特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.2 大西麻貴インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.2 大西麻貴インタビュー

OPENERS的ニッポンの女性建築家

Vol.2 大西麻貴インタビュー (1)

繋がる建築の未来

建築とは、その設計を通して、街とひとと建築家とを繋ぎ、ひとりでは描けない夢や、かかえきれないような思いを共有するプラットフォームである。学生時代から数々の賞を受賞するなど、近年活躍がめざましい若手建築家のなかでも、いまもっとも注目を集める建築家のひとり、大西麻貴氏。大学在籍中に手がけたいくつかのインスタレーション、最近着工したばかりの初の住宅作品について、そしてこれからの時代の都市開発のあり方について話を聞いた。

インタビュアー、まとめ=加藤孝司

建築を志したきっかけ

──現在、ご自身の設計活動をしながら、大学の博士過程にも在籍中と聞きました。

はい。でも最近は、ほぼ設計活動に専念しています。

──ご自身の設計活動と大学での活動ということで、たんに個人の設計事務所を運営しているのとは少しちがう、活動の幅のようなものがあると思うのですが、いかがですか。

私の場合は、修士のときにいくつか実現を前提としたプロジェクトにかかわる機会がありました。建築というのはひとつの建物が建つまでに一年、二年と、どうしてもひとつひとつのスパンが長くなります。修士を出てから就職したいとも考えたのですが、辞めるタイミングを逃してしまいました。いまは藤井 明先生の研究室に在籍しています。もともと博士課程に在籍しながら自身の設計活動をはじめる先輩方が多く、また、先生のお人柄もあって、自由に好きなことに取り組める研究室だと思います。その環境に後押しされて、活動をつづけることができています。

──建築を学ぶ環境として恵まれていたのですね。

はい。最近、京都大学の友人とはじめた嵯峨嵐山のリサーチ活動なども、大学にいなければ挑戦してみようと思わなかったかもしれません。まだはじまったばかりの活動ですが。

大西麻貴|建築家 01

『千ヶ滝の別荘』 (2008年・百田有希と共同設計)

──建築を志したきっかけを教えてください。

じつは建築学科に進みたいと思ったのは、ものづくりをしたいという漠然とした気持ちがきっかけでした。実際、設計を学びはじめてからのほうが、それまで想像していたよりも何倍も楽しくて、こんなにおもしろいことが世の中にあったのだと感動したくらいです。

──大学で学んでいるあいだにそう思うようになったんですね。

そうです。はじめは、なにがなんでも建築というわけではなかったように思います。

──ものづくりといっても、工業製品であったり、クラフトやファッションであったり、いろいろあると思うのですが、建築を選んだのはなぜでしょうか。

そうですよね。なぜでしょうか(笑)。

──いま、建築家を志す女性が増えていると思います。僕の偏見かもしれませんが、建築って、どちらかというと男の世界という荒々しいイメージがあります。

とはいえ、中学生くらいのときから、漠然とではありますが、建築の道に進もうとは思っていたんです。でも、それにはこれといった明確な理由があったわけではありませんでした。絵を描くことや、美術が得意というわけでもありませんし。