工房みたい!

──モデル名にも由来があって、1923年に策定されたル・マンのサーキット「サーキット・ド・ラ・サルト」、このサーキットはフランス・サルト県の公道とレース用につくられたコースからなっていて、そのなかでもっとも長い6キロメートルのストレートの先に、“ミュルザンヌ”という村があったんです。もともとベントレーはル・マンにおいて常勝チームだった。走りには絶対的なこだわりをもっていて、いまでもその輝かしい歴史をアピールするためにつけられたネーミングなんです。

そんな歴史をもったクルマだからなのか、ミュルザンヌに乗ってると不思議と誰にも負けないぞというような自信が沸いてくるんですよ。だからその感情を抑えるために、わざと上品に振る舞うよう運転していたかもしれません。でも、ゆったり走っているようで、心のなかでは、ほかのクルマを見くだしてしまうような(笑)。マインドコントロールされない精神的な強さがないとこのクルマはあつかえないだろうな……。

──このクルマのオーナーになったとしたらどんな使い方をしたいですか?

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普段の通勤の足としても使ってみたいけど、意外と場所は問わないと思うんです。都会であっても、箱根のような山道、カントリーサイドであっても、あらゆる空間に自然となじむ印象はありました。とにかくこれは欲しい! と思ってしまうほど、いい意味でのショックを受けたクルマでしたね(笑)。

BENTLEY MULSANNE|ベントレー ミュルザンヌ

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OPENERSブロガー清水久美子が試乗!(4)

効率よりエレガントさを追求したクーペ

──では、いっぽうのコンチネンタル GTです。さきほどパリス・ヒルトンの話がでてきましたが……。

ワタシは好きですね。セレブという立場やルックスだけじゃなくて、つねに笑顔で、余裕があって、そういうなにごとにも動じないような強い精神力をもったひとが男女問わず好きなんです。

コンチネンタル GTの内外装を鮮やかなピンクでまとめたり、エンブレムにスワロフスキーの装飾をしたり……。そんなタブーも彼女だからやれちゃうんだろうなと思います。

──コンチネンタル GTに興味はありましたか?

興味はあるんですが、もともとベントレーはサルーンっていうイメージがあって、フライングスパーとほぼおなじボディサイズなのに、なぜクーペなのかなっていうところが疑問なんです。

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──馬車の時代から、貴族や特権階級の人びとにとって、優美なフルサイズのクーペは、もっとも贅たくな乗り物だった。そういうクルマに乗ることは、一種のステータスであり、スタイルだったわけです。クーペというスタイルは、ヨーロッパで培われてきた文化なんですよね。実用的なサルーンやリムジンではなく、あくまでスタイリング重視で、乗車できる人数もかぎられている大型のクーペは、効率よりエレガンスを追求しているんです。

なるほど、たしかに贅たくですね! スタイリングもエレガントな丸みが魅力的です。ボディのつなぎ目や溶接をなくしたスーパーフォーミング技術はやっぱりすばらしい……。インテリアもクリームと黒の相反するツートーンカラーのコンビネーションが抜群にお洒落だと思いますね。日本車の場合、カラーバリエーションが豊富だとしても、似かよったカラーでまとめる傾向があるから、この斬新さを見ならってほしいです。

──試乗した印象はいかがでしたか?

ミュルザンヌとちがって、加速にパワーバンドがなくて、低回転域からみるみる加速していく感じは不思議でしたね。すべての動きがあまりにもなめらかで、運転していても、助手席にすわっていてもつねに快適。エンジンをかけたときに鳴る12気筒らしい力強いサウンドは意欲をかきたてるけど、全体的にはかどがなくて、バランスの良い走りを見せてくれましたね。車重が2トンを優に超えてしまうのに、箱根のワインディングロードでもそれを感じさせないくらいキビキビと走るさまはすばらしかったです。

──ミュルザンヌはぜひ欲しいとおっしゃっていましたが、こちらはどうですか?

当然、欲しいですね(笑)。トータルでみていいクルマだし、日常でも使いやすいと思います。ミュルザンヌよりもかわいらしいデザインで写真映えするし、これに乗ってデートやショッピングに行ったりするのは憧れちゃいます。

──助手席に乗って?

まちがいなくドライバー席で!(笑)。

           
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