フランス料理界を牽引するふたりのシェフ、15年越しの競演ディナー開催|Diners Club

Diners Club|フランス料理界を牽引するふたりのシェフ、15年越しの競演ディナー開催

QUINTESSENCE × ANDRE: “REUNION” DINNER IN TOKYO

Diners Club|ダイナースクラブ

フランス料理界を牽引するふたりのシェフ

岸田周三 × アンドレ・チャンによる15年越しの競演ディナー開催(1)

5月下旬、ふたりのスターシェフによる刺激的なイベントが、御殿山のレストラン「カンテサンス」でおこなわれた。ダイナースクラブ主催、「カンテサンス」の岸田周三シェフと、シンガポールのレストラン「アンドレ」のアンドレ・チャンシェフとの競演ディナーである。

Text by Mackey Makimoto

スタイルのまったく異なるふたりが、どのように宴を繰り広げるのか?

岸田周三×アンドレ・チャン

「アンドレ」のアンドレ・チャンシェフ(写真左)と「カンテサンス」の岸田周三シェフ。南仏モンペリエのレストラン「ジャルダン・デ・サンス」で苦楽を共にした旧友が、15年のときを経て、はじめてのコラボディナーを東京で開催した

「カンテサンス」は、2007年以来、ミシュラン三ツ星レストランとして人気を博している。一方、2010年開店のレストラン「アンドレ」は、サンペレグリノが主催する「世界ベストレストラン50」に選ばれた、世界中から客が訪れる最新フレンチレストランである。

「岸田シェフとのコラボレーションは、すでに15年前からはじまっていました」。そうアンドレ・チャン氏が挨拶したように、ふたりの出会いは、15年前「ジャルダン・デ・サンス」で修行したときからはじまった。

岸田シェフは、数多くの店で働き、ジャルダン・デ・サンスのあとは、当時一ツ星だった「アストランス」で、スーシェフまで務めた。台湾出身のアンドレは、15歳で渡仏し、ピエール・ガニェール、ジョエル・ロブションといった、現代フランス料理を代表するシェフたちの店で働き、南仏モンペリエにあるジャルダン・デ・サンスで岸田シェフと出会う。互いにとっての異国の地で将来の夢を語り合ったであろう若いふたりは、その後こうして、世界を代表するトップシェフとなったのである。

「何度もさまざまなシェフとの競演企画をいただきましたが、お断りしていました。しかし、アンドレ・チャンとならやってみたいという想いはありました」と岸田シェフは語る。

実現した2日間だけのディナーには、席数の5倍の申し込みが殺到したという。おなじシェフのもとで修行したとはいえ、おなじフレンチとはいえ、スタイルがまったく異なるふたりが、どのように宴を繰り広げるのだろうか。

岸田シェフは、食材のキュイソン(加熱)が第一として、肉や魚の声に耳を傾けた精緻なキュイソンを心がけてきたシェフである。また伝統料理や郷土料理に敬意を払い、その再構築やモダン化にも取り組んでいる。

岸田周三×アンドレ・チャン

一方、アンドレシェフは、分子料理学も取り入れた、革新的な料理を次々と生み出してきたシェフである。明確な8つの哲学、①ピュア(調味料なしで素材そのものの味を楽しむ)、②ソルト(海の恵み)、③アルチザン(生産者への敬意)、④サウス(彼の心の故郷、南仏の太陽とおおらかさ)、⑤テクスチャー(食感の妙味)、⑥ユニーク(珍しい食材、めずらしい組み合わせ)、⑦メモリー(不変の料理)、⑧テロワール(大地への感謝)をベースにして、料理を生み出している。

岸田周三×アンドレ・チャン
岸田周三×アンドレ・チャン
岸田周三×アンドレ・チャン

ディナーには、交互にそれぞれの作品が出されることになっていた。一皿目は、アンドレから。海苔のチップにあわびの刺身を乗せた料理と、ブルターニュ産の生牡蠣にブレス産の鶏のロティをのせた料理である。生牡蠣に鶏、という不思議な組み合わせを食べてみれば、生牡蠣がマッチョに感じられて、牡蠣のたくましさが強調されるではないか。

脇には、モヒートを再構築したという小さな円盤状の固まりが、ソレルの葉に乗せられている。食べれば、まごうことなきモヒートで、爽やかさと濃い甘みが口のなかを駆け抜けて、顔が崩れる。早くもアンドレの術中である。

岸田シェフは、表面はパルミジャーノでグラチネした、新玉ねぎを使った冷たいオニオングラタンスープ。冷たいながら、オニオングラタンスープという料理の魅力は盛り込まれて、新玉葱の優しい甘みで心が緩む。添えられた一皿は、ウニのクスクスで、ウニがスムールと出合うことによって、軽やかになって、胃袋を刺激する。

岸田周三×アンドレ・チャン
岸田周三×アンドレ・チャン

ふたりの料理に共通するのは、自然の恵みに対する真摯な愛