デイビッド・コマが解釈する新生ミュグレー|MUGLER

MUGLER|デイビッド・コマが解釈する新生ミュグレー

FASHION DESIGNER'S FILE

MUGLER|ミュグレー

新クリエティヴディレクターが初来日

デイビッド・コマが解釈する新生ミュグレー(1)

大胆な美意識と創造力による“ウルトラモダン”で、80年代のモード界を風靡したメゾン「ミュグレー パリ」。2014年、グルジア出身のデザイナー David Koma(デイビッド・コマ)がクリエティヴディレクターに就任し、メゾンに新たなエネルギーとビュジョンを注ぎ込んだ。このたび、日本上陸をひかえ、デイビッドが初来日。彼が思う、新生ミュグレーとは。

Photographs by KOBAYASHI Takashi(ITARU Studio)
Interview & Text by Winsome Li (OPENERS)

ミュグレーのファンになった、13歳の少年

1974年、ティリー・ミュグレー氏が自身の名前を冠するアトリエブランドを創設し、本格的にコレクションをスタート。そののちティリー氏は2010年にクリエティヴディレクターを退任し、ニコラ・フォルミケッティが後継となった。彼は親友のレディ・ガガをミュグレーのランウェイに起用したり、大胆なキャンペーンビジュアルを生み出すなど、ふたたび「ミュグレー パリ」をスポットライトに当てた。しかし、ニコラは2013年の秋冬コレクションを終えて辞任。後任として選ばれたのは、当時28才のデイビッド・コマ。ここに若きクリエティヴディレクターが誕生した。

a

今回、2015年秋冬コレクション発表会のため、デイビッドは初来日を果たした。15才にして初のコレクションを発表した彼は。少年のときからミュグレーのファンだったという。

「13才のときミュグレーのドキュメントリー番組を見て、はじめてミュグレーのことを知りました。ミュグレーの洋服と美学に共感を覚えて、すぐにファンになりました。ぼくはピエール・カルダン、アライアとか、とくに60、80年代のファッションが好きだけど、やはりミュグレーには特別な想いがありますね。

クリエティヴディレクターのオファーを聞いた瞬間、とても興奮しました。心の中ずっと望んでいた仕事なので、いつかは叶うとずっと信じていた。ミュグレーを100パーセント愛していたので、迷うことなく引き受けました」

新生ミュグレー ――― 彫刻的、構造的、パワフル

永遠なるアバンギャルドを讃えて、クチュールの技術と独自な美学による官能的なスタイルとボディコンシャスなシルエットがブランドの象徴。デイビットが再解釈する、モダンなミュグレーはさらなるステージにたどり着いた。

「ぼくにとって、いちばん重要なのはシルエット、そして、着る女性の動きや姿勢、バランスによって生み出される強さ。ミュグレーを3つのワードで述べるとしたら、彫刻的、構造的、パワフルという言葉が当てはまると思います。ミュグレー ウーマンは都会的なライフスタイルを持ち、ジェットセッターのように世界を飛び回る、成功している女性。外見だけ成功に見えるのではなく、心から発するパワーとハピネスこそが、成功の象徴だと思います」

ロンドンを拠点とするデイビットは2009年から自身のブランドも展開している。彼のシグネチャーは、女性のボディラインに沿った彫刻のようなドレス。そのシグネチャーは、ミュグレーのアイコンルックである“スーパーボディコンシャス”と、見事にシンクロナイズした。メゾンのアーカイブを見て、デイビッドはあらたなコレクションを創り出していく。

b

「ミュグレーを長年フォローしてきたので、心の底からブランドのことを理解しているんだ。クリエティブディレクターになって、毎シーズン必ず5000点以上も存在するアーカイブをたどります。ただ、アーカイブピースを深く掘り下げることよりも、自分の感覚に沿ってクリエションすることを心がけています。過去と現在を見つめ直すことで、ミュグレーのクチュールにはまるでアートのような、優れたクラフトマンシップと職人の魂が宿っているのです。

ミュグレーの世界はいろんな要素が詰まっていて、いまは主にクリーンなシルエットと完璧なテーラーリング術に集中しているんだ。これからのコレクションは、もしかして違うエレメントを活かして、まだ誰も見たことのないミュグレーの一面を披露させるかもしれないですね」