MATSUNAGA Manabu|Vol.6 クロード・モネ 睡蓮の庭

MATSUNAGA Manabu|Vol.6 クロード・モネ 睡蓮の庭

carnet de jardin タイムカプセルの庭へ

MATSUNAGA Manabu|松永 学

Vol.6 クロード・モネ庭

「光のパレット」──作品のための外劇場

印象派のなかでも精彩を放つ画家、自分の庭を作品のためにつくり上げたクロード・モネの庭(Claude Monet、1840年生まれ-1926年没)。フランス、パリからセーヌ川をくだり約80km、ジヴェルニー村(Giverny)にある。1883年以降はここジヴェルニーに移住、晩年の大作『睡蓮』を制作した地でもある。

写真・文=松永学

あるアーチストが私に言った。
『ジヴェルニーに近くに来ると、光がちがって感じられる』と。
この場所には光の撹拌による魔法がかけられていて、空気がきらきらと輝いてみえた。
それは可視できる光でもあった。

この場所を晩年の居にえらんだモネ。
母屋の台所の装飾も美しく、黄色で統一されたダイニングもすばらしい。
しかも春から秋にかけては花々が狂ったように乱れ咲き訪問者を魅了するが、やはりメインは睡蓮が浮かぶ池に尽きるだろう。
空や雲、風、太陽の位置によって、しかも自分の動きによってさえ、数えきれないほどの色が瞬時に変化する池。
色が混ざり合い、あたらしい色をつくり、そしてまたほかの色と重なり合う。
それが永遠に繰り替え、繰り返す。終わりのない連続。

この流れゆく感覚と時間を写真にとらえることは可能なのか?
モネが描いたように、一瞬の光を切り取ってみようと思った瞬間、
池が巨大な『光のパレット』になった。

公式サイト
Fondation Claude Monet : maison et jardin de Monet a visiter – Normandie
http://www.fondation-monet.fr/jp/

ABOUT
MATSUNAGA Manabu

写真家。北海道根室市生まれ。父の影響で小学生から写真をはじめる。暗室デビューも同時期。高校卒業後上京。日本大学芸術学部写真学科卒。学生時代はアルバイトに明け暮れる。アングラアマチュア音楽バンドで、舞台演出写真スライドショー&キーボードを担当。欲しいレコードを買うために、マニアックなレコード店が多かった新宿駅界隈が庭となる。日本デザインセンター入社後、2年間で退社。フリーフォトグラファーになる。その後フランス・パリに移住。雑誌を中心にルポルタージュやポートレイトなどで幅広く活躍。昨年2009年12月より、『carnet de voyages』というタイトルで旅をテーマとしたweb写真集を発表している。iPhone+iPad+iPodTouch用アプリ(PhotoHorloge)でも展開中! パリ発『webマガジン chocolatmag』ではビジュアルを担当。コラム内”chocolat papa356J”で毎日更新の写真コラムもはじめる。叔父はジェイムス・ジョイスの翻訳で有名な、日本の英文学者・翻訳家である柳瀬尚紀氏。 オフィシャルサイト http://www.manabu-matsunaga.com/ carnet de voyages http://www.manabu-matsunaga.com/voyages/