MATSUNAGA Manabu|Vol.1 ル・シクロップの庭

MATSUNAGA Manabu|Vol.1 ル・シクロップの庭

carnet de jardin タイムカプセルの庭へ

MATSUNAGA Manabu|松永 学

vol.1 Le Cyclop(ル・シクロップ)の庭

地球に落ちて来た愛の宇宙船

今回からはじまった新連載carnet de jardin。「庭ノート」のような意味だ。パリ在住20数年の写真家松永学氏が仕事の合間に訪れたヨーロッパの庭。第一回目の今回は、ル・シクロップの庭。前衛アーティストたち15人が森をスクワット(ひとの所有地に不法侵入&滞在すること)し、オブジェをつくり上げた、フランスのバルビゾン近くにある庭である。

写真・文=松永 学

1969年から20年間かけて制作した作品が並ぶ庭。Le Cyclop(ル・シクロップ)とは、ギリシヤ神話の巨人キュクロプスをフランス語であらわしたもの。場所はミレーの「落穂拾い」で有名なバルビゾン村の近く。

前衛アーティストJean Tinguely(ジャン・ティンゲリー 1925~1991)と、パートナーのNiki de Saint Phalle(ニキ・ド・サンファル)を中心に、当時の現代美術アーティスト15人がコラボレーションした作品であるが、じつはジャンとニキの愛の結晶ともいえるもの。

森の一角をフランスでよくいわれるスクワット(人の所有地に不法侵入&滞在すること)したもので、のちにミッテラン大統領時代から文化財に指定されている。突如森の中にあらわれる巨大オブジェは圧巻! しかも動き出す鉄の音響は森にこだまし不思議な生き物のよう。内部は機会じかけになっていて、鉄の玉がレール上をすべっていく。森にたたずみ、しばしこのタイムカプセルでタイムスリップできる庭空間である。
2011年はジャン・ティンゲリー没後20周年であり、再評価の機運が高まっている。

参加メンバーは以下の通り。
Jean Tinguely、Niki de Saint Phalle他
Bernhard Luginbühl
Pierre Marie Lejeune
Rico Weber
Philippe Bouveret
Giovanni Podesta
Jesús-Rafael Soto
César
Arman
Daniel Spoerri
Eva Aeppli
Jean-Pierre Raynaud
Larry Rivers
Seppi Imhof

Le Cyclop|ル・シクロップ
www.lecyclop.com
(冬場は休園となっている)

ABOUT
MATSUNAGA Manabu

写真家。北海道根室市生まれ。父の影響で小学生から写真をはじめる。暗室デビューも同時期。高校卒業後上京。日本大学芸術学部写真学科卒。学生時代はアルバイトに明け暮れる。アングラアマチュア音楽バンドで、舞台演出写真スライドショー&キーボードを担当。欲しいレコードを買うために、マニアックなレコード店が多かった新宿駅界隈が庭となる。日本デザインセンター入社後、2年間で退社。フリーフォトグラファーになる。その後フランス・パリに移住。雑誌を中心にルポルタージュやポートレイトなどで幅広く活躍。昨年2009年12月より、『carnet de voyages』というタイトルで旅をテーマとしたweb写真集を発表している。iPhone+iPad+iPodTouch用アプリ(PhotoHorloge)でも展開中! パリ発『webマガジン chocolatmag』ではビジュアルを担当。コラム内”chocolat papa356J”で毎日更新の写真コラムもはじめる。叔父はジェイムス・ジョイスの翻訳で有名な、日本の英文学者・翻訳家である柳瀬尚紀氏。 オフィシャルサイト http://www.manabu-matsunaga.com/ carnet de voyages http://www.manabu-matsunaga.com/voyages/