連載・TOKYO PREMIUM BAKERIES|第22回 ブーランジェリー コパン

連載・TOKYO PREMIUM BAKERIES|第22回 ブーランジェリー コパン

カラダもよろこぶ、東京の自然派素材パン屋

第22回 Boulangerie Copain|ブーランジェリー コパン

シンプル イズ ベスト。ブレない味のパン

東京でほんとうに「上質でおいしいパン」を提供しているパン屋さんを紹介する連載の第22回は、西武池袋線の大泉学園駅から徒歩4分の住宅街に建つ小さなお店、『ブーランジェリー コパン』。若き女性シェフの池田知嘉子さんが、スタッフとふたりでテキパキとパンを焼く地元の人気店です。

取材・文=戸川フユキ写真=高田みづほ

粉の味を引き出すために、ひと手間くわえる。気持ちを込める

西武池袋線の大泉学園駅を南口に出て住宅街を歩くこと数分、いなげやスーパーの斜め向かいに、建坪わずか7坪の小さなパン屋『ブーランジェリー コパン』がある。オープンは2006年。もとは飲食店だったところを改装して店舗にしたそうだが、作業しやすいように厨房スペースを広くとったため、売り場は変形の三角形で、ふたりもお客さんが入ればいっぱいだ。そんな小さな店内には、焼き菓子もふくめると常時60種類ほどのパンやお菓子がならんでいる。スペースが限られているため、日替わりメニューが多いのが特徴だ。

オーナーの池田知嘉子さんは、専門学校卒業後、都内の人気店でパンづくりの修行を重ねた。小学生のころから食べることやつくること、食材そのものにも興味があり、図書館へ行っては食関係の本を眺めていたそうだ。いまでも食材への興味が強く、外出するとお店でいろいろな食べものを見ては、「おいしそう。こっちのはかたちがおもしろい」など、じっと見入ってしまうそうだ。

そのためだろうか、お店にならんだパンのメニューは発想が楽しい。豆、かぼちゃ、芋、あずき&抹茶など、女性に人気のある食材を積極的に取り入れたり、餅にベーコンとチーズといった、パンではあんまり見かけないが「いかにも合いそう」でおもしろい組み合わせのパンが登場する。

パン屋|コパン 02
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住宅街でスーパーの斜め向かいという場所柄、毎日通ってくれる近所のお客さんや知り合いも多いそうだ。ときにはお客さんから、地元の畑で採れた野菜の差し入れをいただくこともあり、東大泉の町にすっかり溶け込んでいるようすだ。

「手を抜かずに気持ちを込めて、ひと手間くわえて丁寧につくる」が、池田シェフのモットー。現在、ふたりでパンを焼いているそうだが、重労働で大変だろうとこちらが心配すると、「少人数でつくるので、味がブレなくていいんです」と頼もしい言葉が返ってきた。華奢なからだつきで控えめな池田シェフも、やはりハートは熱いのだ。

トップ写真は「バゲット」2種。左の先が尖ったかたちのほうが「バゲットセレアル」。亜麻の実、きび、あわ、ごまなど数種の雑穀入りでミネラルも豊富だ。右は「バゲットナチュール」。粉のおいしさを引き出すため、16時間の長時間発酵をさせてから焼きあげる、シェフ本人も大好きなシンプルで粉の味が濃いバゲットだ。そのほか自家製サワー種を使ったドイツパンや天然酵母のカンパーニュ、惣菜パンに甘いパンなど、日替わりメニューが多いので、チェックしてから出かけよう。電話での問い合わせにも対応してくれるそうだ。

パン屋|コパン 06
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『ブーランジェリー コパン』にならぶパンは、どれも優しい顔つきだ。豆や芋、いちじくとくるみ、チーズとはちみつなど、食材を愛するシェフが好きな素材を選び、「ますますおいしくなるように」組み合わせて焼いているからだろうか。

しかも写真を見ればおわかりいただけると思うが、焼きあがったパンには野暮ったさがなく、ひとつひとつじつに洗練されたムードが漂っているのが見事だ。この辺が、シェフのセンスと腕なのだろう。なかでも、焼きたての「いちじく、ゴルゴンゾーラ、はちみつ」のパンは、その香りもあいまって、誰をもハッピーな気分にするパワーを秘めている。

パン屋|コパン 11

Boulangerie Copain
『ブーランジェリー コパン』

東京都練馬区東大泉6-47-11
Tel. 03-3922-0391
営業時間|11:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日|日曜日・月曜日(そのほか不定休あり)HPでご確認ください。
西武池袋線 大泉学園駅南口下車徒歩4分
http://copain2006.exblog.jp/