田中凜太郎|古着イベント「インスピレーション 2011」開催(その1)
Fashion
2015年3月13日

田中凜太郎|古着イベント「インスピレーション 2011」開催(その1)

連載|田中凜太郎

ヴィンテージファッションイベント

「インスピレーション 2011」開催(その1)

2010年2月、ロサンジェルスのサンタモニカエアポートで開催された田中凛太郎氏主宰によるヴィンテージファッションイベント「インスピレーション」から早一年。今年、2月11日(金)、12日(土)に第2回目となる「インスピレーション2011」が開催される。今回は会場を“空”から“海”へと移し、内容もより“祭典色”の強いものになるという。そこでOPENERSでは、イベント開催を目前に控えた田中氏にインタビューを敢行。本イベントの構想について聞いた。

写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)

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会場の条件は気分がよくてヴィンテージ感のある場所

──いよいよ来月11日(金)、12日(土)に迫った『インスピレーション2011』。今回は会場を前回のハンガー(飛行機の格納庫)から船上に移しての開催ということですが、なぜ船だったのでしょう?

田中 空のつぎは海かな、という単純なアイデアもありましたが、僕自身横浜生まれなので海を見るとそれだけでワクワクするんですよね。イベントにとって会場選びはとても重要で、僕としてはできるだけ気分のいい場所でやりたかった。その点、今回選んだロングビーチの「クィーンメリー号」はフリーウェイを降りると突然視界が開け、正面に巨大な船があらわれる、そのシチュエーションだけで気分が高揚する場所。くわえて「インスピレーション」の場合、“ヴィンテージ感”というものが大切。その点からいっても、1930年代の客船というのは申し分ない条件だと思ったんです。

──あたらしい会場で開催するというのは大変な面も多いのでは?

田中 当然おなじ会場でやるほうがリスクは少ないし、勝手がわかっているほうが断然楽にできますよね。なおかつ一般的に定期的なイベントって、おなじ場所でやりつづけるのがセオリーですしね。でも僕はおなじところでやるのは嫌だったんです。もちろん前回のハンガーというシチュエーションが気に入らないわけではありません。あれはあれですばらしい会場でしたし、満足しています。でも僕の性格上、どうしてもつぎのチャレンジをしたいと思ってしまうんです。リピーターにあらたなインスピレーションを感じてほしいというのもありますし、僕自身、あたらしい会場の平面図を見るとゾクゾクするんです(笑)。

さらにライブ感をプラスしてヴィンテージの祭典にしたい

──イベントの開催日は今年も2月ですが、このタイミングにはなにか意図が?

田中 もう少しあたたかい時期という考え方もあるとは思いますが、古着をメインに扱うイベントとしてはやはりこの時期かなと。というのも、昔から古着業界では、毎月第2日曜日におこなわれるアメリカ最大のフリーマーケット「ローズボール」も2月が1年のキックオフ。そういった意味でこのタイミングがベストだと思っています。

──第1回目のイベントをふまえ、今回なにか変えようと思っている点はありますか?

田中 細かい反省点はもちろんたくさんありますが、第1回目は楽しくできたんじゃないかと思っています。なので基本的な部分を変えるつもりはありません。ただ、1年に1回、それもたった1日半のイベントなので、もっとライブ感を出したいと思っています。第1回目があったからこそ、今回は僕自身にそういったことを考える余裕ができたんだと思います。

具体的な話でいうと、まだ調整中ではありますがライブの音楽は入れるつもりです。

田中凛太郎|インスピレーション04

それから、サーフボードのシェイピング実演などもやれたらいいなと思っています。もちろんライブにはハプニングの危険性も伴いますが、それもふくめて楽しみたいと思っています!

──ブースの構成などはいかがでしょう?

田中 それも基本的に変わりませんが、古着だけでなくヴィンテージ家具や雑貨なども増やしていきたいと考えています。いまの時代、ファッションとしての古着のパワーは90年代ほどではありません。その点、家具などはトレンドなどとは関係なく、生活用品としてのポテンシャルがある。僕としては時代に合わせたヴィンテージとの付き合い方を冷静に、かつポジティブに探っていく必要があると思っています。そしてこの「インスピレーション」を、みんなでそういったことを考える場にしていきたいと考えています。

Queen of Vintage Vol.2: [Meow]

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価格|5250円
サイズ|H307×W232 mm
重さ|約1kg
言語|英語表示のみ


『My Freedamn!』主催の古着イベント「インスピレーション 2011」特別展示に合わせて製作されたスペシャルブック『Queen of Vintage Vol.2: [Meow]』。発売後、またたく間にソールドアウトとなった前作『King of Vintage No.1: Heller’s Cafe』(絶版)につづき、今回はハリウッドコスチューム業界からも注目を集める女性古着ディーラー キャサリーン・シャーフさん(『Meow』オーナー)の膨大なデッドストックコレクションを大特集! 第二次世界大戦以前に労働者に向けて販売されたオーバーオールユニフォームを筆頭に、1930年代~50年代に全盛を迎えたカウボーイファッション、アメリカ黄金時代を象徴するフィフティーズファッション、さらに黎明期の貴重なビーチファッションまで、ヴィンテージデザインそのもののおもしろさにフォーカスを当てた“ヴィンテージバイブル”である。

           
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