ホンダS660、最小ミッドシップスポーツに試乗|Honda

ホンダS660、最小ミッドシップスポーツに試乗|Honda

CAR IMPRESSION

Honda S660|ホンダ S660

日本が世界に誇るスポーツカー

ホンダS660、最小ミッドシップスポーツに試乗

2013年の東京モーターショーで発表された「S660 コンセプト」が2年の月日を経て、「S660」として待望の市販化を果たした。軽自動車のミッドシップスポーツカーというコンセプトは、いまだ根強い人気をもつ1991年に発売された「ビート」の後継となるものだ。コンセプトカーをほぼそのまま市販化に繋げた、ホンダの意気込みと技術力の結晶ともいうべきS660を早速公道に連れ出してみた。

Text by SAKURAI KenichiPhotographs by HANAMURA Hidenori

唯一無二のエキゾチックモデル

交差点で信号待ちをしている間、何人の歩行者に見られ、何人にスマホで撮影されたかわからない。デビューしたてでホットなモデルであるという希少性も、当然あるだろう。撮影車両がプレミアムビーチブルーパールという少々派手で、目にも鮮やかなブルー系のボディカラーであったことも関係しているはずだ。しかし、それ以上にユーザーの期待感のようなものを感じずにはいられなかったのが、この「S660」というブランニューモデルである。

オーディエンスの熱い視線を浴びるのは、それこそフェラーリやランボルギーニ並みで、ポルシェやアストンマーティンでは残念ながらここまでに至らない。もちろん、目立ちたいから、自慢したいからクルマに乗っているわけではないが、デビューしたばかりのS660に対する世間の注目、もっといえば接し方に対する熱量はそれぐらいだという一例だ。フェラーリやランボルギーニといえば、およそ2,000万円を超える超高級スポーツカーカテゴリーに属するモデルばかり。価格がその10分の1程度のクルマでもこの注目とは、いかにS660の登場が世間にとってニュースなのかが計り知れるというものである。

Honda S660 |ホンダ S660

Honda S660 α

Honda S660 |ホンダ S660

Honda S660 α

ディティールを細かく分析すれば細部の処理はことなっているが、これはそのまま一昨年の東京モーターショーで話題をさらった「S660 コンセプト」そのままのアピアランスである。ルーフはデタッチャブル式のソフトトップで、ホンダはこれをロールトップと呼ぶ。取り外しはフロントウィンドウ上部にあるセンターロックを解除したあと、左右2ヵ所とレバーを外すだけ。ひとりでオープン/クローズの作業がおこなえるほどに簡単だ。外したロールトップは、その名のとおりくるくると丸めて、フロントフード内のユーティリティボックスにキッチリと収納可能である。

ミッドシップ、オープン、2シーターとこれだけのキーワードを並べれば、なにやらイタリアンスーパーカーの世界にも符合するが、ご存知のようにS660は日本の軽自動車規格に収まるれっきとした軽自動車だ。

1991年に登場した「ビート」を知るものにとっては懐かしく、それを知らないいまどきの人には斬新なコンセプト持った軽自動車に映るだろう。

さらにいえば、ホンダは1960年代にコンセプトカー「S360」をルーツに持つ市販車「S500」や「S600」、「S800」という小型スポーツカーを販売していた歴史もあり、F1参戦のイメージも手伝ってホンダ=スポーツカーメーカーという認識のファンはいまをもって少なくない。

Honda S660 |ホンダ S660

Honda S660 α

S360は、コンセプトカー発表時に360ccの軽自動車用エンジンを搭載していたものの、ボディサイズは軽自動車規格よりも長く、正確には軽自動車とは呼べないが、ホンダイズムを象徴する小型スポーツカーの原点として世代を超えてリスペクトすべき存在である。ともかくホンダは、小さいながらも乗って楽しいクルマを作ることに腐心する伝統を持つメーカーであるということだけはまちがいがない。